投稿元:
レビューを見る
『源氏物語 古典セレクション』(全16巻)は、同じ小学館から出ている「新編日本古典文学全集」の第20巻から25巻に収録されている『源氏物語』(全6巻)の普及版として出版された。ハードカバーで6分冊の「新編日本古典文学全集」版を、ソフトカバーと16分冊にすることで軽量化し、原文の美しい調べと深い味わいを伝える待望のハンディ版の全集というのがセールスポイント。
本家「新編日本古典文学全集」の『源氏物語』は三段組みのページレイアウトで、上から注釈、原文(古文)、現代語訳の順に配置しているが、こちらの『源氏物語 古典セレクション』は右ページ側に原文と注釈、左ページ側に現代語訳というレイアウト。第1巻には桐壺、帚木、空蝉、夕顔の各帖が収められている。
ただ、いざ購入するとなると、迷ってしまうことも。『源氏物語 古典セレクション』はハンディ版とはいっても全16巻という分量だと、本棚に並べた場合に「新編日本古典文学全集」の『源氏物語』よりも場所を取る。また、もう一つ価格面でも悩まされる。『源氏物語 古典セレクション』(全16巻)をそろえると計26,880円、「新編日本古典文学全集」の『源氏物語』(全6巻)だと計27,900円。
自宅とか研究室で読むか?
あるいは気楽に持ち歩いて読むか?
読む場面から考えれば、どちらかをチョイスできるだろうけど、価格面で比較すれば迷ってしまう。持ち歩き派ではない私は、仕事場用に「新編日本古典文学全集」のほうを選び、自宅で読む必要がある場合は『源氏物語 古典セレクション』を図書館で借り出している。
追記:同じ執筆陣による『源氏物語』では、セレクトシリーズ(部分収録)本ではあるが「日本の古典をよむ」の第9巻『源氏物語(上)』と第10巻『源氏物語(上)』も出ている。入門書としてなら、「日本の古典をよむ」シリーズのほうが良い。