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みんなのレビュー87件

みんなの評価3.8

評価内訳

87 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

心理的葛藤を越えて

2010/02/09 01:37

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、Edgar H. Scheinの
『Helping : How to Offer, Give, and Receive Help』の翻訳書である。

邦題は、原題とは若干異なり、
主題を『人を助けるとはどういうことか』、
副題を『本当の「協力関係」をつくる7つの原則 』としている。

『人を助けるとはどういうことか』の部分で、
『Helping : How to Offer, Give, and Receive Help』の部分を表現し、
『本当の「協力関係」をつくる7つの原則 』は、
最後のまとめにあたる章タイトル
「支援関係における7つの原則とコツ」から来ているのであろう。

訳者は、タイトルや主な訳語についてこのように説明している。

  ヘルプは「支援」、
  ヘルピングは「支援行為」と本書では訳しているが、
  いちばんいい日常語は、「相手の役に立つこと」。

  そして相手にそう思ってもらえる行為がヘルピングである。

  相手(クライアント)のイニシアティブや自律性を尊重しつつ、
  相手がうまく問題解決するプロセスを与えることが、
  本書では重視されている。

  そのため、専門書では「援助」と訳されることが多いが、
  「支援」という訳語を選ばせてもらった。

この説明は非常に参考になり、
また、「援助」ではなく「支援」という訳語を選んだのは、
正解であったのと思うのだが、
肝心のタイトルは、実は、元を素直に訳した方が、
本書の意図が伝わったのではないかと、私は思う。

『How to Offer, Give, and Receive Help』の部分を
本文で端的に表しているのは、この部分である。

  支援を効果的に申し出て、提供し、受け取るために、
  ほかの活動から移行する能力や、
  支援したり支援されたりといった態勢を整える能力も
  われわれには必要である。

  (p.231)

『支援学:支援を効果的に申し出て、提供し、受け取る方法』の方が、
支援は、与えるだけではなく、
頼むことも、受け取ることも同じくらい大事で、
それには方法があるんだという
著者の論点がタイトルでわかると思うのだ。

目次、7つの原則、本書が誰に向けて書かれているかに関する監訳者の考察、
監訳者あとがきに著者の経歴がかなり詳しく書かれていることについては
すべてmarekuro氏の書評に詳しい。

本書が妻の介護をしながら書かれていることについても
すでに書かれている。

本書の献辞には、
「今は亡き妻のメアリーへ 
 きみは支援について、私が知るべきことを全て教えてくれた」
とある。

本書に挿入された著者と奥さんとのエピソードは
その通りであることを物語っている。

訳者のあとがきで紹介されているように、
前著にまとめられた「プロセス・コンサルテーションの10原則」が
著者が本書をまとめるにあたって大きく影響している。

10原則の方が、若干、ビジネス書的というのか、
タイトルだけ読んでも中身が分かるようになっていて、
わかりやすいかもしれない。

支援関係における7つの原則は、
marekuro氏が掲載したものを参照してほしい。

さらにこの行間に18のコツがあり、
第9章までに述べられたエッセンスが注ぎ込まれるような構成になっている。

間に挟まれているエピソードは、
すでにここに来るまでに何回か読んでいるものもあるので、
それがこのように原則に結実されているのかと分かる。

原則だけではどういうことだろうということも
中身を読むとたいていは自身の経験に引き寄せて
考えることができる内容である。

実は私は頭から読み通してしまったのだが、
本書は読む順番を変えた方が理解しやすいのではないかと思う。

「監訳者序文」と「まえがき」と「第1章」で
本書の概略をつかんだあとに、

「最後に」と「監訳者解説」で
意図の確認と著者の経歴の詳細を知る。

次に、「プロセス・コンサルテーションの10原則」で
著者の主張をビジネス書的に受けとり、

第9章の「支援関係における7つの原則」を読み、
そして、第2章から第8章まで読む。

そして、最後にもう一度第9章を読む。

そうしておけば、
第2章から第8章までに展開される中身の行き着く先や
どうつながっているかがわかって、
落ち着いて速く読めたのではないかと感じている。

第9章の冒頭は、こんな言葉で始まっている。

これは、おそらくは本書の核であり、
これを言うがために全編が書かれたと思われるような
すべてを貫く言葉である。

  支援とは、ありふれているが、複雑なプロセスだ。

  それは態度であり、行動であり、スキルであり、
  社会生活に不可欠な要素でもある。

  また、われわれがチームワークとして
  考えているものの核であり、
  組織の有効性には欠かせない要素でもある。

  そしてリーダーが行うべき最も重要なものの一つであり、
  変革のプロセスの根幹でもあるのだ。

  しかし、支援は失敗する場合が多い。

  (p.230)

私自身は専門的な援助職ではないが、個人的な関係において、
介助するされるとか、与える受け取るなどを自然と考えてきたように思う。

支援を求める立場はワンダウンで、
支援を与える立場はアンアップというダイナミクスは、
意識したくはなかったが、経験上痛いほどに感じていた。

しかも、その経験が人生の一番つらい時期ともぶつかったため
読んでいること自体が苦しかった。

(こういった意味でも、私は、第9章の後に
第2章を読んだ方がよかったのかもしれない。)

