電子書籍
一風変わった京都案内
2019/02/11 19:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:horitei - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者は本書が辿る京都市バス206系統ではなく17系統銀閣地道経由錦林車庫行や32系統銀閣寺行をよく利用していたが、懐かしい場所がいくつも紹介されていた。土地に因んだ人物とエピソードから京都人のひねくれと素直さがよく伝わってくる。繰り返し読みたくなる好著。お薦めです。
紙の本
街の空洞化
2015/08/12 14:33
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:btking - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎年、冬の京都しか行かない。所詮自分も観光客なんだけど、人が少ないほうが好きだから。でも、ここ2、3年の京都は外人観光客だらけ。凍えるような真冬でも。料理屋でメシを食っていたら、隣席の地元人が、京セラもワコールも出て行ってしまった京都は、いまや観光客、特に外人観光客でもっているようなもの、と教えてくれた。それにしても、206番内の中心部の空洞化はすさまじい。烏丸も河原町もそこらの地方都市と同じ光景。中心部を避け、1日券でも買って、206番沿いのちょっと外側をじっくり散歩してみたくなった。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都の町案内を哲学者の視点で描くちょっと変化した面白みがある。穏やかな生活の中の都は何となく懐かしい。情緒にあふれている。
紙の本
ツボに 来ました!
2017/08/31 20:55
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投稿者:ふみしょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
鷲田先生の 楽しい経験もさることながら、京都の本質に迫る著書でした。
京都への自分の気持ちのツボにハマりました!
惹かれるワケが解ったような気分です。
常々 京都は路地だ!と思ってましたが、いくら歩いても 歩き足りないような。。
電子書籍
楽しみをとっておく
2016/09/11 05:18
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投稿者:まめおんな - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんな気持ちでこの本をマイ本棚に入れています。あの鷲田さんが京都をどんな角度と切り口から料理してくれるのか、京都大好きの私はとっても楽しみにしています。
あえて「読んで、京都巡りの参考に」ではなく、何気ない日常の中で読んでみたいからです。
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案外、京都人は京都のことを知らないのでないか。
本書は、京都人による京都人のための京都案内である(勿論、京都人以外も楽しめる)。
JR京都駅から京都市バス206番に乗ってぐるり市内を一巡する趣向で、京都生まれ育った筆者が京都の町を案内してくれる。
しかしそれは単なる旅行ガイドではない。京都という町が持つ歴史・風俗から京都人の気質など、さまざまなの話題を硬軟取り混ぜて、いろいろな角度から論じている。そして、再び京都駅に帰ってきたとき、筆者が主張する京都論が見えてくるのだ。しかもそれは京都を論じながら日本のこれからをも論じているのである。
というようなことを書くと、かなり硬い本のように思えるが、そのようなことはない。大文字を「犬」文字にした学生のいたずら話からストリップやラーメン屋の話もある。「河原町のジュリー」を懐かしく思うのは、私だけではあるまい。
イラストや写真を多用し、タイアップした店の紹介に終始するスカスカで凡百なガイドブックなんぞは、もういらない。本書があれば充分だ。そうだ、本当の京都へ行こう。
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京都を一巡りする市バス206番の東廻りの路線に沿った京都案内。京都生まれの哲学者による案内なので当たり前の京都案内になる訳がなく、普通の神社仏閣名所古跡はパスする非常に個性的で、ユニークな京都案内かつ都市論になっている。「あっち」の世界に通じている孔が京都にはいっぱいあるなどの話も楽しいが、ところどころで顔を出す著者の幼少時の思い出などの自伝的な部分が面白い。
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じっくり読みました。
僧侶と舞妓さん、そして祇園。。
