紙の本
ほんとか嘘かなんてどうでもいいことだ
2002/05/09 19:18
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編となる。
正直言って『第三の嘘』を読み終えたときにほっとした。
これ以上つらい物語が続くのは心苦しかったからだ。
それほどに嘘と真実の狭間で傷ついた人々の苦悩は深かったのである。
何が嘘で、何が真実であったかどうかは最後はどうでもよくなる。どこを取っても日本人の私には感情移入できない物語だったけれど、人々が生きた証、作者が表現しようとした世界は太い流れとして充分に伝わってきた。
紙の本
真実と現実が渾然一体となってゆく
2003/06/17 23:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私は今、子供の頃の思い出の小さな町で、投獄されている」。
こんなショッキングな一文で始まる「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く、シリーズ第三作。
「ぼく」は自分の半生を語っていく。彼の綴る現実と、今まで語られてきた物語は、微妙に交差し、相反し、まじりあいつつも食い違っていく。いや、そもそも彼の言葉を、事実と断じて良いものだろうか? クラウスとリュカのどちらが実在し、どちらが想像の産物なのか? 彼らのひとりは孤独が生み出したインナーチャイルドなのか? それとも…? 双子の兄弟とは、何だったのかが明らかにされる過程に釘付けとなる。
くつがえされ、塗り替えられる記憶。その刺激にくるくると振り回されるうち、いつしかそれが深い愉悦に変わる1冊である。前2作ほどのインパクトには欠けるが、余韻を残す力強い物語であることは間違いない。
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ついに事実が明かされる。しかし第三の「嘘」である本作もまた嘘を懐胎している。一体どこまでが事実でどこまでが嘘なのか、読者に委ねられる形で作品は永遠のものとなった。
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悪童日記の続編の続編。
悪くないんだけど(ry
とは言え、ここまで読まないと損。
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悪童日記、ふたりの証拠に続く完結編。はぁ〜。そういうことだったのね。なんかすっきり解りすぎたかも。文章の勢いも弱くなっちゃってるかも。でも、カッコ良かった。
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更に混乱を招く第三部。
とにかく驚かされる。
読むたびに異なる解釈をしてしまう。決して飽きることのない第三部。
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なんとも、意味深長なタイトルである。前二作に比べると、完成度は落ちる。また、完結編のはずでありながら、余分な伏線が張ってあり、四冊目への期待を誰しも抱いたことだろう。だが、それは、書かれなくてよい書物なのかもしれない。本当の完結編は、個々の読者の胸のうちに、ひっそりしまっておくべきだろう。
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3部作完結編。
ふたりの証拠で頭が「?」となっているからもう止まらない。
そしてちょっとづつ解ってきたりやっぱり混乱したり・・。
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何が本当で何が嘘なのか。最後まで解らないけれど、とにかく幸せになって欲しいと、切なくて読みながら何度本を閉じた事か。結末はなんとも言えない。
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混乱した。ふたりの証拠でもけっこうとまどったので、ここへきてちんぷんかんぷんになった。だけど3冊を何回も読んだらなんとなくわかってきた。事実を描くには辛すぎるのなら、同じような経験をしたアゴタ・クリストフはこの3部作よりも辛い体験をしたのかと思ってしまう。
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悪童日記、ふたりの証拠、に続く第三弾。一回読み始めると止まらないのでまとまった休みがあるときに読むほうがいいと思いますよ
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アゴタ・クリストフ三部作完結編。
「悪童日記」で終わらせたままのほうが良い、という評もありますが、
私はそうは思いません。素晴らしい
終わり方だと思います。
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「悪童日記」「二人の証拠」の3作目。これで完結なのか?って気分に成りつつも本編は完結でした。最後の最後、そう言う終わりか…!と何か頭を抱えたのを覚えています。
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ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。
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三部作の第三作目。前作『ふたりの証拠』でぐちゃぐちゃになった読者の頭の中を、整理するどころかもっとぐちゃぐちゃにしてくれる完結編。『悪童日記』の超人的な双子は既にかなたへ消え去り、無情な現実だけがそこにある。いや、その現実すら、虚構との境目がよくわからない。読み終えてやるせない気持ちになること必至。でも、やっぱりもう一回『悪童日記』から読み始めたくなっちゃうんだよね。