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なして助がった? 流されちまえば良がったのに。3・11のあと、妻たちに突きつけられた現実に迫る長篇小説。乳飲み子を抱える遠乃は舅と義兄と、夫と離婚できずにいた福子は命を助けた少年と、そして出戻りで息子と母の三人暮らしだった渚はひとり避難所へむかった。段ボールの仕切りすらない体育館で、絆を押しつけられ、残された者と環境に押しつぶされる三人の妻。東日本大震災後で露わになった家族の問題と真の再生を描く問題作。
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椿原福子、漆山遠乃、山野渚、三人それぞれの事情が語り手を次々交代しながら描かれている。冒頭からいきなり地震とそれに続く津波の描写で、胸を塞がれる心地で読み始めたのだが、運良く命拾いした人たちのその日からの避難所暮らしの過酷さは、想像を絶するものだった。外側からではうかがい知れない避難所の現実や尋常ではない気持ちの動きや、本音などがつぶさに書かれていて、そのあまりのリアルさに、暗澹たる気持ちにさせられる。安全な場所にいて考える支援のなんと的外れなことかと、胸が痛くなる。なにが本当に必要で、どこまで我慢できるのか、物質的なことはもちろん、人間関係においても、核のところが露わにされていくように思える。誰を責めても、なにをどうしても、埋めることができないことがあるのだと思い知らされる一冊である。
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3.11での女武勇伝。
それにしても、エロイおやじはどうしようもない。
歴史は繰り返さないようにしたい。
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地名などは書き換えているが、東日本大震災を描いている。
女性目線から見た・感じた避難所生活をクローズアップしている。
仕切りという名のプライベートが無い状態は女性にはつらい。ましてや若くて美人で赤ちゃんがいる女性だったら、、。
男尊女卑の古いしきたりに取り囲まれたり、ボランティアの蔑む目、自治体のルールや嬉しい・楽しいと感じてはいけない雰囲気など彼女たちを苦しめるものが次々と向かってくる。
さもすれば折れそうになってしまいそうな境界線を越えた時に初めて前向きな気持ちになっていく。
フィクションだから多少の誇張はあるだろうが、自分の目で見て感じてきた震災とまた別な目線で感じてみる事はとても大事なことだと思う。
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東北大震災で被災し、避難所生活のなかで知り合った女たちが、東京で共同生活を送りながら自立していくまでの物語。震災をテーマにした写真集やドキュメンタリーなども多いが、この作品は小説ではあるが、前向きに生きていこうと決意する逞しい女たちと、彼女たちをとりまく駄目な人間の実態を容赦なく伝えている。
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読んですぐは、いろんな思いが交差して整理がつきませんでした。
東日本大震災の避難所での生活と再生の物語。
生死の境目なんて本当に運としかいいようがないのかもしれません。
命からがら助かった福子、遠乃、渚たち…。
助かった人々を待っていたのは、
「助からなければよかったの?」
なんて思わせてしまうほどの厳しい現実でした。
それでも最後は希望のもてる門出で良かったです。
大切なものを守るためなら、どんなことも乗り越えられる。
母は強しですね。
3.11。
あれから4年。
もう4年なのか、まだ4年なのか…。
おりにつけ思うことは、平穏な普通の毎日のありがたさです。
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このヒトの本て、着眼点も良くて、読みやすくて、面白いんだけど、なんか、フラストレーションたまって、それを最後払拭も出来ず、そこそこまとまるんだけど、どうにも噂好きの女性の好奇心の範疇を越えられてない気がする。もっと内面を3枚くらい掘り下げて欲しい。好きなんだけど、4冊くらい読んで毎回同じこと思うので、結構問題だと思う。
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実際の避難所暮らしはもっと酷いものだったんだろうな。
でも、女は逞しいのに男はクズばっかり出てきて腹が立ちます(¯―¯٥)
避難所でレイプを許容しろなんて男はちょんぎっておしまい٩(๑`^´๑)۶
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地震や津波の被災者の避難所での話。
3人それぞれ境遇や立場の違う女性の様子が書かれている。
フィクションのようでノンフィクション、ノンフィクションのようでフィクション・・・のうような内容。テレビなどの報道では感じ取れなかった避難所や被災者の目線がショックでもあった。
避難所での自治やボランティア、盛んに使われる「絆」という言葉。美談のように思われがちだが、被災者の目線だと決して甘くはない。
3人それぞれ苦しむ中で、最悪の展開になるかと思いきや、最後は希望が(もちろんその後の話にもきっと苦労があるだろうが)見えたので読後感は悪くはない。
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身勝手な年寄たちの言動や
またそれに堪える女性たちに
とにかくイライラ、ムカムカ
ストレスの溜まること溜まること!
避難所生活の現実ということなんだけど
こんなに金銭や人間関係がドロドロ
渦巻いていたのかと驚いたし
そんな状態で「絆」とか綺麗ごと
言われてもなぁっていうのには納得。
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図書館で借りました。
震災直後の避難所で出会った、女性3人と1人の少年のお話。
個人的に、ご主人を津波で亡くした遠乃さんが気の毒過ぎて泣けた…。
完全同居の義兄つき。
先ずこれだけで不良物件。
最愛の夫震災死。
姑震災死。
舅、あほ義兄つきの避難所生活で公開セクハラ多発。
補助金などを舅に横領される。
仮設住宅で義兄にレイプ未遂。
痛切に幸せになって欲しいと思いました。
日本人にとって震災はまだ記憶に新しく、読んでる最中に映像が頭を過ぎりましたが、当事者の方々にとってはまだ終わってない問題は山積みになっています。
故郷を離れて生活している方も多いでしょう。
でも、生きていかなくちゃならない。
自分の人生を、とそんなメッセージを感じました。
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【ネタバレ】3・11の悲劇のもうひとつの形として、非常に興味深く読みました。実際の避難所でもこういう問題はあちこちで起こっていたと予測されますが、それは決して報道されなかったに違いありません。結末には救われます。
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震災の時、その後。
女たちは何を考えてどう過ごしたか。
3人の女性を通して、被災から避難所での生活を描いています。
いろいろな場面で共感したり憤りを感じたり。
読後の感想は・・・女性は強いな、、です。
考えさせられる1冊ですが、ユーモアもあって読みやすい本でした。
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テーマがテーマだけに、重い。
たくさんの人が避難している避難所。
中にはこの本の登場人物みたいな悩みを持つ人もいるんだろうなと思いながら読んだ。
自分には想像できない状況に置かれた人に接するとき、私ならどうするだろう。
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うーむ先の見えない暮らし、心の弱い人だったらもう全てを受け入れて仕方なく生きていくのかな。出てくる女性がみんな強かった。それに対し男衆のクズっぷりときたら!
ほんと絆なんて言葉だけでは片付かない、汚く暗い一面の描写もあってイライラする部分もあったけど、多分それが現実。
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暗い話かと思いきや、避難所の生々しさが伝わってきた。最終の明るく強く生きる女性に、読み終わり良かったと感じた(^_^) 人生は、未知が怖くてもトライ=挑戦ですね。 健康が一番じゃないと出来ないね