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<目次>
序章 俺たち縄文人
第1章 ご近所の古代
第2章 爆発する家系図
第3章 もやもやする神様
第4章 ご先祖はどちら様?
第5章 多すぎる「高橋」
第6章 たぎる血潮
第7章 家紋のお導き
第8章 とても遠い親戚
第9章 天皇家への道
終章 またね、元気でね
<内容>
高橋家のいや奥様の市川家の家系を追いつつ(高橋家は3世代前で潰えた)、苗字、家系図の話や家紋の話、ついにはお墓の前で、どう拝むかまで。関係ない人の家の話かと思いきや、われわれの先祖への関わり方の指南で終わるという見事な着地をした作品となった。
自分的には、清和天皇陵の在り処や、「諱と実名(じつみょう)」の関係を、網野善彦の言で理解できた辺りが参考になった。
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わたしも筆者と同じような(歴史ってほんとかよ!全然頭に入ってこない!)タイプでしたが、それは歴史上のすごい出来事や人物は結局他人事として認識していたからかもしれません。
自分の祖先を辿るというこの本を読んで、歴史ってあーでもないこーでもないと後の人間が思いを馳せるものなのね、と思いました。
わたしにも頭の上にお花が咲くようにたくさんの祖先がいてどこまでも繋がっていると思えば、教科書に載っているような歴史上のできごとも他人事ではなくなるのかもしれません。
祖先がいて自分がいる。なんだか仏壇に手を合わせたい気分です。
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著者が自分のルーツを探り、ご先祖様について調べていくという内容。
文中で世にはびこる家系図というものが、作者にとってかなり都合のいいように「繋がれている」というところが興味深かった。
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ヒデミネさんったら、個人的ルーツ探しをして小林秀雄賞をもらっちゃってたんですね。 私の先祖は誰?と戸籍、家紋、現地調査に専門家、親戚縁者まで動員し調べてみたら源氏だったり、いや平家、果ては天皇家にまで!
なんでこんなに人の先祖を探す旅が面白いのか。
本当に由緒正しく代々続いているやんごとなき方々や、伝統芸能の宗家、また、古都の格式ある商家だったらともかく、そもそも家系図という響きからして胡散臭いと思っている私には、先祖なんて誰でもいいじゃん、という基本的スタンス(#^.^#)があるのですが、ふとしたことから自分は誰の末裔なのかを調べ始めたヒデミネさんの旅の行き当たりばったり感にはあはは・・・だったり、へぇ~~、なるほどね、だったり。
よく言われることだけど、1人の人間には親がふたりいて、それぞれにまた親がいて、とさかのぼっていくととんでもない数字になる。ヒデミネさんによると、20代で100万人、27代となると一億人を超えるとか。
だから、どんな人にも祖先に“有名人”はいるだろうし、もっと言わせてもらえば誰でも皇室の末裔、あるいは分家ということになるらしい。
で、ヒデミネさんの調べ方は、まず自分の親にその親のことを聞くということから始まって、それが意外と知らないことばかり、ということになるのが、うん、私だってちゃんとそんな話は聞いてないなぁ、なんて。
で、戸籍を調べてきて、また親に見せると妙な感動があるんだよね。(#^.^#)
その後、曾祖父の本籍地に飛び、彼を知る人がいないかフィールドワークしてみたり、前世カウンセラーに会ってみたり、高橋という苗字から探れないかと専門家を訪ねたり、はたまた、家紋の研究家に話を聞いてみたり。
ご本人の何がなんでも自分の先祖を特定したい、というわけでもない、ただ、なんとなく面白くなってきちゃって、という姿勢に私まで感化されちゃって、うんうん、それで? と。(#^.^#)
結局、予想通りにぐだぐだと終わる家系探しなのだけど、私が一番面白かったのは、そうやって先祖をさかのぼっていく旅の途中で、たとえば曾祖父の子孫かも、と思われる人が、どこか面差しが親戚の誰々さんに似ていたり、性格的な類似点を感じたり、ということ。
もし、本当にその人がそうであっても、今の彼とはあまりに遠くて親戚とも言えない間柄なのに、案外、そんな感じでつながっているところがあるのかも、とここは素直に嬉しくなってしまったんだよね。
そういえば、全然、赤の他人のはずなのにどこか似ている人っていると思うんだけど、お互いの先祖をたどればどこかでリンクしてたりして? と思えたのがこの“調査”の一番の収穫のように思えます。
(#^.^#)(#^.^#)
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軽いタッチで描いてあるけど
自分の祖先をたどるって本当に壮大な計画だと思う。
高橋さんと鈴木さん話は
面白いと思う
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『ご先祖様はどちら様』との書名が示すように、著者のご先祖様をさぐる旅の顛末が書かれている。
語り口がゆるいので、読みやすく面白い。
旅の目的のご先祖様探しは、あっちこっちに出かけて行っても調査範囲の裾野が広がるばかりで、何一つ解決しないのだが、そんな著者を手助けする人々とのやり取りが興味深い。
行った先々で、おらがご先祖様の自慢合戦のようなことが起きる。そして著者に協力的な人が多く、「なにくだらないことやってんだ」という態度の方がいない。誰もがご先祖さま探しに興味があるんだな〜、と実感する。それが自分のルーツ探しと重なるからか。
著者の迷走は果てしなく、当初はおじいさんが教育者だったところから始まるのに、戦国武将につながって平家の家系にたどりついたと思ったら、源氏の家系にもたどりつき、果ては天皇家にまでつながる。良く調べたのか?と批判する気も失せるほど、家系図というのはいいかげん。
家系図の専門家らしき人の、ちゃんとした家系図ほど怪しい、という言葉がとても印象的。誰か有名人に繋げようと思えば、そんな苦も無くできるようだ。
そういえば有名人に家系図をつなげる仕事を、かつて寺が収入源としてやっていた(幕末から明治にかけて)、といようなことを本で読んだ覚えがある。
旅の最後は清和天皇陵。言わずと知れた清和源氏の祖だが、そこが地元の人も行かないような目立たないところ。20数年のキャリアのタクシー運転手が「清和天皇陵に行く人を乗せたのはあなたで二人目」との発言が、ご先祖が誰かを証明することのはかなさを象徴しているようだった。
結論。ご先祖様は自己申告でお願いします。
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著者がほんの気まぐれのつもりで、ご先祖調査を始め、最終的に清和源氏に辿り着くというストーリー。
そもそも日本人は、系図を辿っていくと、先祖のどこかで源氏または平氏と繋がっているというから驚き。
自分の父と母にはそれぞれに父と母がいて、更にその上にも父と母がいて、と考えていくと、ねずみ算式にご先祖様の数は増えていき、10代前で1024人、30代前には10億7374万1824人になるというから、壮大なロマンとドラマの積み重ねの上に自分の誕生があると言える。
1人で生まれて、1人で生きているような気になってしまうが、膨大な数のご先祖様に支えられて、自分は生かされていることに感謝しかない。
「先祖孝行は、授かった命を大切にすること」
という著者の言葉が心に残った。