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闇の左大臣 石上朝臣麻呂 みんなのレビュー

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紙の本

古代の歴史をひもとく石上朝臣麻呂の出世物語

2006/12/27 18:43

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 おなじみ黒岩重吾の古代歴史小説である。私も厩戸皇子(聖徳太子)の物語を中心にずいぶん読んだものだ。古代と一口に言ってもそれほど短い期間ではない。継体大王の時代もあったし、蘇我稲目から発した蘇我・物部の対立から蘇我氏の天下、さらに壬申の乱を経て天武天皇、持統、元明、元正などの女帝の活躍、藤原氏の台頭など黒岩の小説だけを見ても相当長い時代である。
 本編の主人公は、誰もが知っている厩戸皇子でもなければ、女帝でもない。蘇我氏との戦いに敗れた物部の一派である石上朝臣麻呂である。といってもご存知の方は少ないであろう。天智の時代に武術に優れていたために親衛隊長に抜擢されて大友皇子を警護していたが、間もなく壬申の乱が勃発して戦いに敗れて投降した。
 戦後、許されて官人に復帰したのだが、低い官位からの再出発となった。ここから不思議なことに麻呂の地位は面白いように上がっていくという出世物語になっている。
 黒岩重吾は古代歴史小説の主人公として、歴史上名を成した者、歴史を動かした者がさすがに多いのだが、そうではない場合がある。たとえば、斑鳩宮始末記の主人公である調首子麻呂(つぎのおびとねまろ)である。厩戸皇子の従者である子麻呂がなぜ主人公になったかといえば、一種の捕物帳としての面白さを引き出したかったのであろう。子麻呂が犯罪の捜査に当たるという話である。
 古代社会の犯罪とその捜査がどうであったかは別として、舞台設定を古代にして、捜査はいつの時代も同じであるとすれば、書く方も読む方も新鮮である。しかし、今回の主人公は最後には左大臣にまで上り詰めた貴族である点で異なる。しかし、没落豪族の子孫というハンディキャップを背負って苦労した麻呂の軌跡が面白く小説化されている。
 この間の政治情勢は変化に富んだもので、壬申の乱に勝利を収めた天武天皇は崩御し、その後継をめぐって皇后が容喙する。この皇后が後の持統天皇である。さらに麻呂は草壁皇子対大津皇子、軽皇子の即位など歴史上の事件を経験しつつ、自らの地位を高めていった。
 主人公を高級官人にしたところに本編の上首尾があった。石上朝臣麻呂の出世物語を通して、麻呂が生きた時代の歴史的事件を次々に描いてみせたことになる。そういう点でも読みでのある一冊であった。

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