- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
紙の本
鹿児島県の阿久根市長は、本書を読んでいるのだろうか?
2010/02/16 16:43
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7ひきのこぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
芸能人が結婚や妊娠したときの、芸能リポーターの質問に「男の子と女の子のどちらが欲しいですか」というのがある。問われた芸能人は決まって「五体満足なら、どっちでもいいです」と答える。質問もくだらないが、その回答にあきれる。「五体満足なら」ということは、裏を返せば「五体不満足なら、要らない」ということにならないか。障害がある人間は、“失敗作”だから、不要なのだろうか。いや、人として誕生した限り“失敗作”ではない。
もっとも、本書は著者の及川清美(脳性麻痺)が、それを声高に訴えるためのものではない。障害者として生まれた清美の、いうならば自叙伝である。。タイトルは、清美の父親の清二が、清美に対して「お前は、俺の失敗作だ」といったところからつけられた。
もちろん、障害者としての苦悩が主旋律である。だが、のり子と出会った時点からは、恋愛談の変調が加わる。のり子は清美の入所していた《重度身体障害者更生援護施設「岩見沢桜の園」》の、当時の呼び方では「寮母」、清美は「寮生」として出会う。障害者が健常者に好意を持って、それを打ち明けてもいいものか。打ち明けて、相手にその気がない場合、普通は遠ざかることができるが、清美は「桜の園」にいるより他はない。また、当人同士がいいと言っても、周囲の人間の反対があるだろう。厚く高い壁がある。
少し、話が脱線するが、障害者に対する「更生」という用語を使うのは適切なのだろうか。辞書で引くと【更生:1 生き返ること。よみがえること。蘇生(そせい)。2 精神的、社会的に、また物質的に立ち直ること。好ましくない生活態度が改まること。】とある。確かに“肉体的”には改善の余地があるが、自分の責任ではない。更生という言葉を、よく目にするのは、「非行少年を更生させる」のように、対象がネガティヴ。少年院も更生施設なのだ。“言葉狩り”をするつもりはないが、障害者のために、何か、違った言い回しがないかと思う。
清美は現在、63歳。のり子と1978年に結婚して、1男2女をもうけている。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |