紙の本
仕事と家庭の両立に悩む女性に是非読んでほしい
2002/01/28 11:05
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投稿者:とらえもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書との出会いは、偶然書店でそのタイトルに目が止ったというものだったのだが、読んで見て、まさに我が意を得たりという感じであった。私自身、自分の求める仕事やワーキングスタイルを求めて転職を3回繰り返し、現在は自営業を営んでいる。
自分らしく生きるために、自分で選んできた道なので全く後悔はしていなかったものの、端から見ると無計画で一貫性がないように見えるのではないかという懸念が心の片隅にくすぶっていた。しかし、本書を読んで、今までの自分の判断が間違っていなかったことを確信した。
個人主導のキャリア開拓は、「プランド・ハップスタンス・セオリー(変化の激しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその8割が形成されるという理論)」そのものであり、「偶然の要素が強いキャリアが、恥ずべきものではない」のだ(本書の記述より)。終身雇用・年功序列の神話が崩れた現在、もはや会社あるいは組織と運命を共にする時代ではない。
本書は、仕事と家庭・育児との両立に悩む女性に是非読んでほしい。個人主導で、自分の生き方に合ったキャリアを切り開け! 現在の窮状を抜け出すために一番必要なのは、社会や会社の体制が変わることではなく、自分自身が会社(あるいは組織)という呪縛から解放されることなのだから…。
紙の本
自分のキャリアを再考する
2001/01/07 00:21
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投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本的経営が崩壊したといわれる昨今、会社の勤める誰もが自分のキャリアについて考えることでしょう。
本書は、人事コンサルタントを経て現在大学教授をしている著者が、「いかに自らのキャリアを考え、行動するか」ということについてわかりやすく説明した本です。
本書のタイトルにもなっている、キャリアショックという言葉は、変化の時代といわれる現代の経済社会においては、安定的計画的なキャリア形成など不可能であるということを含意しています。
そのような環境のもとで、どうすれば自らのコンピタンスを高められるのか、本書を読めばヒントを得ることができます。
紙の本
変化の時代にふさわしい個人戦略を考える上で、本書は貴重な示唆を与えてくれる
2001/04/05 18:44
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投稿者:松山真之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■ <ワン・チョット>
「会社主導のキャリアから、個人主導のキャリアの時代に…」
■ <モウ・チョット>
戦後日本の急速な経済発展を支えてきた要因はいろいろあるが、その推進エンジンを担ってきたのは勤勉で均質な労働力(サラリーマン)だった。そして、その労働力がよりどころにしていた(させられていた?)ものは、終身雇用と年功序列の仕組みであった。年を重ねれば給料もランキングもそれなりに上がるという仕掛けだ。
未来もずうっとそういう体制が続くと思うことができたのはついこの間まで。先輩が歩んできたキャリアを想定した将来設計はもう役立たない時代になってしまったのだ。キャリアショックの時代というわけだ。そんな時代に備え、キャリアコンピタンシーをどう構築するか…というのが本書のテーマだ。
キャリアショックに個人がどう対処するかという点も重要だが、企業側の対応も必要である。HPウェイと呼ばれたレイオフなしの制度を継続してきたヒューレットパッカード社だが、時代の波に抗しきれず、92年にノン・レイオフ・ポリシーを放棄した。しかし、その後のHPの対応がスバラシイ。CSR(キャリア・セルフ・リライアンス)制度どいうもので個人が自律できるための支援策を全社的に実施しているのだ。
従来は会社が用意してくれたキャリアパスの上に乗っかって頑張ればよかったが、これからは、個人主導のキャリア開発が重要だという訳だ。HPはそのための支援をCSRで行っているのだ。
時代は「育てる時代」から「育つ場を与える時代」へと変化すべき…というのが本書の主張だ。「人材死蔵企業」や「人材排出企業」ではなく「人材輩出企業」がこれからの望まれる企業像といえる。
個人と企業の関係、個人の生き方と企業の立場…など変化の時代にふさわしい個人戦略を考える上で、本書は貴重な示唆を与えてくれる。キャリアショックに備え、個人の危機管理を考えてみたい。
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従来のキャリアカウンセリングは天職を見つけるための「富士山型」、しかし今後は意にそう形を実現するために積極的な行動をとらせる連山型。
人間の価値はその人が提供しようとする知恵や労働力に対してつく。商品戦略をプロデュースするのが人材業界。
好印象欲の強い人は行動力があり他人とすぐに親しくなれる。影響欲Ego-drive,復元力ego-strength,社交性sociability,好印象欲gregariousness、感謝欲accomodation,徹底性thoroughness, 自己管理selfstructure,外的管理external structure, 切迫性urgency
大切なのは仕事の大きさではなく、自分から問題提起し、課題設定すること。
ビジネスリーダーを目指すなら本流よりも傍流
自らキャリアを切り開いていくには社会的に通用する職業倫理に基づいて自らをコントロールしていくことが必要だ。
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2000年に出版されたので、ちょっと時代の背景は違うにせよ、キャリアに対する危機感を煽り、「どうすれば、自らのキャリアを切り開いていけるのか」を記しています。20代後半の、会社である程度一人前になって、キャリアを見つめ直し始めたビジネスパーソン向けかな。
