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モンゴメリは大好きなのですが、これを読むのは初めて。すご〜くすご〜く楽しみにしてました。
ついでにパットお嬢さんも発行してくださらないでしょうかね。
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「青い城」に続き、モンゴメリのマイナー作品(?)の文庫化です。
篠崎書林という今はもうなくなってしまった出版社からしか出ていなかった作品なので文庫化されて嬉しくて買ってしまいました♪(もちろん篠崎書林版も持ってます☆)
すごく久し振りに読んだんですが、やっぱり面白かった!
ダーク家とペンハロウ家の一族に伝わる水差しをめぐる様々な人々の物語なのですが、さすが一族というだけあって、登場人物が多い多い!(笑)
さぞや読んでいてこんがらかるだろうな~・・と思って覚悟して読んだんですが、それぞれのエピソードや登場人物たちが、何とも言えず魅力的でリアルで面白いんです。
なので、全くこんがらかることもなくスムーズに読めました♪
本の最初の方に推理小説のように登場人物紹介が載ってるんですが、それに頼ることを全くせずに済みました☆
本当に沢山の人が出てくるんですが、みんなそれぞれ個性的なのに、その行動がとってもリアルに描かれているのですごく感情移入しやすくて、どんどんお話に引き込まれます☆
最後の終わり方もみんなそれぞれ収まるところに収まって、すごく気持ちの良い読後感なのでそんなところも好きです♪
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冒頭、次々に出てくる登場人物たち。読むのに苦労したけれど、そこを過ぎれば、可愛らしい他愛のないロマンス小説でした。「青い城」よりは楽しめました。
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モンゴメリといえば『赤毛のアン』が有名ですが、他にも大人向けの作品がいくつもあり、この作品もその一つ。
由緒あるダーク家とペンハロウ家という二つの家系で巻きおこる大人のロマンスが展開されます☆
ペンハロウという名前は確か『赤毛のアン』にも出ていました。
舞台は『赤毛のアン』と同じカナダのプリンス・エドワード島。
昔から婚姻をくり返し、深い間柄のダーク家とペンハロウ家には、代々受け継がれて来た家宝の「水差し」というのがあって、現在はペンハロウ家からダーク家に嫁いだ一族の長老、ベッキーおばさんがその持ち主。
何でもズバズバ言って、人を怒らせることが趣味みたたいなこの老かいな御婦人が、遺言によってその「水差し」を”誰か”に残して亡くなるのですが、条件が一つあって、その条件とは、
相続人の名前を明かすのは一年後とする…
それまでは保管人が管理することになるのですが、ベッキーおばさんはこれみよがしに遺言に書いた内容をぼかして伝え、一族の者が一年間「水差し」を相続するにふさわしい行動を取るようしむけるのです。
「水差し」が欲しい人々は、長年のいがみ合いをやめて仲直りしたり、汚い言葉使いをひかえたりと、もうてんやわんや。
あちこちでおかしな騒動が持ち上がります♪
二つの家系が入り乱れて本当に蜘蛛の巣がもつれたみたいな人間模様!
それぞれの人物描写(とくに結婚を控えた女性)はさすがはモンゴメリといった感じだし、予想外の展開で「え~!」という恋人たちもいました。
個人的には両親を亡くし、一族の中でもっとも過酷な運命をしょった、労働を強いられ、食べ物もろくに与えてもらえず、友達も、家族の温かさも知らない少年、孤児のブライアン・ダークの幸せを祈らずにはいられなかった!