細い路地を、目的もなくぶらぶらするのは気持ちいい。
雨が止んだあと、町屋が濡れている景色にはいつも心惹かれる。
本多さんの「ALONE TOGETHER」の意味を、「うどん」の考察に見つけました。
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幾重にも折り重なった京都の町には、幾つもの孔がある。
聖と俗、新しいものと古いもの、ととのったものとけったいなもの。
それらが遍在するこの町には、両極端なものと、その間を行き来するものとに対する、寛容さがある。
都市とは、そうした意味での多様性を持つ町のことであり、それによってこそ、場としての京都は、他の町には容易に代え難い、自由という魅力がある。
その程度の差こそあれ、人が住み、時間を積み重ねてきた場所には、そうした意味での多様性が、否が応でも存在している。
町を、一人で作り上げることはできないとしても、町の中から、そうした多様性のかけらを見つけ出し、少なくない自由をそれぞれの町から享受することは、一人でもできるに違いない。
町に、社会に、人々の間に、時間を過ごす中で、孤独とそれ以上の見返りを手に入れていることに、今更ながら気付かされる。
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市バス循環206番の沿線の景観・風俗を題材にした京都論、都市論、コミュニティ論、哲学、そして一風変わった京都案内の本であり学者さんの本。本書自体が万華鏡のような切り口によって様々な表情を見せ、至る所にあやかしの異界が顔をのぞかせる京都を体現しているように思える。
などと難しいことを考えなくても、素直に206番に乗って京都をぐるりと回る前に予習しておく本として読めば良いのではなかろうか。ただし実際に206番に乗るときには本書を持っていくような無粋なことをせずに、読後の記憶をたどりながら回るのが京都や本書の楽しみ方だと思う。
「おもろい」本としてオススメです。
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鷲田清一の本を読み通すのは初めて。206沿線の普通な京都を案内するという。生まれ育ち京都でその後もずっと関西圏なうえに、エッセイの書き手としても腕が確かという最強な組合せで非常に良いし、知ってるところが次々出てくるし素晴らしい。この手の本にありがちな粗も、5年程度住んでた人間に見つけられるものは数点しかなかった。
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「京都」というコトバには独特の響きがありますね。
本書は、京都生まれの哲学者鷲田清一氏による「京都の町」「京都の人」をテーマにしたエッセイ風の読み物です。
鷲田氏流の京都案内の中に、これまた鷲田氏流の哲学的エスプリがトッピングされていて、京都に馴染みのない私にとっては、「なるほど」と首肯できるくだりが満載で、とても興味深く読むことができました。
鷲田氏が本書で語っている多層的・多義的な「京都」の姿について、是非とも、ほかの京都の方々の受け止め方も伺いたいですね。
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あまり面白くなかった。ここに書かれている京都に関する洞察は、あくまでも著者のフィルタを通したものであるので、ほんとうのことろはどうなんだろう?という気持ちがぬぐえないまま読み終えた。
そういう見方で眺める京都ということで面白いと思う人多いのでしょうが。
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京都案内
京都人論
都市論
そんなふうに僕はこの本を読んだ
まず京都案内
京都人が慣れ親しんだ店を案内するだけあって
とても気になる
店の来歴や著者とのかかわりから記述されるせいか
食べログのレビューの表面的な店の批評とは異なり
もう気になって仕方が無くなるのだ
それから都市論
どこに書いてあったかわからなくなったけど
都市には住む人と訪れる人
それぞれのための顔というか面が必要とか
新しい町には
宗教施設と大木とあとなんか・・・がない
とか
都市の本としてものすごく面白かった
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古い都市であることの条件として、異界への口があいていること。
京都で生まれ育ち、学び今だにそこに住む著者による観光ガイドではない「平熱」の京都は市バス206番に乗って、という設定だが、そこここで寄り道もあり、またガイドではない、と断りながらもお勧めの店なども紹介してくれる。しかして本書は京都人へ向けて書かれているのではないか?最後の方、京都人がついに自信を失いかけている、とある。何をどうしろ、ということはない。少し元気を出して、嫌味なくらいの自信をとりもどしましょう、ということか。鈴木理策の写真が利いている。