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中世の村々
2021/01/04 12:28
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世の村がどのように運営されていたかが面白い。犯罪者が出た時に懸賞金をかけて指名手配したり下手人の所属する他の村から人質を取ったりしている様が興味深い
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ラジオ深夜便2009年7月16日放送分で、この本の著者、藤木久志氏が「村に戦争が来る 戦国時代の危機管理」というタイトルで話をされていた。それが非常に面白かったのでこの本を読んでみたのだが、いささかこの本は手強かった。
上目次に掲げたようなテーマについて丹念に古文書を挙げいく。解説付きの読みやすく整形した文とは言え、原典がかなり載っているので、きちんと読み進めようとするとかなり集中力がいる。私なんかでは読んでいるうちにボーッとしてしまったり、テーマが何の文を読んでいるのか忘れてしまったり。面白おかしく結論だけ書いてある新書本なんかをイメージして購入すると挫折することになりそうだ。一方で、興味あるテーマの古文書ともなると、読んでいて非常に面白い。中世にの人間の息づかいが感じられる(ような気がする)瞬間がある。
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戦国時代の民衆が、ただただ略奪されていただけかと?
いいえ、なかなか逞しくてよ。
史料を丁寧に取り扱っての論証は、とても説得力があります。
口合戦は呪術的な意味や、実際に敵を挫き、見方の四季を上げるのに使われたと、最初に述べています。
村同士の紛争を解決するために、人質(若い大人、特に成人男性は含まない)を渡したり、浪人などを村で養ってあげて、いざという時に犠牲になってもらったりしたそうです。
村の自治は若衆と老人が協力して行い、犯罪者が出たときは密告や捕縛を奨励、しかしあくまで個人で捕まえた場合のみとか、様々なルールがあります。
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戦国期における、村に生活する人々をテーマにした研究書。
戦国期、足軽・雑兵に代表される一般兵士の集団線が主役となった。
それは、鎌倉武士が戦う前に行っていた、大将同士の詞戦から、雑兵同士の詞戦の変遷をたどることからもわかる。
この「詞戦」が、敵の士気を削ぎ、味方の士気を鼓舞する重要な戦であった。
常に戦の主役であった「村」という共同体は、領主の統治機構の一部を担っている自負もあり、服従一辺倒ではなかった。
領主が村への干渉を強めると、村を預かる庄屋は、百姓たちの先頭に立って逃散(逃亡を促す)をかけて領主に抵抗し、年貢帳簿の提出を拒んで、庄内への直接介入を許さなかった。
本書は、こういった庶民(この頃が庶民の萌芽だと個人的には考えている)のたくましさをまとめた内容になっている。
本旨からは外れるが、戦国の村の掟についても様々な解説をしており、スケープゴートの役割として、流れ者や乞食を雇っていたという。
村同士の争いが起こった際、その発端となった下手人は処刑の対象となる。しかし実際処刑されるのは、雇った浪人ものや乞食であったことなど、当時の村の運営について興味深い解説をしている。
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藤木先生の著作を読むのは、大学生ぶりか。
戦国時代の法や自治権の大家。
戦国時代を勉強したいと思うなら、藤木先生の著作は外せない。
このコロナ禍で藤木先生が亡くなられたとのこと。
残念である。合掌。