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新潟県の魚沼にある、里山十帖という旅館の経営を通じて、地方の観光やライフスタイルのあり方について、ひいては地方をどうやって元気にするかということまで提言をする本であると私は捉えました。
著者が里山十帖をオープンし経営していく中で大切にしていたことは、本物であるということや、物語性の追求でした。それらは、もともと地元に眠っていたものであり、特に意識はされなかっただけで確かに存在した貴重な資源です。
地域に眠る資源を活用しよう言葉で言うのは簡単で、実際、日本全国どこの市町村に行っても、そういった表現を使いまちづくりが行われています。でも、実現がいかに難しいかは、地方の現実をみれば明らかですよね。
大切なのは、地域の大切な資源を、目的に合わせてしっかりと編集し組み合わせる、筆者たちのいう「デザイン思考」であるのだと思いました。
地方のまちづくりなんかの分野では、頻繁に語られるテーマですが、実際の例を軸に、筆者がデザインをする上でどのようなことに気を付けて行っているかなどがリアルに描かれていて、とても説得力がありました。
最近読む本に共通のテーマみたいになってますが、リアルな肌感覚ってとても重要なのですね。
里山十帖と、魚沼に行きたくなりました。
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まちづくりや地域再生のようなテーマは、ややもすれば机上の空論的な内容の本も氾濫する中、この本は実際に現場でのアクションを自分のロジックに体系づけており、読んでて納得させられることが多かった。文中に現場というワードが何回も出てきたのが印象深い。宿をメディアとして捉え、考えているのがとても面白い。これからはこういうメディアが求められるんやと思う。里山十帖、ぜひ行って体験したい。
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私が共感した憧れの宿(共感メディア)、里山十帖のお話。(半田・シェアビレッジ家守) selected by Masato (Akita)
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新潟で旅館を経営する著者のデザイン的思考。
旅館開業までのいきさつや、苦労話、経営哲学など他業界でもためになる内容である。
宿という単体ではなく、地域との関わりあいなど、町おこしにも大いに参考になるのではないだろうか。
著者の経営哲学やデザインに対する考え方はとても興味深く、分かりやすく丁寧に書かれている。
「里山十帖」という宿の名前やそこに込められた意味からして、岩佐氏のセンスを感じる。
また、もともと「自遊人」という雑誌を発行していて、この宿はその延長線上にあるといった感じだ。
宿にある備品はほぼ購入可能である。
雑誌では実物を手に取り使用することはできないが、それを可能にしたのがこの宿である。
「里山十帖」という名前に込められた十の物語とは、食・住・衣・農・環境・芸術・遊・癒・健康・集である。
きっととてもよく編集された宿なのだろう。
宿泊料は決して安くはないけれど、本書を読めばその価格設定に納得するだろう。
是非一度訪れてみたいと思う。
また、今後どのように発展していくかも非常に楽しみである。
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里山十帖の設立経緯や思いについて自遊人の岩佐さんの本。
自遊人というメディアを作って来て、しかも新潟に移住して生活してきたからこそ作れた宿。イノベーションは常識の外から産まれるという素晴らしい事例だと思った。そして自分の感性と思考力を信じてリスクを取ることにってこの成功は産まれたのだと思います。日本の観光産業を考える上でもヒントがたくさん詰まった1冊。ぜひ泊まりにいきたい。
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No.957
1. 目的
宇都宮で開催されたReadForActionにて仲間からオススメしてもらった本。自分がやってないINPUTのカタチを見つける。
2. 得たこと
新しいコミュニティに飛び込む。複数の人格をイメージする。
3. アイデア
海外旅行を計画する。
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南魚沼にある「里山十帖」という宿。
地方創生を目指した旅館事業再生の物語。すべてがすべてこのケースのようにうまくいくわけではないだろうけど、やはり地方にもビジネスチャンスは眠っている。さて、自分の地元を考えたときに同じような可能性を秘めた何かはあるだろうか?そんな視点でちょっと考えてみると面白い気がした。
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「デザイン」という言葉ほど、誤解されているものはない。「里山」という言葉も、近年の濫用で、それに近いものがある。「創生」などは、政府の上から目線的言葉でも使われていて、タイトルだけみたらヤバい香りがプンプンする。
けれど、大丈夫。
これまでの思考とは異なるアプローチ、それがデザイン。「100%失敗する」と建設途中で銀行から融資引き上げを宣告された宿泊施設のプロセスを追いながら、デザイン的思考を学ぶ。
「データをみない」とか「事業計画書は邪魔になる」というのは、まったく僕もそのとおりだと思う。実の所、「まともな会社」だと、この辺を真似するのはムズカシイかもしれない。成功法則としてあげられている10のポイントは、もっともだけれど、モノよりコトとか、昨今あちこちでいわれていることだ。この本の、というか著者がすごいのは、それを自ら描き、先頭に立って「徹底した」ことにあろう。
言うは易く行うは難し、である。言うだけなら、僕にだって出来る。
成功例付き教科書として、多くの地方の参考図書になるだろう。そして僕らはそこで、換骨奪胎を見ることになるのか、模倣した企画書による広告仕事を見ることになるのか。
とにかく、もうデータは、情報は十分にある。
体験し、体験させる、ということこそが、突破口だ。
それにしてもこの旅館「里山十帖」、行ってみたいなあ〜! そう思わせるのも情報か。