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本書は「男子の・男子による・男子にための、新しいセックス論」である。私達は政府によりセックスに関する規制を受ける事で、興奮する情報を規定されてしまっている。また、メディア等の働きかけによる女性性のカテゴライズ=記号化によっても同様の影響を受けている。本書では、これらの状況を鑑み、貞操や童貞を個人問題ではなく、社会問題として捉え、現実的な「絆」を中心とした解決策を提示している。これは本書が、童貞を捨てる云々の一時的な問題ではなく、結婚後までも対象にしていることに起因する。
そのためにも、
1.機会を作る為に、社会的なネットワークへの関与
2.積み重ねによるパートナーとの人間関係の強化
3.ガールフレンドの増加による一極集中による重さの回避
などが書かれており、参考になると思う。
タブー視されがちな内容だが、本書が風穴を開ける一石となり議論が活発化、もしくは参考にして幸せを掴む人が増えることを望みたい。
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なるほど,という感じですね。自分がこれまで気づかないできたことをわかりやすく伝えてくれる好著だと思います。
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この著者さん、頭いいなぁと思った。言葉選び、表現が適格。見てみたら、東大卒でした。
変化球的に読んでみたのだけど、めちゃくちゃおもしろかった。
こういうテーマは決して扱いやすいものではないと思うけど、著者が言う通り、性を「自分で語る」作業をしている。こういうところに切り込んでいくひとは必要やと思う。
ひととの絆をつくるためのセックス、時間をかけてひとと接していくためのセックス。
自分たちの性が、どれだけ社会につくられているのか、感じることができた。また読みたい本。
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男性の性とそれにまつわるあれこれについて。主張に賛同する点もそうでない点もあるが、現代において、男性の性に関する言説が非常に貧相であるというのは非常に強く実感するところです。男性が、自らの性について、自分自身に帰属する問題として捉え、語るのであれば、もう少し風通しのいい状況が社会に生まれるのかもしれない。
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男子に抱く気持ち悪いとかあれ?って思う感じが、記号でみる習慣であって思った。
歴史的に見て、恋愛、セックスが面倒くさいっていうのは普通だったんだなあ。
セックスには抱き合うことがまず大事。
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男子の貞操と銘打っているけれども男女関わらず読んで欲しい良書です。
自分の性嗜好や性への思い込み、偏見を取り払って好きな人ときちんと対峙することがいかに大切で難しいか。
誰かから与えられた情報ではなく、自分の体と心と向き合って、ひとりの人間として性愛に向き合う、とっても基本的だけど大事なことがたくさん書いてあります。
個人的には性風俗やアダルトコンテンツに対する姿勢が「救い」となりました。
このような声を挙げてくれる男性が増えてくれると嬉しいです。
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「読売新聞」(2014年06月29日付朝刊)で、
渡辺一史さんが紹介しています。
(2014年06月29日)
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この本は、とりあえず「お前らAV見過ぎ!」ってことを言いたいんじゃないかなと思います。
それはそうなんですけど、そうなってしまう男の事情もあって、その説明の仕方は独特でおもしろいです。
筆者は、第二次性徴から「初体験」までの7,8年くらいの間にエロ産業にドップリ浸かってしまうことが問題で、そうするとエロの「記号」を大量に消費する習慣が身についてしまっているといいます。「記号」ってのは、JKとか人妻とかいうラベルのようなものでしょう。そうすると、人格的な観点ではなく、記号的な観点からしか相手を認識できなくなってしまうということを述べています。
ただ、そうはいっても世の中の夫婦はそこそこ幸せな家庭を築いていると、僕は結婚していないけど、思うんですよ。なので、筆者が問題として取り上げていることはよくわかるんですけど、あまりひっ迫したものは感じないんですよね。
また、後半の筆者の提示する処方箋もあまり新鮮味を感じることはできず、真に受けてそのままやるっても上手くいかなそうだなあと思うもののように思いました。
なので、本当は★3.5くらいです。
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恋愛もセックスも、そこに至るまでに人間関係を積み重ねなければいけない、面倒くさくてコスト(時間もお金も)のかかるもの。
職場や友人以上に濃い人間関係をつくりあげるんだから、その労力たるや。
日本人男子がセクシャルデビューするまでの背景、問題点を過去の日本の風習なども引き合いに出しながら解説し、その処方箋として解決策が提案される。話題が広い分、広く浅くといった感もしなくもないけれど「男性向け性教科書の古典」を目指したという著者の意気込みが感じられたかも。
本のタイトル「男子の貞操:僕らの性は、僕らが語る」は、サブタイトルの「僕らの性は、僕らが語る」のほうが、ターゲットとしている読者層に届きやすかったかなとは思う。でもこの本は、既婚未婚問わず女性にもおすすめしたい。いまのセックスメディアがどうなっているのか、それが目の前の「男子」(夫でも彼でも息子でも)にどう影響してるのか、ぜひ知っておくべきと思う。彼ら、かなりいい年齢になってもファンタジーを現実と信じてるみたいだから(笑)。
特に男の子のお母さんは是非。息子さんが将来彼女から「…AVの見すぎ…」って引かれないためにも。。。
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内容全てに納得できるものではないけれど、
とても読み応えのある(男の性を男が語る)いい一冊だった。
性についてどうのように子供へ話したらよいのか悩んでいるのなら、子供が高校生になった時、この一冊を手渡し、この本を中心に親子で語り合うことが出来るのではないかと思う。
もちろん夫や恋人にも読んでもらい、これまでの性に対する意識をはがし、新しい視点を手に入れるキッカケになるかもしれない。
あとがきに書いてあるけど、「エロ」「愛」と言う言葉がこの本には(あえて)書かれていない。
そういった意味でも、若い男の子にも読みやすいと思う。
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ちょっとネットで話題になっていたので。
論にちょっと無理があるような気がするが、男性の性を客観的に捉え論じている。
AVや風俗は、性の記号化であり、記号消費には意味がないと。
岡山の連れ去り事件の報道を見ていると、カレも記号化された性が犯行に導いたのかもと思う。
あとがきにもあるが、「エロ」と「愛」という言葉を使わずに書かれている。
そういうものに憧れる高校生とかには、ストレートに読めていいかな。
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世の中の性の問題は、とかく女性に対しての考察だけで済んじゃうことが多いし、また個別の問題としてデリケートに神棚にしまっておくが良しとする傾向にある。
そうではなく、男性側の思考回路や、個別じゃなく社会的な視点から性問題を根本から捉え直す。
こういう問題意識をポンと持ってくることができる力って、ほんとに尊敬に値する。
いろんな意味で刺激的な内容。
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若者は読んでみると面白いかもしれない。
内容は、実にまじめ。
まじめに性を語っているけれど、現実離れしていないところもあって、面白い。
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積ん読の小山にあったのに目が止まり、手に取った。
特段斬新なわけでもないが、今まで語られてこなかったオトコの性に踏み込んでいるのは評価に値すると思う。
ベースはオトコ目線からの「男女の性」である。著者はセクシャルマイノリティであってもベースは同じと述べているが、そこまで単純なものではない気がする。
とはいえ、著者の着想には基本的に賛成である。
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作品文164P
[性風俗店で働く女性の大半は高校中退、多重債務、離婚、母子家庭、性的虐待、DV、発達障害、軽度知的障害、精神障害、病気、自傷などの経験を持っている]
それを利用する男性も同じような「わかりにくい弱者」が大半だということ。
両者共にお金と生活、個人的な欲望や人間関係に基づいた、それぞれの事情がある。