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■概要
現在のような変化の激しい時代においては、所属組織における自分の将来像やポジションを明確に定義し、そのとおりにキャリア構築していくことは不可能であるという前提のもと、むしろ個人が、自ら望ましい変化が起こるよう仕掛けていく行動パターンを身につける重要性を説いた1冊。初版から10年近く経過した今、世界はグローバル化や景気の後退に見舞われ、企業も個人も、数年先を明確に見通すことが難しい時代になってきた。今こそ、会社として固定のキャリアパスを提示するだけでなく、一人ひとりが自発的にキャリアを創る力を身につけたり、その環境を整える支援が、人材育成担当者に求められている。
著者は、自らキャリアを仕掛けている人にインタビューし、4つの行動パターン「仕事を膨らませる、布石を打つ、キャリアを進める、キャリアを振る」を抽出しており、米スタンフォード大学教育心理学教授のジョン・クランボルツ教授による「計画された偶発性理論」を織り交ぜながら、キャリアは行動の後からついてくることを裏付ける事例を多く掲載している。
■仕事に参考になる点
個人的には、「人は自分が一番得意なものを仕事にするべきではない。二番目に得意なことを仕事にするべきだ。そうすれば自分の一番得意なことが、その職種のなかでの差別性・希少性になるから」という言葉に大いに共感している。最初から天職を探し求め、うまくいかないからと3年で辞めてしまう若者が増加する昨今、とにかくやり続けるという根性だけではなく、自分のあり方をデザインしていくことも大切であると、経験に照らしてしみじみ思う。(千)
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自分の一番得意なことで差別化をはかり、二番目に得意なことを仕事にする、という言葉が印象に残っている。
WHAT→HOW→DO→CHECKのWHATの部分を提案できる人間になることが極めて重要だということがよくわかった。
横並び意識ではなく、人との差別化を図ることがいかに大切かがよくわかった。
城繁幸氏と似た切り口の著書です。
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キャリアショックに備えていくためのキャリアコンピタシーをどう構築していくかがテーマとなった書である。
ちなみに、コンピタシーとは高業績を上げ続けている人材の持つ特性をいうのだが、リスクを覚悟の上で、好きな仕事に賭け、成功した人は良いのだが、どんな変化にも柔軟に対応できるスキルを身につけておくことが大切である。
変化の時代だからこそ、キャリア構築もうまくはいかないだろうが、ジョブチェンジといわれるとおりスキルを更新してゆける強さを持ちたい。
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実際にキャリアチェンジを実現した人にインタビューし、
どのような行動が必要となるのか紹介してあるのが
参考になったし面白かった。
中途採用を採らない会社では、人材の流動が無く
転職していった者を異端児扱いしてしまうことなどは
正に私の会社の事を言っているかのように思え、
説得力もあった。キャリア計画は長期的に行なうことは不可能で
あるということもまさにそのとおり。
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終身雇用と年功序列型賃金が崩壊した社会の中でどのようなキャリアを築くべきかを論じた本。
経営方針の変換や買収されることによって、今まで築いてきたキャリアが価値の無いものになることを著者はキャリアショックと定義している。
環境変化が激しいこれからの社会を生き抜くにはキャリアは更新していくもので、積み上げていくべきでないとするのが著者の考え。その中で著者が重視しているのがコンピテンシーとパーソナリティである。
ものすごく簡単に言うと、自分が好きなことをしながら、他の人にはできない価値を提供できるスキルなり知識を身につけていきましょうねっていう内容。
コンサルの著者が書いているだけあって、モデルを示してくれたり、フレイムワークを示してあるので理解しやすいかと。
35歳のキャリアの教科書と似たような本だった。これから社会人になる僕としては参考にしていきたいなと思う本だった。鵜呑みはしないけどね。
本の中で示してある通りにするのは難しいだろうなと思った。働いたこと無いから分かんないけど。
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予定どおりにはいかないキャリア構築に対応するために、個人が自律的にキャリアを切り開く必要がある。
★自分の仕事を膨らませる「やりたい」ではなく「その仕事が必要」
★これから先の流れで、1つや2つ自分をかけてみたいと思うものを選び、それに関して徹底的・集中的に情報を集める。そしてキャリアをその方向に進める。
1 好奇心
いま、自分が持っている具体的なキャリアに関わらず、多種多様なことがらに好奇心を持つこと。
2 こだわり
失敗してうまくいかなくてもある一つのテーマについて長期に渡って、一定のこだわりを持つ
3 柔軟性
環境が変わっても対応し、いまの具体的計画にとらわれず予想外のチャンスも活かすことができる
4 楽観性
どんな結果になろうと自分のキャリアにとって役立つ部分があったとポジティブにとらえられる、また役立つようにしてしまう
5 リスクをとる
自らリスクを取らなければならない。受け身でもリスクは向こうからやってくる
10年前の本だからか現在ではみなが認識している一般論も多いので、具体的な対応方法をかいつまんで読んだ。
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こんな分析を10年も前にしていたなんて、すごい人だなぁ。
それとも、気づかなかった私が鈍感だっただけ?