モンゴメリって本当にすごい…
このブライアンもそうですが、一族の変わり者、月を愛し預言者のように歩き回る「月の男」、オズワルド・ダークに、スペイン人の血を受け継いだ炎の女、ジョスリン・ペンハロウ・ダークといった魅力的な人物。
そして物語の発端となる水差しの持ち主、ベッキーおばさんことレベッカ・ダークのキャラクターは必見です♪
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≪内容覚書≫
代々続くダーク家とペンハロウ家。
婚姻を繰り返し、仲が悪いような良いような関係の両家。
毒舌のベッキー叔母が受け継いでいた家宝の「水差し」を、
受け継ぐのは一体誰なのか。
叔母が残した遺言に振り回される一族のロマンスを、
時に冷ややかに、時に温かく、生き生きと描く。
はたして「水差し」は誰の手に。
≪感想≫
人間の描写が、相変わらず、面白い。
最初は、一斉に登場する、一族の面々を覚えきれず、
誰がどれ?となるが、
把握できてしまえば、あとは、ぐぐっと引き込まれるばかり。
そこまでいけずに挫折する人もいそうな作品だな、とは思う。
小さな社会の中で、よくありそうなちょっとしたロマンス。
ユーモアと皮肉のスパイスを混ぜ込むことで、
面白おかしく、読ませてくれる。
また、時代は違えど、ああ、いるね、親戚にこういう人、と、
うっかり知り合いを思い出してしまう。
そんなどこにでもありそうな状況、
どこにでもいそうな人間を、
こんなに魅力たっぷりに描いてくれる作品はそうないと思う。
私の本好きの原点は、
やはりモンゴメリだなー、としみじみ実感。
それにしても、この時代のオールド・ミスへの冷たい視線!
今の時代に生きられて、良かったと思わざるを得ない。
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登場人物がとにかく多くて、入り組んでこんがらがって、まさに「モツレタ蜘蛛の巣」状態。
閉鎖されたような村に代々暮らす、ダーク家とペンハロウ家。2家の女王ともいうような毒舌のベッキー叔母が伝説の水差しを誰に譲るのか。水差しをめぐり、蜘蛛の巣が嵐にあったようにさらにもつれて動きだす。
結婚式の夜に仲たがいをしたままのヒューとジョリスン。
小さなころから憎い相手と思ってきたのに、久々に会って電撃的に愛し合う、ドナとピーター。
若くて可愛らしいゲイとその恋人のノエル、ゲイに見せ付けたくてノエルを誘惑するナン。年は離れているけれどゲイを恋しく見守る医師ロジャー。
3つの恋愛を主軸にいろんな人物の思いが絡み合う。
1つの話を掘り下げても成り立つのにな~もったいないな~とおもいつつ、どの人からも目が離せない。
最初は登場人物が多すぎて混乱気味だったけど。
後半、輝きが増したマーガレット。彼女と不幸な彼の新しい生活にホッとする。
どの人の物語にも一筋縄ではいかない、ニヤリとする部分とヒヤリとする部分があって、早朝におきだして読了。
サムの大団円にもホッコリ。
終わりよければ総てよし!
なんだけど、理由が情熱であれ、憎しみであれ、それが頑なで大きな意地になるということ。その頑なさを打ち砕くのには、それなりのアクシデントと大きな勇気が必要。
あまりの人の多さに「青い城」の方がシンプルで面白いかもと思ったけど、読み終わったらこちらの方がずっと余韻が深い。
楽しかった!
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「赤毛のアン」で有名なモンゴメリのシリーズ外の作品。
1931年に発表されたので、晩年の作品といっていいですね。
ダーク家とペンハロウ家は代々、同じ村で婚姻を繰り返してきた間柄。
その長老格のベッキーおばが病の床について皆を呼び集め、家宝の水差しを誰に遺すかに注目が集まる。
次々に遠慮のない指摘を浴びせられながらも、水差し欲しさに我慢する一族。
きつい発言はそれなりに当たってもいるので、当人以外にとっては見逃せない面白さでもあった。
ベッキーおばは遺言を1年後に明らかにするという~その1年間の物語。
18歳のゲイ・ペンハロウは、一族で一番の美女に花開こうとしていた。
医者のロジャー・ダークはゲイを愛さずにはいられないが、ゲイは意識していない。
ノエルという恋人がいて、夢中なのだから。
ところが、幼馴染のナンはゲイにライバル意識を燃やし、ノエルにちょっかいを出す。
ヒュー・ダークと結婚した夜、実家に逃げ戻ったジョスリン。
そのまま何年もたつが、二人の間に何があったのかは誰も知らない。
そのいきさつとは‥?!
ビッグ・サムとリトル・サムは従兄弟同士で一緒に暮らしていたが、ある日口論になり、小柄なほうのビッグ・サムは出て行ってしまう。
ドナとヴァージニアはまだ若い戦争未亡人。
ピーター・ペンハロウは世界を股にかける探険家で、偏見からドナを悪く思っていたが、突然、恋に落ち‥?
