投稿元:
レビューを見る
「3月のライオン」同様、これまた落ち着いて読まねばと温めていたので、ここへきてようやく読んだ。
あとがきにもありますが、立て続けの掲載誌休刊で、まさかの4度…拾われて本当に良かった…。
しかしこの二巻が出るにあたり、一巻もまた新装版として発行されてしまった。シリーズ途中で仕様が変わるのがどうにも落ち着かないので、いつかは一巻も買いなおすべきかとも思いつつ、でも一巻出たのもそこまで昔じゃないのに…でも新装版の表紙は一枚続きになりますとか言われたらぐぬぬ…なんてぐるぐるしつつ。
ともあれ中身です。一巻の時にも書いたと思いますが、歴史物は最後がわかっているもの。人は生きて死ぬもの。特にこれはもう真田幸村の死を描くもの。だからこそ読み進めれば読み進める程、死に近づいていく。だからこそ、どんな小さなエピソードも、どんな小さな表情も、全てが一枚一枚綻んでは咲き、落ちてゆく花弁の様で苦しい。
そんな気持ちでずっと読んではいけないとはわかっていても、どうしても「この人もいつかは死んでしまうのだ。死なせたくない。少しでも長く生きて欲しい」という気持ちが根底に…。
一巻はそんなヒヤヒヤした状態のままだったんですが、二巻ではやはり一人が散り…ううう…。
私ってば「一人、また一人…そして誰もいなくなった」的展開ダメなのになんでこのシリーズ手を出してしまったんだろう…いやこの展開確実に良い話には違いないんだけど、それ以上に精神ダメージが…耐えきれるだろうか…。
しかしそこはえびしさんの淡々と訥々と静かに熱く描かれるスタイルが緩和してくれると信じて…みる…。