だが、本書は、ダイナミクスを意識した上で、
効果的な支援を生み出す方法が提示されているのだ。

私は自身の過去の経験から「与える」と「受け取る」は
等価であるという理解をしていた。

いや、等価であると信じたかったのである。

上下関係が発生するようなことは
認めたくないような心理が働いていたのだ。

本書を読むことを通して、支援をする人、される人が、
自然と最初から水平的な対等なネットワークをもてるということではなく、
そのままではワンダウン/ワンアップが生じるけれども、
原則を受けて配慮すれば
良い支援関係が作れるということを学ぶことができたのだ。

「与える」と「受け取る」が等価になるのは、
双方の努力により良い支援関係が築けたときなのだ。

心理的葛藤を越えて
本書を読み通すことができてよかったと感じている。

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紙の本

日常生活を”支援”という切り口から捉え直すと。

2010/01/18 23:07

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は支援学に関する平易な入門書です。
評者は本書を福祉専門書だと思い購入しました。
確かに福祉の臨床場面でも使えるノウハウは多いのですが
およそ支援という概念が当てはまりそうな所、全般で使える知見に満ちています。
そのような本書の特徴を簡単にまとめると

相手の役に立つこと、そして相手にそう思ってもらえる行為。
これをうまく成し遂げていくにはどのような原理・原則があるのか
支援という言葉の土台にある考え方が整理されている。

と表現可能かと思います。
なお、監訳者あとがきにおいて訳者の金井氏は
本書は以下のような方々におすすめであると書いています。

・ソーシャルワーカーやコンサルタントなどの対人援助職に従事する人
・より若い世代を教育・コーチする立場にある人
・子どもや恋人、配偶者ともっと実りある関係を作りたいと思う人
・支援を受ける立場にいる人。(ex 患者 学生等々)
・プロジェクトリーダー 研究者

このように書き出してみると、誰しもがどれかには必ず該当しそうです。

以下が目次となります。
***************************************************
監訳者序文
まえがき
1)人を助けるとはどういうことか
2)経済と演劇~人間関係における究極のルール
3)成功する支援関係とは?
4)支援の種類
5)控えめな問いかけ~支援関係を築き、維持するための鍵
6)「問いかけ」を活用する
7)チームワークの本質とは?
8)支援するリーダーと組織というクライアント
9)支援関係における7つの原則とコツ
最後に
監訳者解
**************************************************

目次をご覧いただいてもわかるかと思いますが
本書の扱う"支援”は多岐にわたります。
その視点はマクロからミクロまでに及んでいます。

本書のユニークな点を一つ挙げるとしたら、それは
支援を効率よく受ける為の方法に関する記述が、支援を与える為の方法と
同じくらい記述されている事だと思います。

本書では、生活を"支援関係”という切り口から捉え直す試みをしています。
本書の言う支援とは例えばそれは、家族にコーヒーをついでもらうことも支援に
該当します。
気持ちよく支援を受ける技術の必要性とその技法を主張している本書。
支援という行為が双方向性の性質を持っている事に着目すると
効率よく支援を受ける必要性とその技法にページが割かれているのは納得の
いくところです。

評者自身は、本書の内容を仕事において、家庭において使わせてもらっており
その恩恵にあずかっているのですが、その一例をとして
先に述べたような、生活を支援関係という切り口から捉え直すという事によって
今まで当たり前に過ぎ去っていた日常生活における何気ない一場面一場面が新たな
意味を持ち始めた事が挙げられます。

それはあまりに個人的過ぎる事柄なため、これ以上の詳細な記述は控えますが
この様な出来事・感覚を一言で説明するなら「生活の再発見」とでもなるのでしょうけど
仕事において、家庭において”当たり前”を捉え直す視点を得られたということは
得がたい体験でした。

本書は、「はじめに」と「最後に」で同じメッセージを投げかけてきます。
それは「われわれが支援者としてもっと有能になれたら人生はより良いものになる」
というものです。

著者は本書を乳がんを患った妻の介護をしながら書いたそうです。

・最後に
・監訳者あとがき

を読むと、著者であるエドガー・H・シャインの個人的なエピソードが多く
書かれており、それらを読むことで先ほどの
「われわれが支援者としてもっと有能になれたら人生はより良いものになる」
という言葉がより重みを持ちます。
本書のサブタイトルにもなっている「本当の協力関係をつくる7つの原則」
を引用します。なお、これらの原則を支える細かい技法や考え方が本書に書かれており
この7原則を暗記したからどうなるものでもありません。
あくまで参考までに見てみてください。

原則1 与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる
原則2 支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる
原則3 支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、支援は効果的に行われる
原則4 あなたの言動のすべてが、人間関係の将来を決定づける介入である。
原則5 効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。
原則6 問題を抱えている当事者はクライエントである。
原則7 すべての答えを得ることは出来ない。


本書の主張する、日常生活は支援関係により成り立っているという考えに賛同できるなら誰もが支援者であり、被支援者であります。
より良い支援者・被支援者として生活していくために本書は有益な知見を与えてくれます。

評者のように対人援助職として、支援という言葉が空気のようになってしまい
気に留めることもなくなった人には、改めて仕事を捉え直す、考え直すヒントを得ることが
出来るでしょうし、対人援助職に従事していない方にとっても自らの生活が
双方向性の支援で成り立っている事とその動態、重要性が腑に落ちると思います。
そしてそれは当たり前に流れていた生活を捉え直す良いきっかけになると思います。
多くの人に手に取ってもらいたい一冊です。



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2009/10/22 20:56

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