紙の本
ヤマザキマリ氏は規格外の人物でした
2015/10/02 09:24
18人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「遠望ニッポン見聞録」を読んで感銘を受け、本書も読んでみました。本書は、ヤマザキ氏の自伝で、人生の節目に出会った人々や本のことを中心に語っています。
ヤマザキ氏を含む我々の世代は、「新人類」と呼ばれ、「自分が傷つくことは避けようと行動する」と言われた世代です。「無気力」「自分勝手」「マニュアル人間」とも揶揄されました。また、戦後の貧しい時代に食べることさえ苦労した親たちから、「有名大学を卒業して、大企業に就職することがゴールだ」と言われ、安全で安定した生き方を目指し、コツコツと勉強した世代でもあります。だから、その子供たちである「サトリ世代」に対しては、もっと安全な生き方をするように育てているのでしょう。そんな同世代であるヤマザキ氏の、「新人類」ではない波乱万丈・破天荒な人生に、私は驚愕しました。
「国境のない生き方」というのは、月並みな言葉では「自分の殻を破りましょう」ということだと思います。自分の殻に閉じこもると、その先にある広大な世界や自分の未来(可能性)が見えなくなるものです。だからこそ、今から人生を切り開いていく若い方には、本書を一読し、自分の未来について考える機会にしてもらいたいと思いました。
また、母親のヤマザキ氏への影響力は半端ないものがあります。幼少期の親の教育(=躾)がいかに子供の人生を左右するかということが理解できますので、真似はできないと思いますが、子育て世代の方にも本書を一読することを勧めます。
社会人になりたての頃、「若い時の苦労は買ってでもせよ」と、旧世代の方たちに私も散々説教されました。当時は「誰が好んで苦労なんか買うかよ!」と無視(反抗)したものです。しかし、今となってみると、確かに真理であったと、読後、素直に思いました。
一方で、人生をやり直すとしても、ヤマザキ氏の真似は絶対にできませんし、結局、冒険はせず、安全で安定した平凡な道を探すような気がします。
紙の本
等身大ですごい人
2018/12/27 08:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の漫画は読んだことがなく、映画もみていないのだが、
何かの雑誌でエッセイを読んでお気に入りの作家の一人になった。
14歳でヨーロッパを一人旅。確か佐藤優も10代で東欧だったかロシアだったかを一人旅したと本を出していたのではなかったか。自分の軸がある表現者は、それなりの体験・経験をしているものなのだ。
イタリア、ポルトガル、シリア、アメリカ…と、著者が済んだ国もおもしろい。日本だけで人生設計を考えるのが本当にもったいないな、と思わせてくれる本。
電子書籍
国境のない生き方
2017/04/04 17:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Cecilia - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎マリさんの著書を初めて読みました。アーティストの生き方としても、今を生きる女性として見ても力強くとても魅力を感じました。
電子書籍
こんな生き方をしたいと思える本だが…
2022/03/30 02:26
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投稿者:sklhfstyi - この投稿者のレビュー一覧を見る
当然ながら危険はつきものであるし、強い女性でない人には目指せないのではないか。身体が弱かったり、自分の子供が寝たきりで介護必須であったり、運悪く強盗に殺されるかもしれないし、海外で暮らし続けることも海外で暮らす手はずを整えることも誰にでもできることではない。誰もが著者のような成果を出せるわけではない。だからこそ、著者のような生き方に憧れるのだ。地元で高校出て大学進学で上京して…なんてストーリー、本にもならないし誰もうらやまない。だれでもできるから。しかしそれでも、自分こそは、著者のように生きたいと思った。少なくともその方向に歩いていこうと思った。
電子書籍
(о´∀`о)
2017/01/19 20:12
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投稿者:はるにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて読んでみました。(о´∀`о)
初めて知ることが多くとてもためになりました。
電子書籍
元気付けられました
2016/12/13 18:48
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投稿者:Littleover - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤマザキさんの色々な経験に驚いたり、考え方に共感したりしながら、生きるっていいなと思いました。はじめから諦めたり限定したりしないで、自分の思うように毎日を元気に過ごしたいです。
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ヤマザキマリさんの言葉にいちいち感動して泣きそうだった。付箋がたくさんついた。
どうしてこうもずしん、と来るのかというとその言葉たちが彼女の実体験を基にしているから。それをきちんと受け止めて飲み込んで出てきたからなんだ。こんなにも濃い人生を送っている彼女は素晴らしく、とても羨ましい。
彼女にとっての絵のようにせずにはいられないことを早く見つけたい。と焦って空回り、遠回り中。いつかきっと。
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明日にも旅に出ようと思わされた。
最近読んだ本の中では間違いなくダントツの面白さ。読めてよかった。
