- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
7 件中 1 件~ 7 件を表示 |
紙の本
ほんのちょっとのすきまに存在する不思議な世界
2010/12/07 22:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
『あかりをけすと』、『カギ』、そして、本書。
こばやしゆかこの描く「不思議な世界」は、
いつもの身近な場所のほんのちょっと向こうにある。
いつもの部屋のあかりを消したら、カギ穴をのぞいたら・・・
そこにはいつもと違う世界がある。
前2作の主人公は、ねこだったけれど、
今度はちえとさえの姉妹が主人公。
ねこはペットとしてさりげなく顔を出している。
パパに「ふたりとも、もう ねる じかんだよ。はやく ベッドへ いきなさい。」と言われるのだが、
ふたりはまだねむくない。
「いやあよ。だって まだ ねむく ないもの。」
きっと、多くの家庭で繰り広げられている親と小さな子の会話。
9時以降は大人の時間・・・はもう通用しなくなってしまっているのだろう。
あの「大人の時間」という響きとそれ以降の知らない時間の魅力は、
今の子どもはもう感じられなくなってしまっているのかもしれない。
本書では、時刻も書かれていないし、時計も描かれていない。
「もう ねる じかん」はきっと家庭ごとに違うから、
時間では遅さを表現できないからではないだろうか。
ねむくないふたりがかけこんだのはカーテンの中。
このカーテン、ちょっと妖しげだ。
動物と木々の模様。
カーテンのひだが立体感を演出し、
本当に木が生えていて、動物たちが隠れているようにも見えてくる。
パパは、「どこにいるんだい? おかしいなあ。」
とあかりをけしてでていってしまう。
ここで、絵は外からの景色に切り替わる。
ママの姿が台所の窓から見える。
ちえとさえはカーテンの中だ。
実は、パパは・・・。
ドアがしまると部屋もカーテンの中もまっくら。
さぁ、カーテンの中では、何が起こるのか。
「もう ねる じかん」という言葉では寝ない子どもたち。
だけど、こんな冒険をしたら眠くなるかもしれない。
カーテンの中の世界は、暗さとふたりの想像力が作ったのか、それとも・・・。
なかなか寝ない子にいつまでも明るい部屋がお決まりの昨今だが、
それでも「不思議な世界」は、ほんのちょっとしたすきまに存在するのである。
7 件中 1 件~ 7 件を表示 |