紙の本
軽いけど本格推理
2015/08/30 23:41
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投稿者:翠香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ごく普通の少女・彩子、男勝りなキリエ、お嬢様の摩耶という組み合わせは、
北村薫さんの『円紫さんと私』シリーズとも似ていますが、
雰囲気はどちらかというと赤川次郎作品の方が近い気がします。
高校生が警察に捜査協力(しかも殺人事件!)というありえない設定もさることながら、
登場人物も突き抜けたキャラクター揃い。特に彩子の姉・不二子が凄い。
妹のラブレターをも捜査に利用する極悪非道な姉です(笑)
でもこれがきっかけで憧れの君・祀島くんとお近付きになれたのだから結果オーライ?
漫画的な軽いノリながら、意外に本格推理でした。
電子書籍
二十世紀の黄昏を生きる少年少女たちの推理
2016/03/14 13:47
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投稿者:MiolMor - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三話「大女優の右手」について。
手套の麗人として知られた女優野原鹿子が、舞台上演中に絶命し、その後の舞台をダブルキャストとして控えていたもうひとりの女優がつとめる。その間に楽屋に安置されていた野原鹿子の遺体が、救急隊が到着したとき、失せていた。
この謎の事件に挑むのが少年少女探偵団の面々。中でも、化石マニアの高校生祀島龍彦の雑学と推理力がずば抜けている。モンローについての会話から、多指という形態異常として豊臣秀吉の右手の指が多かった事例を挙げるなどの雑学が、その後の推理に活かされる。
この話において、曇りない感性と洞察力を発揮する少年や少女と、大人たち、特に古い過去の歴史を秘めた老人たちとの出会いに、えもいわれぬ味わいがある。
野原鹿子なる女優がいったい何者だったのかという謎。優雅なレエスの手ぶくろがなぜトレードマークだったのかの謎。ほろ苦いコーヒーの後味のような余韻がある。
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「パズラーのようで、ユーモアミステリのようで、青春ミステリでもある」(解説より)創元推理文庫だけど、もとは少女小説。なるほど。祀島くんがなかなか個性的で素敵。読みやすくて、読み応えがあって面白かった。
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うわぁこれほんと良い!おすすめです。祀島くん大好き。スーパーマイペース祀島。周りお構いなし。話はすごくおもしろいし文章も易しいのだけど、ただひとつ私が読みながら苦労したことは登場人物の名前が読みづらくて何度も目次に帰らねばならなかったということです(笑)
これはあと5回くらい読み返したい。★10個!いやぁ、よかった。祀島くんすきだなあ。
「ルピナス探偵団の憂愁」も読みたい!
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最高ですよ。私の今までの少ない読書量の中で、これほど心にキタ推理小説はありません!! 『作家が読む小説』と云われる話を書く作家さんだというので、活字熟練者ではない私にはまだ読むのは早いとも思ったのですが・・・ この小説を読んで、津原さんがジャンルを確定して仕事をしている作家さんじゃないというのがしみじみ分かりましたね。 ミステリとして全然妥協がなかったし、その上キャラクターや文章構成にも生き生きとしたものが感じられる。マイベストは『冷えたピザはいかが』かな、やっぱり。あ、でも『大女優の右手』もかなり好きなお話。 脇役らしい登場回数のご老人がなぜか強烈な印象を残していきました。
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誰が探偵役なのかイマイチ分からない謎のミステリ。もとティーンズ向けというだけあってキャラクタが立っていて面白かった。 何より好きなのが、この登場人物表。誰だ、これ書いたの。 一話目「冷えたピザはいかが」からWhy?と同時にWho?でもあるのに登場人物紹介で「第一話の犯人」と書いてある。
そして「謎の老人」のという人物の性格付け?紹介文として「謎の人物」と上下で同じことが書いてある〜。ナンダコレ?
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「悩める乙女の謎解き高校生活」と帯にw
手に取り、あらすじを読んでみる・・・・・・。
ありえねー!!!www[壁]_☆)キラーッ
タイトルにあるルピナス学園高等部に通う主人公はひょんな事からうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から事ある毎に事件の推理を強要されているだなんて!!!(゚ロ゚屮)屮
ページを少しめくってみる・・・・・・。
そのまま、収録の三篇を一気読みですな(え)
「読みやすい・感情移入しやすい・キャラが立ってる」の三拍子が揃った少女小説にして、推理小説のエッセンスもあり。
赤川次郎氏の作品と似て、「ドラマにすると面白いだろうなぁ」と感想を抱くw
帯にはこのシリーズの続編が発売とあるも・・・・・・文庫になるのかしらんw
そちらは「大人になった」主人公達が出くわす事件だそうですぞw
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ずっとずっと気になっていた≪津原泰水≫さん。「少年トレチア」と「蘆屋家の崩壊」は積んだまま、こちらを先に読了。
もとは講談社X文庫ティーンズハートより出版されたものとあって(一話二話を全面改稿の上三話を描き下ろし)読みやすかったです。
彩子の強烈な刑事のお姉さんとか、そのお姉さんの尻に敷かれてる年下の上司とか。うまくかみ合わない祀島くんとか、キャラクターも好感が持てるし、ミステリの謎も良かった。
殺人事件のミステリなので米澤穂信のように日常の謎の方が好きな方は躊躇ってしまうかもしれないけど、探偵が少年少女のミステリがお好きな方はどうぞ!
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彩子が出会う事件は刑事の姉が持ち込んでくる密室殺人等、
典型的なミステリっぽい展開だが、なんとなくほのぼのとした雰囲気なのがよい。
どの事件でも本当の謎というか、事件の解決以上の解決があるのが嬉しい。
密室の謎を解くだけではなくそれに関わる人々の心情をも解き明かされ、
またその謎が美しい。
ただ単に謎を解いてどんでん返しで驚かせてくれるだけでなく、
細かいところまで行き届いている感じがステキだ。
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短編集でシリーズもの。新ジャンル文学ミステリ。冗談は置いておき、面白かった。(たぶん)ミステリ小説なのに、ミステリ部分に対する執着をあんまり感じない。謎から答えまでの道のりが短いのが理由か。
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「絶対に追いつけない幻影を追って走り続けた人生だ。あんな婆さんになってさえ、酔うと自分の右手を見つめ、贋物だと云って泣いた。なあ彩子ちゃん、そろそろ本物にしてやろうじゃないか」(本文より)
大女優の右手が好き。動機が切ない。
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ずっと気になっていた今作。
学園青春もののライトミステリーだと
思いこんでましたが...かなりの本格派ミステリーでした。
キャラクターや設定はコミカルな
学園青春ものの皮を被っています。
その中身は、注意してしっかり読んでいかないと、
見失ってしまいそうな、想像力と論理展開による推理。
ガチのミステリーです。
女子高生たちが探偵となるには事件が
大きい不自然さはあるものの、キャラクター描写
(とくに主人公の姉である刑事。しかもがさつ。)に
よって助けられて、気にせず没頭出来ますねー。
今まで未読の作家さんでしたが、
またこれで遡って読む本が増えそうな予感...。
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連作短編。「冷えたピザはいかが」「ようこそ雪の館へ」「大女優の右手」どれもまさにミステリーといった雰囲気。
2009/12/2
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可愛い話。
祀島君が好きです。天然でクールって、最高だと思う。キリエのさばさばした性格も大好き。
初期のタイトルが「うふふ ルピナス探偵団」だったのを知ってもっと好きになった。
サイコ、好き。
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続編「ルピナス探偵団の憂愁」を読んでから再読すると、味わいがひとしお。青春時代は二度と戻らないから、感慨深い。