紙の本
現代医学を本書の世界観にもってきたところが秀逸。
2015/08/17 01:54
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投稿者:Z戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻に引き続き、寝食を忘れて3日で読了。タイトルからはあまり良い終わり方を期待出来なかったが、もともと童話作家であるからなのか、予想に反したエンディングであった。やはり私は上巻の第一章が一番のお気に入りだ。そのあと失速した感は否めない。とはいえ、人体を森に例えたところなどは、医療関係者が読んでも感心してしまった。総じて満足のいく作品ではあった。
電子書籍
だからこそ人は足掻く
2015/03/26 09:17
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
足りない。『鹿の王』に対する満足感が。外伝に図らずも期待してしまっているのが、広大かつ深淵、それでいてなじみ深い上橋ファンタジーの魅力。この世に生を受けたその時からどう足掻こうが死とは隣り合わせ、だからこそ人は足掻く。やわな共生、共存なんてもんじゃなく無数に複雑に紡ぎ合い絡まり合う命の糸がこの世界の私たちの「網」となっている。最後のホッサルの独白で<光る葉っぱ>がかすかに光る場面。光ったのではなく「ピカ・パルがかすかに笑った」そう思えた。
紙の本
一気読みしました
2014/12/03 15:16
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投稿者:Pen - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の世の中を投影したようなテーマで、色々と考えさせられるました。
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ちよっと正し過ぎて
2017/01/23 17:39
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
いくつかのルートにいた登場人物が集結していくくだりは素晴らしいので一言。パンデミックなど医学の知識を取り入れて進む物語には厚みがある。ただ、不真面目なキャラクターが好きな自分としては登場人物が皆 立派な人ばかりでどうも疲れる。
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医療と生き物とファンタジー
2017/01/20 02:35
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投稿者:絵屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。さすがというべきか、言葉が頭の中に大きな引っ掛かりもなく入ってくる。完全なファンタジー要素と現代にも通じる医療の技術・知識が違和感なく解け合っていて斬新さがあり、ただのファンタジー、ただの医療ものではないと思わせる。一番気に入ったのは遊牧民や飛鹿乗り特有の、鹿やトナカイたちへの思いのあらわし方だ。少なくとも日本の都市部では思い付かない気持ちではないだろうか。主人公の相棒飛鹿への深い感情に心動かされた。
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勢いで読めます。
2016/01/06 20:45
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻で書かれてる謎、秘密や人間関係や国の在り方などが徐々に無理なく明らかになっていきます。面白かった。
勢いよく読めました(上巻はどうしても説明が多いからね)。
これは児童書ではない!
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図書館より。
これって本当に児童書?
大人向けだよな~。
上巻でそれぞれの立場にあった主人公達が、下巻で出会ってから、物語の色々なものの姿が見えてくる。
生きるって、なんだろう。生き残ることの意味。そして「鹿の王」。
しかし、彼はもう「独角」じゃない。こんなこと思うのも変だが、無事に帰ってきて欲しいと思う。
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同じ人間なのに戦い争い憎しみ殺し合い、一方から見れば他方は悪でその逆もまた然りで、人を陥れるために足元を掬い、恨みのために病原菌を蒔く。時代によって方法は違えど、同じ過ちを繰り返し人間は進化してきたといえるのだろうか。
共に生きてゆく。強いメッセージは感じるけれど、伝えたいことが多すぎて少し混乱する。そこに意識的なものがあるのか、いつもの心が突き動かされるものがない。
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不思議な犬たちと出会ってから、その身に異変が起きていたヴァン。何者かに攫われたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた思いがけない存在と向き合うことになる。同じ頃、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道は―!?
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面白かった!
生命、医療、生態系、民族の思惑等・・・それぞれの要素が複雑に絡みあい、読み応えのある物語となっております。
そして、希望を抱かせるラストは、きっと皆が出会えて一緒に還ってくるに違いない!と、思わせてくれるものでした。
その後のヴァンやホッサル達の話もぜひ読んでみたいです。
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児童書ですが、子どもにはかなり難しいかな〜やっぱり大人向きだと思います。
上橋さんは大好きなので、自分の中でハードルを上げすぎてしまったかも…今回は守り人や獣の奏者ほど、のめり込めませんでした。
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佇まいがとても美しい戦う男の物語でもあり、
病気と戦う男の物語でもある。
この物語の登場人物たちは現実世界に似ているような似ていないような世界で起こるはかりごとに巻き込まれながらも、自分の信じた使命に生きている。
小さい頃にこの本を読んでたら、医者をめざしたかもしれない。
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この世の中に単純な善も悪も、敵も味方もなく、属する集団の目指すものやあらがいがたい世の中の波や流れと個人の希求するもの(家族との平穏・幸福、自己実現)とのはざまで揺さぶられながら、だれもがみな置かれた立場で必死で生き抜いてゆくこと、また血縁にとどまらない多様な人と人との結びつきの可能性をみせてくれるのは「守り人」シリーズ同様、今回の物語はとくに医と政、医術に関してはいわゆる対症療法・科学的方法と体質改善的方法それぞれの目指すものと限界、政に関しては支配するものとされるものの関係性について考えさせられた。
虚実情報入り混じり陰謀論などもささやかれるなかで、なにを信じ、判断の拠り所にするか、人の心理にせまる箇所もスリリングだし、文化・宗教・信条の違いによる対立・支配・排除をいかに乗り越えるか、現代社会批評としても読み応えあり。
主人公の圧倒的な存在感はファンタジーそのものだけれど、彼らの巻き込まれる問題、迫られる選択は、まったくひとごとではなくわがこととして身につまされる。
なるほど「鹿の王」…
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"そのとき、どこかから、子供の声がふってきた。"
比較対象は『守り人』と『獣の奏者』ですし、読みながらハードルが高すぎたかなぁと思っていたのですが、またまた最終章にもっていかれました。上橋先生すごいです。
ヴァンの生存が絶望的な状況で、崖の上に現れたユナちゃんは、その明るい性格も重なって、本当に太陽のようでした。心が洗われるわー(*´Д`)。*°
ユナ救出シーンとトマ達との再会シーンも好き。
児童文学じゃ無くなって(?)、小難しくなってるよ!でも本質の良さは変わりません。マカンコウサッポウ。
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やっぱり上橋菜穂子先生の作品はおもしろい!
植民地の話から医学、感染症、地衣類、動物の生態の話など、この世界観の中でリアリティを持たせて書かれているところがすごい。
人の持ついのちをめぐって人の中に現われる葛藤、宗教、科学のぶつかり、植民地支配のはらむ危険と、様々な環境に翻弄されながらも生きようとする人の姿が描かれていて、この物語が3年かけて書かれたということにも頷けます。
この上下巻で終わってしまうのが惜しい、もっと続いてほしい、と思う反面、ここで終わるのが正解なのかな、という思いも。