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紙の本
江戸時代の治水事業はプロジェクトファイナンスの世界
2003/07/15 08:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K.T. - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書によれば、江戸時代の治水事業はプロジェクトファイナンスの世界。出資者はさしずめベンチャーキャピタルといったところか。網野善彦による中世民衆史の農業偏向批判は有名ですが、本書は古文書による実証に基づいて、江戸時代の“お百姓”の生活世界のイメージを一変してくれます。「虐げられた下層民」像からホモ・エコノミクスへ。お上との関係だって、従来の近世史とは全然違う絵が描かれていることに驚きます。「要はアナタ、稼ぎたいからワシらも頑張るわけでね」。
人間は利に動かされる生き物だという、経済学なら当たり前の前提が、日本史を語る時に何故ちゃんと踏まえられてこなかったんだろう。だってこんなに新鮮なんだもの。権力構造だの階級闘争だの言う前に、基本としていちおう経済関係は押さえておきましょうネというだけの話が、ここまでインパクトを持つのだから。作者が言うように、教科書に代表される“公式見解”は根本的に見直さないといけないです。
ちなみに作者は別に経済学徒でも何でもありません。佐渡で高校の先生をやりながら郷土史研究を続けてこられた方。タイトルも平凡だし、こんなオモロイ話だと誰が思うかね!
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