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泣き虫で内向的だが、人のためには勇気を奮い起こして戦う「スペイン最後の騎士」の物語。
本巻で完結となったが、内容が濃く、感動のエンディングと言うに相応しい終わり方だった。
本シリーズで極度に内気な中年男性として描かれてきたアロンソ・キハーノの、人のためには勇気をふるって戦い、また耐えられないほど辛いことがあっても自分をしっかり保ち続ける内面の強さがはっきり伝わってくる。
本巻に比べればのんびりした雰囲気の一巻とは異なり、登場人物の台詞回しも格調高くなっている。
コメディ路線を堅持しつつ、悪との対決や決闘等のアクション要素も豊富で、凝縮された内容の濃さを楽しめる。翻訳されて海外進出しても、受け入れられるのではと少し思ってしまう。
優秀さと傲慢さがせめぎあうキャラクターでもあるサンソン・カラスコのキャラクターもうまく確立した。
オリジナル要素を含むが、非常に感動を呼ぶものとなっている。正直なところ、落涙した。