紙の本
プロフェッショナルが描いたプロフェッショナルの世界の圧倒的な緊迫感をどう受け止めるか
2012/09/20 16:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
好評を博したNHKドラマの原作小説である。
そもそもテロ対策をテーマにしたドラマの元になるものをと、NHKからの依頼で書かれたらしい。
国際テロ対策チームを焦点としたこの物語は、ジャンルとしては、広い意味でのスパイ小説だろう。
たとえば007の故郷であるイギリスなどでは盛んなジャンルだが、日本ではあまり伝統があるとは思えない。
そこでいかにもリアルタイムの状況を取り上げて気を吐いているのが、
この麻生幾という作家なのだろうと思う。
なるほど、という力量を感じた。
このタイプの小説が好きな読者なら十分楽しめる内容ではないか。
緊迫したテーマにふさわしい小刻みな断章形式と引き締まった文体が気持ちがいい。
また、この種の小説には必須とはいえ、
作家の情報知識、またその収集力、取材力も半端なものではあるまい。
まさにプロフェッショナルがプロフェッショナルを描いたという感じである。
とにかく緊迫感は相当なもので、半ば過ぎからは痛いほどだった。
圧倒的な敵の力に、ページがどんどん残り少なくなっても味方はまずます不利になるようで、
いったいどうなるのかと一気に読ませる。
もっともこれには多少無理がないでもない。
それまでの描き方の重さや広がりに比べると、短い結末部では十分ではない印象がある。
たとえば、主人公の家族の問題というのは、主筋に絡むだけではなく、
こうした立場の人間が抱える辛さを描いて物語の奥行きを深めているのだが、
終わりではえらくあっさり処理されてしまった印象だ。
また、面白い小説であるのは間違いないとしても、好みは分かれるかもしれない。
最終的にフィクションではあっても、素材はかなりリアルで、実際に起こってもおかしくない。
するとここに描かれているもの、テロの見えない脅威、裏のまた裏が際限なく迷宮、政治的陰謀や裏工作、
組織間の軋轢、利害対立、権力争い、連携の機能不全、そして秘匿の辛さや、任務の危険、身内の犠牲などは、
興味深くはあっても重すぎるかもしれない。
ありそうだがあってほしくないものがオンパレードで、
だからこそ迫力もあり面白くもあるのだが、リアリティの重さがまた辛くもある。
それでもあえて戦い抜き乗り越えようとする物語の魅力とで、どっちが勝るかというところだろうか。
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ドラマの原案となった小説。近々映画化もされるとのこと。ドラマは未見だが、ためしに読んでみた。
予想以上にスケールの大きな話だった。この通り映像化されたらすごい。
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半端なく面白い!この著書はジャーナリストのようだが、ただ者じゃない!覆面作家で、詳細は不明だが、これだけ臨場感のある小説がかけるとは...!
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めまぐるしく変わる場面と状況に憑いていくのがなかなか大変な本だった。
そのスピード感が面白いとも言える。
個人的に、これは映像化されているほうが理解度は高くなる物語だと感じた。
ドラマをきちんと見ていなかったので、ぜひ見てみたい。
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日本版CTUなんかな?テロ対策警察と官僚警察の話。最初なかなか入り込めなかったが、途中からはまって一気に読んだ。警察小説は好きだが、SATが出てくる話は、いつも組織や所属がごっちゃになってしまう。。外事警察の映画見てみたいな〜
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国際テロを防ぐべく様々な手段を用いて、テロ集団の情報を入手し、その対策を打つ外事警察。
日常生活で、彼らと接することはなく、決して表舞台に立つことはない。しかし、それが平和の証である。
本作品は、NHKのドラマや映画化されたものの原作。
しかし、小説的には、ストーリーの展開に脈絡がなく、エンディングもいま一つのような気がする。
やはり、「宣戦布告」がベストか。
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凄い迫力。夜中に街を歩いていると、誰かに尾行されてるんじゃないかと思って背筋が寒くなったくらい。
登場人物も多いし、後半1/5くらいはストーリーがよく分からなくなる。
もう一度読んでみたら、新しい発見があるかもしれないけど。
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重いというか堅いというか・・・。通勤時間だけで読むのは正直しんどかった。ノンフィクション的なテイストが強すぎて、登場人物の心の動きが見えにくい。もっと情報操作による心理戦なものを期待してたのですが、、、映像に期待、かな?
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内容は面白いけど文章力がいまいちで読みづらかった…。行間を読ませるどころの話じゃない説明不足と不自然な日本語。でも映画を先に観たから全編渡部さんで再生されて良う御座いました。
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後半で加速するのは良いけど、いまいち入り込めなかった。描写が肉感的ではないから、キャラが把握しにくい。
ただ題材はものすごくそそられるし、日本ならではの描かれ方をされている。正直、勿体無い。
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設定が細かく、話は大きいのですが、その分伏線の回収が雑で、ラストの尻すぼみがなんとも残念でした。ドラマは観てないですが、映像の方が面白そうです。
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日本国内で国際テロに対抗する極秘組織。外事警察。
彼らの人事や行動は厳しく秘匿とされて家族にも正体を明かさず、決して存在が公になる事は無い。
日本国内でテロの魔の手が伸びる中、外事第3課の住本はテロを回避出来るのか。
展開も早くてとても内容の濃い作品だったように感じます。
全てが裏の活動となる外事という組織について初めて知りましたし、防衛の最前線に立つ人たちの姿を感じる事が出来てとても楽しめました。
家族にさえ話せない仕事に従事する人達は多くいるとは思いますが、ある意味日本の国自体を肩にのせてるような仕事はあまり無いのでは無いかと思いました。
捜査の為には民間人さえも利用する。テロに対する最後の砦としてテロ回避を奔走する住本達とテロ組織の熾烈な情報戦。
そんな中で仲間や家族に魔の手が伸びていく。。
住本の戦いを平和に慣れてしまった日本が対応しなければならない現実として見て欲しい小説では無いかと思いました。
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内容はとても興味深い。
が、どうも読みにくい。わざとか?
業界用語も多いからなー。仕方ないか!?
映画ではどんな感じなんだろうか。
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ちょっと難しかったというか、何か腑に落ちないところがいくつかあったりして、すっきりしなかった。
最後の方は、どうなるんだろうってワクワクしながら読んでたけど、そこに行き着くまでは、読み直しを繰り返している感じだった。
以前読んだジョーカーゲーム(続編のダブルジョーカー)といったスパイ系の話とか、公安の話とかやっぱり夢中になってしまう点はある気がする。
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テロリスト、そしてその対策に取り組む人達の“戦い”。
目まぐるしく変わる場面設定についていけないものを感じるが、手に汗握る、といった感じだった。
でも、結局は沢山の犠牲者がでるのね、とちょっと冷めた気持ちになる。
本や映像の中の世界の事と思えば、そんな事もあるかと思うが、そんな事に関わらなくてもよい自分の立場に感謝。