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2015年1月13日読了。
相次ぐJR北海道の事故には組合問題、赤字体質、上場の諦めなどのファクターがあった。
組合は組合間での権力闘争にあけくれ、組合員を守ることを客の安全より優先で考えており、乗客不在の論理。
国鉄からJRになった際、赤字補填として基金が作られ、運用益で赤字をカバーすることになったが(約500億円/年)バブル崩壊により250億円程度しか補填できず、赤字体質となっていった。
また、当時「天皇」とまで言われていた幹部が新型車両に力を入れ保線に興味を示さなかったので、ますます保線がなおざりにされていった。
上場が無理となると本業より副業で収益を上げる体質に会社が変わり、目先の収益を優先し、ますます安全性が考えられなくなった。
今後、JR北海道が信頼を取り戻すには並々ならぬ努力が必要になると感じた。
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車両などJR北海道特有の問題、組合との馴れ合い、対処療法の連続などが原因でやられていったというのはわかったけど、なんというかそれ以上は書いてない物足りなさというか。wikiを読む感じで、ああこれが日経ビジネスの記事だったな、と懐かしくなった。
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トンネル内での列車火災事故、運転手の故意による安全装置破壊、安全検査データの書換など、度重なる不祥事に加えて社長経験者が相次いで自殺。崩壊寸前の組織となってしまったJR北海道の腐食ぶりを関係者のインタビューより暴く。
一番のインパクトはJR北海道労働組合委員長のインタビュー。とにかく、質問の返答をぼかしまくって、まともに答えようとしない。会社は会社、組合は組合で勝手にやっていくという意識が露骨だ。こんな一世代前の労働組合とのやりとりは、経営者も大変だったろう。自殺したことに同情する。
そもそもJR北海道の安全意識が低さは、赤字路線だらけの北海道鉄道において、経営が成り立たないことが原因だ。その根本を解決しなければ、また不祥事は起こるだろう。
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http://www.amazon.co.jp/review/RDIU3E0AXYRPQ/ref=cm_cr_rdp_perm
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民営化したことによる結果、
こういう組織体質になってしまったかどうかはわからない。
ただ、欠かせないインフラである以上、
もう少し国による監督、手当が必要だったのかなと思う。
運用と維持管理の重要さ、難しさを改めて感じる一冊。
また、組合関連でこんな面倒なことになっているとは知らなかった。
一つの組織に複数の組合があるとこういうことも起こり得るんだな。
組合の対立が仕事に影響を与えることは無いと言いきっているが、
色々と話に出てくる以上、言葉通りには受け取りにくい。
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道民にとってセンセーショナルな事件であったためというのも大きいが、タイトルに引きずられて図書館で手にする。
まだ読了してませんが、物足りなさもあるけれど、これからの方向性についての示唆にも富んでいる本だと思う。
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「私はJR北海道だけを責めるわけにはいかないと思っています。そもそも国鉄を分割民営化した時に、北海道だけを営業エリアとする鉄道会社をつくったこと自体、間違っていました。赤字路線が多く、社員を減らすなどした結果、管理が手薄になり、事故が起きたと思っています」(p.135)という2011年の石勝線脱線事故に乗客として遭遇した医師の言葉がすべて。線路への負荷の重い貨物輸送の比重が圧倒的に大きく、なおかつ自然環境が過酷な北海道の特殊事情や、分割民営化による収益力・資金力の構造的不足、人員削減による保線軽視など、小手先の「改革」ではどうすることもできない問題を提示しながら、あくまでステロタイプな労組の問題にミスリードしようとする著者の姿勢が残念。国鉄分割民営化の是非そのものを問う視点が欲しい。
