紙の本
アンティークにまつわる不思議な物語
2008/11/09 18:17
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作では『アンティーク』を、いわゆる古美術ではなく特殊な能力を有した道具、怨念や霊力が宿り力を持ったものとしている。これら『アンティーク』を手にした人間の悲喜こもごもを綴った物語である。派手さはないがじっくり考えさせられる話が続く中で【第4章】が異彩を放っている。主人公【来栖刻也】とヒロイン【舞野咲】のちょっとした恋物語になっており、これがまた実に良いのである。何が良いって、無表情な咲の内面に隠れた純情乙女振りである。刻也からプレゼントと称して渡される数々の物品に驚き、狼狽え、いろいろ想像し、そしてちょっぴり喜んじゃう様が咲のモノローグで綴られる。しかも顔には出さない、態度には決して表さない。その姿は新手のツンデレか?という可愛らしさである。「迂闊だったわ」という、咲が内心動揺した時のセリフが微笑ましい。しかも最後にここに至るまで、正直本作の方向性がイマイチ見えなかったのだが、これで最後のピースが填まった気がした。こんな胸キュン物語なら出し惜しみせず全編で読ませて欲しいものである。ちなみに、あとがきから読むのは避けた方がいいかも。作者が各章のあらすじを割りと丁寧に書いているからである。そのあとがきから察するに作者は兼業作家のようである。別にこれを非難するのでは無く、次巻の発売まで時間がかかりそうだな、という意味である。
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文章、表現力などのしつこさ、ややあざとい狙った設定、展開など、欠点は見受けられるものの、作品そのものの読み応えは十分で、特にラストの言葉、余韻は秀逸。評価を下げる部分も、これだけ評価できる部分があれば気にはならないでしょう。文句なし、オススメです。是非、続きを読んでみたい作品。
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「偶然」「像」「記憶と記録」「プレゼント」不思議な力を秘めた骨董品『アンティーク』をめぐるお話。 刻也がすごいリアリスト。
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文章があっさりしすぎな気もするが、短編の強みか巧く練られたプロットで楽しませる。
咲かわいい。
回収してない伏線あり。
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「不思議な力」をもつ道具を、本書の世界では「アンティーク」というようです。呪いの刀剣、「偶然」を起こせるアクセサリー、未来が見える装身具・・・。それらを偶然手にした人々と、アンティークを収集する骨董店でアルバイトする主人公たちの群像劇短編集。ああ、こういうストーリーは個人的にツボです。
本書の語り手法の特徴は2重視点にあるといえます。群像劇にはこの語り方はとても効果的で、全編が一人称で書かれているにもかかわらず、それら登場人物をすべて俯瞰する地位にも読み手がいられるという、なんともおいしい構造です。本書の場合その視点変換のテンポは早い部類に属しますが、それがまた私には心地よかったり。特に2話目の「像」では、物語自体のスリルとあいまってその効果を十分に味わうことができるでしょう。
謎解き要素もあり、人間心理の隙にたくみに取り入ってくるアンティークの特性にも考えさせられます。人間とはかくも安易な力に弱いものか。そしてそれ以上に他者の心の読み違えという過ちに陥りやすいものか。本書は何も考えずに楽しむ物語ではありませんが、疲れない思考を楽しむにはこの本はなかなかいい味を出しているように思えます。
超個人的ですが、主人公と私とに共通点があったのも高評価。まさか私と同じく右目が義眼という設定だとは・・・。いや、それ以外には共通点はまるで無いんですが。ともあれ、このシリーズも読んでいく予定。
(2008年12月 読了)
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短編だからアニメにしたら面白いかも。
最初の話が、週刊ストーリーランドの伝説の婆さんっぽかったw
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この本も富士見ミステリー文庫の本で、GOCICKの新刊が出るまでの期間に読んだ本だ。
アンティーク屋さんで働いているはじめは無愛想だった咲が、数々な奇怪なアンティークと事件に関わっていくことで
主人公刻也に心を開いていく。
その純粋で初々しい描写がとてもおもしろかった。
今この本の続きが出ているので時間のある時に読みたいと思っている。
奇怪なアンティークの事件は、短編集になっており時間が無いときでも区切りの良い所まで読むことができて読みやすい。
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アンティークの隠された意味。それは、何らかの力を宿した物。レギュラー陣の軸は基本的に軽く明るい雰囲気。対して各話の主(ぬし)軸は暗め。そのギャップのためか、飽きずに面白く読めた。
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付喪堂骨董店という「アンティーク」と呼ばれる不思議な力が宿った器物を扱う店と、それを手にした人々の話。
第一章 偶然
「偶然」を起こせる振り子の話。小さな偶然を起こして喜んでいたのだが……。
第二章 像
触れるとどんな病も治してくれる・触れると不治の病にかかって死んでしまうという正反対の逸話を持つ像の話。果たしてどちらが本当なのか……。
第三章 記憶と記録
書いた内容を忘れずにいられるノートと、それを食べてしまった人の話。
第四章 プレゼント
付喪堂骨董店でバイトをしている刻也は、今まで使っていた財布に穴が空いてしまったので、新しい財布を買うまで、店に置いてあった古い財布を借りることにしたのだが……。
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短編集みたいに1つ1つの話で成っているので、凄く読みやすいです。
たまに黒い話が混じってるのも、良い感じです。咲がツンデレ!!
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アンティークと呼ばれる不思議な力を持った道具によってひき起こるちょっと不思議な出来事の物語
一つ一つのアンティークのエピソードがまとまった短編集的な作りになっている
全てが幸せな話ではなくそこそこブラックな落ちもあるがヒロインの咲がかわいいので問題はない
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雰囲気がよくてわりと面白かったです。短編で成り立っていて、各話にでてくるキャラクターは基本病んでますが、当の主人公たちは意外と明るく面白かったです。
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きわめて無難なライトノベルといったところ。
短編で構成されているものはパンチ力が落ちやすいのが難点かな。
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4章の短編からなる作品で、章毎に「アンティーク」と呼ばれるオーパーツのような品がキーとなり様々な話が展開していく。
派手なアクションもなく、魔法のようなファンタジー色もなく、「アンティーク」という物故にどこか怪しげで古めかしい、一種のミステリーな感じのする作品。
かといって一般的(?)なラノベ色が全く無い訳ではなく、キャラクタを前面に出した話もあったり(4章)で思いの外バリエーションに富んでいた。
文句なしに面白い作品だったので次巻も是非読んでみよう。
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素直に面白かったって思えた小説です。
ライトノベルを一ヶ月に数冊買って読んではいますが、
久々に、本当に久々にあっという間に読破してしまった一冊です。
そんな物語は4つのお話に分かれています。
それぞれ不思議なアイテムが登場し、
主人公たちを助けたり、時には混乱させたりといったお話。
何気に少々重みのある話も載せられており、
ページをめくる手が止まらなくなってしまったこともしばしば。
緩急っていうんですか。
非常に読みやすいと思いました。
ぜひ、続編が読みたいですね。
冒険物や推理物、アクションとは違い
派手なシーンもあるけれどなんだかほのぼのとした感覚が面白い(私はこう感じた)。
皆さんも、ぜひ一度読んでみられてはいかがでしょうか。