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紙の本
江戸を読み解く文献のような一冊
2015/09/08 17:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
1~2ページから多くても数ページに、短くまとめられた短編集。でもその内容は濃く、「作品」というより「論文」や「文献」と言った感じを受けました。いえ決して堅苦しいという意味ではなく、江戸という時代と文化を、色んな側面から描き出していると言う点で、興味深い上に非常に勉強にもなるなと感じたからです。まずは4つのカテゴリで、江戸の街を浮き彫りにします。
最初は、「江戸の商人たち」。かの紀伊国屋文左衛門他、江戸を代表する商人とその人情味あふれる人柄を紹介して、当時の経済を垣間見ます。
次は「江戸歳時記」。四季折々の風景やそこにあった食べ物、飲み物等を紹介。庶民の暮らしが見えてきます。
次の「江戸の空はあかね色」でも当時の文化を紹介しつつ、現代とのコントラストを描いている所が興味深い。というか、現代社会の乱れに痛烈に斬り込んでいる。耳が痛くなるような部分も多々あるが、納得せざるをえない物ばかりでした。
次は「陽を浴びた朝つゆ」で、今度は山本先生の人生経験を描かれていますが・・・これまたさらに痛烈に今の世のあり様を憂えてらっしゃいます。一言で言ったら、「甘ったれんじゃねえ!」って感じでしょうか。
さらには付録的に、先生の講演が一つ、ほんの小さな掌編小説が二編。これらもとても興味深い物になっていました。
他の山本作品とは一味もふた味も違う、何と言うかお腹いっぱい満足出来る一冊。山本ワールドに慣れ親しんだファンが、中休み的な気持ちで手にとって見るのに、とても良いのではないかと思います。
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