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・スキルは蓄積するものではなくて、更新するものだ
・海外営業や外資系など、日常的に英語を使うところで英語ができなければ論外だが、国内営業や購買など、英語に縁がないような職種にいる人ほど英語力をつけておかないと、いざと言うときのキャリアショックを乗り切れない危険性がある
・キャリア・セルフ・リライアンス(CSR)のコンセプト
①自己認識と価値観の確立
②生涯学習の実践
③未来思考の行動特性
④人的ネットワークの積極的開拓と活用
⑤変化への適応性
・偶然を必然化する行動・思考パターンの5つの特徴
①好奇心(Curiosity)
いま、自分が持っている具体的な目標に直接、必要であるかに関わらず、多種多様なことがらに広く好奇心を持つこと。
②こだわり(Persistence)
一度、計画を立て、実際に進めてみて、その結果、うまくいかなくても、ある一つのテーマについて長期にわたって、一定のこだわりを持つ。自分の考えや価値観に、根底の部分ではこだわりを持ち続ける。
③柔軟性(Flexibility)
環境がどのように変わっても対応し、今の具体的計画にとらわれず予想外のチャンスも活かすことができる。
④楽観性(Optimism)
どのような結果になろうとも、自分のキャリアにとって、それなりに役に立つ部分があったとポジティブにとらえる事ができる。あるいは役立つようにしてしまう。
⑤リスクを取る(Risk Taking)
変化が激しく、先行きの見えない時代には、自らリスクを取らなければリターンは少ない。受身でもリスクは向こうからやってくる。
・幸福なキャリアとは動機とコンピタンシーとのマッチング
自分の動機がどのようなものであろうと、すべてを自分のものとして受け入れる。その上でパーソナリティーを矯正するのではなくできるだけ生かす形でキャリアやスキル、コンピタンシー強化を考える。「ラブ・ユア・パーソナリティー」が幸せなキャリアの第一歩。
・自分が望むキャリアを構築していくときのポイントは、上司に対し、「やりたい仕事」とはいわず、「やるべき仕事」として提起すること。この仕事は自分のキャリアになると思っても、単に、「自分はこの仕事がしたい」というだけでは、まわりには単にわがままと映る。
・「横並び」や「キャッチアップ」の発想は、まわりとの相対的な比較を常に意識するから、絶対的な満足感は得られない。この発想を突き抜けると、人と自分は関係ないという境地に達し、むしろ、人との違いにこだわるようになる。そして、人とは違う何かを模索する中で、自分が大切にする価値観や自分ならではのコンピタンシーが浮かび上がってくる。それが希少性や差別性を求める行動になって表れる。自分でキャリアを切り開こうとするなら、横並び意識からはこの際、脱却すべきである。
・会社にとって、社員は資産ではなく、社員の生み出す知恵が資産となる。一方、社員にとっては、会社は知恵という資本の投資先になる。社員は知恵の投資家-ここに、知的資本経営の大きなポイントがある。
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10年も前に書かれた本だが、今の日本の状況にピッタリはまる。
体力のある企業はまだ昔のやり方をし続けている状況だから、
これからもっと本格的なキャリアショックの時代が到来するだろう。
薄々そうかもしれないと感じながらも、
家を買ったり、その会社で慣れ過ぎてくると
現実を直視しないようになってくる。
会社はそれほど柔軟ではないから、
人が柔軟になって、キャリアショックに備えるしかない。
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8年も前の本ですが、未だにこの本に書かれている様な現状から抜け出せていない「人材排出企業」や「人材囲い込み企業」は多いのではないでしょうか?
(「人材使い捨て企業」グットウィル問題などで減っていくのを期待していますが・・・)
P-D-C-Aももちろん大事ですが、PをWHAT-HOW-にのプロセスで実施でき、WHATの構築能力をつけることが今後のキャリアにとって大切。
どうしても自分のキャリアのことになると、「自分の値段」を基準に考えてしまうが、「自分の動機」が最も重要。
自分のキャリアに迷いがある方、大企業に勤める方、
就職活動中の人に特にお勧めの一冊です。