中年のマーガレットは兄夫婦の家に住んで手伝いをする立場。「ささやく風荘」という家が好きで、いつか住みたいとあこがれていたのですが‥
一族の中の変わり者<月の男>ことオズワルドは、決して家の中に入ろうとしない放浪者。
それでいて皆のひそかな気持ちや動向を知っているんですね。
彼の存在も効いています。
存在感のある村人達がびしばし描かれるのは「青い城」と共通しています。
登場人物がもっと多くてしかも変人が多いので~最初は混乱するけれど、綺麗な娘ゲイの恋のいきさつが爽やかなストーリーとなり、孤独な少年ブライアンが最後に幸せになるので、心地よい結末。
心温まる読後感でした。
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登場人物が多くて、モンゴメリにしては読むのに少しこんがらがりました。
私は青い城のほうが好きかな…。少女マンガみたいかもしれないけど。
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「赤毛のアン」より、本人不本意なアンスピンオフ連作集が好きな自分にはこちらの方が面白い。
ダーク家とベンハロウ家というひとつの共同体が主人公(?)です。
この血族は結婚相手を基本的にお互いからしか選ばない、一歩間違えたら近親相姦一族。
その家族の中で代々伝わってきた「水さし」という家宝。
いきさつや実物も出てきますが、そんなにすごいか??というしろもの。一族以外は骨董としての価値しかないでしょう、みたいな皮肉な描写がモンゴメリらしい。
赤毛のアンを読んだことなく、高畑監督のアンのイメージしか知らない方はモンゴメリの作風を優しく清らかと勘違いしているかもしれませんが、かなりの皮肉やです。
リンバロストの乙女なんか読んだらわかりますが、そういう朝ドラヒロインしか知らなかった読者にとって、ちょっと意地悪でお馬鹿さんなアンは等身大のニューヒロインとして熱狂的に愛されるようになったわけです。
さて、特定のヒロインこそいませんが、核となる女性は何人か出てきます。
まず、美少女ゲイ。美女という表記をすべきでしょうが、ティーンエイジャーはどうしても少女のイメージ。さらにゲイのロマンチックな気質や意地悪あざとい従姉妹ナンと比べてのへたれぶりはどう考えても少女。彼女は水差しなんかよりできたばかりの彼氏に夢中。けれど、一族の男ではないという理由で反対されている。
次にジョスリン。幼馴染と恋に落ちて結婚。しかし初夜にドレス姿から新居から逃げ出して別居。その理由は?
さらに文学少女こじらせちゃったオールドミスマーガレット。家庭を夢見ながら、おどおどまわりを気にして居候。マーガレットのへたれぶりに一番共感したけど、そんなひと多いんじゃないかな。
途中、独身こじらせちゃった男と婚約するのですが、そのふたりのやりとりが「ああああ」となる痛さ。
ほかに戦争未亡人連合から突然情熱が墓場からよみがえるドナ。しかもその相手がよりにもって嫌いだったアイツ。
彼女らの恋愛(?)模様もさることながら、ほかもいろいろ事件が起こり、そこにこの水差しが微妙に絡んできてとにかくおかしい。
結末もモンゴメリらしく、物語のお手本のような終わり方です。
みずさしの行方もね。
アンで有名な作者ですが、ほかの作品もなかなか面白いっていうか、なにせ物語作りの基本を押さえて代金ぶんきっちり読ませる職人ぶり。
これだけのものをかけが彼女が、生涯自分を縛り付け、ほかの作品を書く機会を結果的に奪った赤毛のあの子をだいっきらいになってしまうのはいたしかたないことかもしれません。
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登場人物が多くてややこしいが、オールドミスの女性への励まし、一度は失われた愛や友情の復活、憎悪から愛への反転、といったモンゴメリの得意なテーマが盛りだくさんで、期待を裏切らない展開。そういえば赤毛のアンも、後半になってくればアンが主役から外れて、子供や周囲の人々の色恋沙汰が散りばめられていたなあ。そういう、村を主人公とする群像劇が得意であり、それだけ人間観察が得意だったのだろうな。
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図書館で借りたが読み終えられず、時間切れで返却。残念。昔はモンゴメリのどんな物語も読めたものだが、タイパの時代だからか。