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華厳経の世界
2021/05/07 13:10
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
一即多、多即一などの華厳の世界について語られている。天台との違いとして天台は衆生から仏を見ていて華厳は仏から衆生を見ているという話が興味深かった
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文庫で華厳経を詳細に紹介する貴重な書
2016/02/23 21:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Shigenobu Fujioka - この投稿者のレビュー一覧を見る
角川文庫ソフィアの仏教の思想シリーズの第6巻は華厳経。
法華経や密教、浄土宗系の経典は、文庫サイズの安価な本がたくさんあるが、
華厳経は、意外にも、若干の入門書を除いては、あまり出版されていない。
本の内容は、期待を裏切らないもので、華厳経の誕生と発展が、細かく論じられている。
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間違っているかもしれないが、非常に荒っぽく、現段階で華厳のキーコンセプトをいったんまとめる。
◆華厳の世界観「法界」ってなに?
○事法界
感じる→感じる→(以上繰り返す)
○理法界
わかる→わかる→(以上繰り返す)
○理事無礙法界
感じる→わかる→願う→行う→(以上を繰り返す)→できる=叶う
感じる→わかる→願う→行う→できる=叶う→(以上を繰り返す)
無礙なので逆もある。
わかる→感じる→願う→行う→(以上を繰り返す)→できる=叶う
わかる→感じる→願う→行う→できる=叶う→(以上を繰り返す)
○事々無礙法界
感じる→願う→行う→できる=叶う
”事々無礙法界”は完全に悟った人の世界だから、”わかる”はないはず。
このパターンはどっかでみたことがある。
◆「無尽縁起」ってなに?
○無尽と融通無礙
2つ以上のものが互いに妨げることがなく融通していること。
○作用と体
作用には、有力と無力の状態がある。
体には、有と空の状態がある。
○「相入」と「相即」
作用は、主人(有力)にもなり、従者(無力)にもなる。
これにより、作用は融通することができる。これを相入という。
体は、一方が「有」ならば、もう一方は「空」。
これにより、体は融通するすることができる。これを相即という。
○「異体」と「同体」
一切のものが互いに関係しているとみなすとき、異体という(非独立)。縁起は外部(縁)。
他の一切のものと関係していないとみなすとき、同体という(独立)。縁起は内部(因)。
○縁起相由
無尽縁起が成立する論理的根拠。
┌─異体相入─┐
諸縁各異─┤ ├─体用双融─┐
└─異体相即─┘ │
│
倶存無礙 ├─同異円備
│
┌─同体相入─┐ │
互編相資─┤ ├─倶融無礙─┘
└─同体相即─┘
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この巻は限られた紙幅の中で実によくまとめられていると感じたな。
天台とは表と裏のような関係にあること。そして、今では東大寺
くらいしか思い浮かばない華厳の教理が禅の中に息づいているのでは
ないかという考え方が興味深かった。
しかし一口に仏教と言ってもこれだけ多様な相を持っているのには
改めて驚かされる。それぞれがさとりへの方便ということなのかも
しれない。
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第1部 華厳思想の本質(華厳思想の形成;華厳思想成立の基盤;華厳思想の至境;華厳思想の役割)
第2部 『華厳経』の特徴(塚本善隆;鎌田茂雄;上山春平)
第3部 華厳思想への道
著者:鎌田茂雄(1927-2001、鎌倉市、仏教学)、上山春平(1921-2012、和歌山県、哲学)
鼎談:塚本善隆(1898-1980、愛知県、仏教学)
解説:河合隼雄(1928-2007、篠山市、心理学)