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テルマエロマエで有名になったヤマザキマリさんの本。帯には「地球サイズで見れば悩みなんてハナクソ」とある。国境のない地球人として生きているヤマザキさんらしいな。(笑)
いつだったかの新聞に、テルマエロマエが映画化されたときに受け取ったお金が100万円だったと書いてあった。あれだけ売れたんだから、かなりの印税が入っただろうなんて思っていたけど、たった100万円とは。そして、ヤマザキさんもハッキリものを言う人だなという印象を持ったが、それ以上の情報は知らなかった。そんな感じで手にした本だが、いっきに読んでしまった。ヤマザキさんの生い立ち、苦労していた若いころ、そして出産と別れの話し。ハッキリと言葉にすることの大切さも語られている。そして、ヤマザキさんって、道産子だったんですね。ちょっとだけ親近感。世代も近いので、高校生のときに札幌ですれ違っていたかも(笑)。応援したくなりました。
それにしても、ビオラ演奏者だったお母さんと一緒に北海道にやってきて、北海道の大自然が個性豊かなヤマザキさんを育てたんだろうなと思う。17歳でイタリアに渡り、「ガレリア・ウプパ」で文学を語る。貧しい生活でも、好きな人と過ごした日々。でも、当時の彼女は「フィレンツェなんて大嫌い!」と思っていたという。そういう葛藤、矛盾した気持ち、もつれた感情を持って過ごしたからこそ、出てくる言葉があるんだろうな。
壁、ボーダー、汲々とした枠、囲いの内と外、自由に生きるということと群衆という防御法、人生の一回性。そんな言葉がつむぎだされる。
印象に残ったことばはいろいろあるが、その中で一つ。
「自分らしさというものがあるのだとしたら、否応なく持たざるを得なかった寂しさであり、孤独であり、どうしようもない弱さと、とことん向き合って、闘い抜いた結果、「こんなへんな人になっちまいました」というような、抜き差しならないものなのではないでしょうか」。
そうだよな。素晴らしいことだけが自分じゃないよな。それよりは、学校で習うことだけじゃなくて、いろいろ経験して、試して、こうなったのが自分なんだよね。
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漫画『テルマエ・ロマエ』の著者であるヤマザキマリさん自身の半生と、その傍らで彼女を支えた本を紹介した自伝的エッセイ。
14歳で欧州一人旅、17歳でイタリア留学、そして絵描きで生計を立てる苦労を経験し…と波乱万丈な半生を歯に衣着せない語り口で綴っている。幼少期から広い世界を舞台に太く濃い経験を積み、自分の軸を培ってきたヤマザキさん。人生に正解はないからこそ自分の選んだ道を全力で行こうとする姿勢に、読んでいる先からやる気が突き動かされる。
背中で語れる大人、とはこのような人を指すのではないかと思う。
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KLの紀伊国屋にて発見。タイトルにひかれて思わず一気に読んでしまった。
読み進めると、これは「テルマエロマエ」の著者であることに気づく。
本の虫であるだろうと感じさせる巧みな表現と綴りでマリさんの半生にタイムスリップする。
I found this book in Kinokuniya book store in KL. The title seized my attenntion and I couldn't help but stop reading it standing there.
While reading it, I realized the author is Mari Yamazaki who wrote Terumae Romae, which is famous comic in Japan.
From her expression and writing, I could find that she is a book-worm. I could slip into half her life easily.
「テルマエロマエ」を読んだとき、うーんこれはニュータイプだと思ったのを覚えてるんだけど、このマリさんの苦悩の連続を知ると、マリさんだからこそ作れた世界なのだと頷ける。
アウトプットは、その人の人生そのものである。
価値あるものを産み出せる人は、並々ならぬ苦労と挫折を体験していて、そこから簡単に這い上がれることはなく、そのもがきの中で自分なりのアウトプットに繋がる決定的な何かに出会っているのだと思った。
この本の中でいくつか興味を持った作品があったので、読んでみたい。
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地球サイズに生活している著者の考えは、単純に授かった生命を生きてりゃいいんだよ。
なぜ生きていくのか、仕事がどうとか、人間関係がどうだとか、あとからなすりつけたハナクソみたいなもの。
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私も海外暮らしが長くなったけれど、心持ちは相変わらず井の中の蛙……なところがあるので、国際人であるというのは住んでいる場所ではなく、心のありようだと改めて感じさせられた本。
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変わってる人だけど、間違ってない気がする。
背景が濃い。
作家の文章を語るくだりは、そうとう本をよんでるんだなと感じる。
オカンが素敵。
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久々にエッセイ系の本で一気読みした。作者の思想が情熱的に語られていて引き込まれる。著者を形作ってきた本の紹介が文中でされているが、それがまた興味がかき立てられる上手な紹介の仕方で、本を読みながら思わずネットでポチポチ購入してしまった。