紙の本
大江健三郎の作品を読み返したくなるような非常に濃い内容
2023/05/13 18:51
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
大江健三郎の全作家人生を作品ごとに振り替えるインタビュー集です。デヴュー作から最後の「晩年様式集」までをカバーしています。大江健三郎ファンにとっては非常に興味深い話ばかりです。また大江健三郎の作品を読み返したくなるような非常に濃い内容です。
紙の本
大江入門としても
2021/07/29 22:58
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通りの内容です。大江健三郎が自らについて語ります。そしてこれは大江自身による大江健三郎入門ともなっている。大江に関心があるがどこから手を付けたらいいかわからないという人はまずこれから入るといいだろう。
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インタビューの内容を、とても分かりやすい文体で書いてあるので、大江健三郎作品自体はとっつきにくいと思っている方にもオススメ。
「この作品はこんな意図だったんだ」だとか、いろいろな発見があると思います。
インタビューを実録したDVDも数年前に発売していますが、インタビュー自体はそのときのもの+直近のもの、です。
DVDでは、独特の話し言葉で、かつ断片的な収録なので話の前後関係が分かりにくかった感がありますが、本当に同じインタビューかと思えるぐらい分かりやすく書籍化がしてあります。
大江文学を読み解く上で、必須の一冊ではないでしょうか?
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初読。作品の時間軸に沿ってインタビューが構成されているが、作品そのものよりタイトル通り作家・大江健三郎さんについて知ることができる。話がどんどん多方面に伸びていき、大江さんの人生をたどることができる。いろんな箇所で涙をこらえながら読んだ。もう一度、すべての作品を最初から順番に読み直したいと切実に思った。大仕事ですが。
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大江健三郎氏の創作の秘密、作品に込められたものが解る。
聞き手の尾崎真理子女史の作品への深い読みに舌を巻く。
また、尾崎真理子女史の読みが確かなものであるので、大江健三郎氏の応えと合致し、巧みに大江健三郎さんの応えを引き出している。
この本により、偉大な芸術家の内面を初めて知ったという感慨を持った。
私生活の事は、身近な人間でないので、わからないけれども、大江健三郎氏の芸術家としての人生は幸せであったと思う。
とにかく、大江健三郎ファンにはおすすめです。
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2006年に行われ、テレビ放映もされた連続インタビューを再構成し編集・追補された「推敲された」インタビュー。尾崎氏が大江のことばを引き出す役に徹したことで、細密に描き込まれた作家・大江健三郎の自画像ができあがっている。文庫版には「後期の仕事」三部作を書きおえたあと、2013年の対話も収録されている。
全体を読み終えて、あらためて大江の勤勉な読書家であり勉強家であることが印象に残った。谷崎潤一郎にも似たようなことが言えるが、研究対象が自分よりもどう考えても知識教養に優れている場合、研究者はいったい何をすればよいのだろうか。
強靭な記憶力、とくに自身に対する批判をよく覚えていることにも驚かされた。質問に対する回答の形で提示される穏やかな文体を一皮めくると、じつは底堅く根を張っている男性中心主義的な主体性への願望が滲み出る場面や、苛立ちと怒りと冷笑と絶望が不意に姿を見せるような瞬間があって、実にスリリングな読書体験だった。
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各章は時系列に分割した複数の作品をテーマにしている。私は彼の作品を全て読んでいるわけではなく、特に万永元年のフットボール以降の作品はほとんど読んでいないので、読んでいない本がテーマになっている章は読み飛ばした。
尾崎真理子さんという聞き手もとても力を持っている人物である。彼女の質問によって彼が気づくと言うシーンが見られた。