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事業改善命令。無意味に見える膝詰め対話。レール検査データの改竄 、JR北海道トップ二人の自殺 ー 北海道の幌内鉄道は、1880年、東京、大阪に次ぐ日本で三番目の鉄道として開業。炭鉱を中心に、硫黄、木材、農産物を運ぶための輸送手段として鉄道網が整備された。今でも、道内465駅の一日の旅客数は東京駅一駅に満たず、貨物のついでに旅客を運んでいるような状況だ。貨物のせいで、レールはガタガタだった。貨物車両は重く、サスペンションが硬い。レールへの負荷が旅客車両より高い。広域な北海道では電化率を高められず、車両の重いディーゼル車の比率が高い。あらゆる悪因子が作用した。
「経営幹部は訴えを聞くだけで手を打たない。現場に諦めムードが広がっている」処分に及び腰の経営陣。労使の馴れ合い。JR北海道労組は革マル派の支配下にあるとの噂も。斯様に問題は組織内に及ぶ。
何故、自殺を選んだか。自殺は適切な判断か。
本著に直接的な答えはない。しかし、著者の綿密な取材により、問題が浮き彫りになり、答えに肉薄するかのドキュメントは、ハラハラするような読み応えがある。企業として教訓を得る良書というのみならず、読み物として秀逸な作である。
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2014年の本であるのだけど、JR北海道のかかえる問題が整理されている。恐らくだれも決定的には悪くなく、しかし
決定的に違ってしまっている状況。
この本を読んで初めて知ったのは、貨物輸送の比率の高さによる保線コストの問題。JR四国、九州とくらべて除雪などの気候的な問題でのコストが発生しているのは想像していたが、貨物による線路の消耗には気がつかなかった。
この本の中では、基金による補塡の問題としてあげられているように思うけど、基金の問題は、金利低下という状況変化に対して手が打てていなかった交通政策の無策によるように思う。では、それはなぜか?と考えると、4全総以降の東京圏/東京アクセスに傾斜配分された開発政策のように思われる。
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2011年5月27日。石勝線で特急列車が脱線炎上。不幸中の幸いか、
死者は出なかったものの大惨事になってもおかしくない事故だった。
その後も不祥事が続く中、当時のJR北海道社長が行方不明となり、
後に遺体となって発見された。
しかし、JR北海道の歯車は既に狂いまくっていた。2013年に入って
も列車からの出火、貨物列車の脱線、運転士の覚せい剤使用等々、
不祥事が収まる気配が一向になかった。
そうして、社長経験者でもある相談役が、またもや自らの命を
断つことを選択した。
何故、次から次へと問題が起きるのか。本書は関係者の証言を
丹念に集め、国鉄の前身からJR北海道が辿って来た歴史を追い
ながら問題点を提示している。
自死したふたりの社長経験者だけが悪いのではない。それは
北海道の鉄道の歴史の分だけ積み重なった負の遺産が飽和
状態を迎えたからなのだろう。
例えば旅客路線としてではなく、貨物路線として発達して来た
歴史。例えば国鉄時代からの赤字路線。例えば民営化後の労使
の馴れ合い。例えば労働組合同士の対立。
鉄道事業だけは赤字を減らせない。そこで手を出した不動産事業
が期待以上の収益を上げる。そうすると鉄道事業の現場への関心
が薄まって行く。
自然、現場が要求する予算が通らない。利用客の安全の為に欠かせ
ないはずの保守・点検が疎かになる。そうなると、現場の士気も
あがらない。
石勝線特急列車事故の被害者である医師が語っているように、
分割民営化の際に赤字路線を多く抱える北海道だけを独立し
た組織にしたことが、そもそもの間違いだったのかもしれない。
ひとりJR北海道という組織だけの責任に留まらない。監督官庁
である国土交通省の、重大事故が起きるまでの監査の体制にも
問題提起をしている。
ふたりの死の真相には触れていないので、タイトルには偽り
ありなのだが、非常に丁寧に取材され専門用語も少なく分かり
やすい内容だ。
出来ることなら、副題をメインタイトルにした方がよさそうだ。
きっと著者はJR北海道に再生を願っているのだろうな。そこはか
となく愛情を感じる作品だった。
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インタビューや週刊誌の記事の再編という感じで、タイトルと中身は一致していない。
しかし、多くの方向からの証言がまとめられているので全体を俯瞰的な見るには良い本です。JR北はなぜ腐敗していったのか、時代についていけなかったのか、明確に提言されているものはありませんが、心に思うものはできるだろう。