電子書籍
ことばの達人
2015/11/15 15:20
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投稿者:horitei - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼の小説はまだ読んだことがない。この本を読んで、読んでみたいと思った。時評は書き手が社会に対して発するメッセージである。書き手の人生観や世界観を全開にして書かれるため、勢い、大上段に構えた物言いになりやすい。けれども、著者の文体は軽くしなやかで、それでいて、世の中の深いところに届いている。そして、ときに、読み手の心を揺さぶる。このような達人の文章に出会えたことは、まことに幸せなことであった。
紙の本
わかりやすい
2021/07/13 09:28
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の日本の民主主義について、危機感を持って解説されていて、興味深く読むことができました。具体的で、わかりやすかったです。
紙の本
徹底的にまじめな高橋源一郎
2015/12/23 10:20
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
高橋源一郎はいくつかの小説は読んでいる。競馬エッセイも読んでいる。こういうまじめな本は昔は書かなかったように思う。それで、今回読んでみたわけだが、徹底的にまじめに考えたことをすごくわかりやすく書いてある。高橋源一郎がこういうものを書くというのは、それだけきな臭い時代になってきたということかもしれない。
紙の本
少し残念。
2016/03/15 15:22
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投稿者:M マサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のメディアでの発言を聞いていて、著者に興味をもち、10万部突破の帯を見て、即買いしたけど、正直、内容が全然繋がらなく、つまらない、朝日新聞の論壇時評価の連載をただ、記載した著書だ、あくまでその日その日の、新聞の内容(同日どの様な事が有ったか)を理解した上で読むのは解るが、論壇時評だけの記事を記載しても、正直、伝わる物がない、編集者の手抜き本。ただ、短い論壇時評の中にも、心に刺さる記載もあり、また、ここから新しい著書に巡り会えた事には、いい所も少しはある。全体的には、内容が繋がらなく、退屈な著書。
電子書籍
制度としての民主主義、ではない民主主義もあるんだぜ、という話。
2015/09/25 14:22
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投稿者:みけねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容はタイトルにつきている。
丸山眞男にしろ、鶴見俊輔にしろ、あるいはジョン・デューイにしろ、その他の思想家や哲学者、社会学者がよく言っていることを、小説家・高橋源一郎が彼なりの仕方で、論壇というものや日本というものとの接面において思索・実践したものが本書だ。
新聞の論壇時評をまとめたものにしては文章が完成されていて、さすが文章に値段がつくだけのことはあると舌を巻いた。
とてもよみやすく、示唆に富む。新書というのを地で行くすばらしい本だと思う。
電子書籍で買ったが、人に勧めるために紙で買い直したほどだ。
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読み終わったのだけど、まだ、終わった気がしないのは?
これまでの歴史、経緯は未来に続いていくことは、
必然的にあると思う。
深く知ることによって、わからなくなることもあると思う。
自分自身が深く考えることができなくなっている、
つまり、新しいことを始めることが難しいと感じることもある。
視点、今を未来に繋ぐための。
まず、必要で考えないといけないことだと思う。
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①覚えておきたい良い言葉
②掘り下げれば広い世界が広がってそうな新しい知識・単語
に出会うと付箋を貼る習慣がありますが、この本は読み終わった後付箋だらけになりました。
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この連載が始まるひと月前に「東日本大震災」が発生した。あれから4年。当時の気持ちが「揺れる」実感とともに鮮明に蘇る。
とにかく今は生きている。絶望ばかりしてはいられない。考え、動き続けなければと切実に思う。
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毎月最終週の木曜日に掲載される論壇時評を楽しみにしていました。そして、これって本になっていないのかなあと探して見たりもしていました。
今回のこの本が、初めての書籍化だったようです。
旬のテーマを扱う時評を、少し時間が経ってまとまった形で読むと、新聞で読んだ時ほど楽しめないかも、と実は心配していましたが、本当に全くいらぬ心配でした。
目を開かされる論評や引用が、次から次へと現れて、自分にとってとても貴重な一冊に思えます。これから時間をかけて、引用元に当たって行きたいと思います。(そんな楽しみも与えてくれる!)
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「反原発」「デモ肯定」が読み終えての印象。あと一人称が〝わたし〟〝ぼく〟〝おれ〟が使用されてて妙に違和感を感じた。無知なのでこの人が小説家と知らずに読んだが、この人の本は今後読むことはないと思う。
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/article/419515538.html
おだやかなユーモア、民主主義への揺るぎない信念。
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朝日新聞に月に1回掲載されてきた高橋源一郎の論壇時評を集めたもの、現在も連載中だが、まずは2011年4月から2015年3月までの4年分が新書の形で出版された。最近はうっかり連載日を忘れないかぎり読んでいるが、本書の前半に収められた文章はほとんど読んだ記憶が無い。実のところ高橋源一郎の小説は苦手な方なので、最初の内は、むしろ彼の書いたものだからと言うことで読んでいなかったのだろう。
どの文章にも共通するのは、視野の広さと、分からないものに対する謙虚さ、そして何らかのイズムに偏ることなく、人間としてのごく素朴な感情に基づいて社会を見通す目だ。大人の知性と子どもの純真さを兼ね備えた目と言ってもいいだろう。そんな高橋の視点に触れると、目の前の混沌に満ちた光景がすっとクリアになる。そう、現実はどうであれ、ものの考え方としては、こんな単純な思いを基点にするだけでいいのではないか。
しかしそのような文章を48編まとめて読んだとき、ある種の限界を感じたのも確かだ。確かに基本的な考え方はこれでいい。しかし、こんな馬鹿馬鹿しいほどまともな考え方が何故社会のスタンダードにならず、現実はそれと逆行するようなことばかりなのか… その解答や解決策は、本書を読んでもほとんど分からないからだ。たまに解答に当たるような部分があっても、どこか文学的な修辞に逃げている印象を受けた。
だが本書の幾つかの文章を読めば分かるとおり、傑出した才能が解答を出して凡夫を導くのではなく、圧倒的多数の凡夫が玉石混淆の意見を出し合いながら解答を見いだしていく、極めて不合理なプロセスこそが「民主主義」なのだ。自分自身で解答を見つけ出す労を厭い、面倒なことをリーダーに丸投げしようとする人々の精神構造こそ、現在の閉塞した社会を生み出した元凶だろう。その意味では、『ぼくらの民主主義なんだぜ』というタイトルの本に「解答がない」という不満を持つこと自体、自らを反面教師として、今の社会の問題点を見事に映し出しているとも言える。
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皇太子の移動のための交通規制で足止めを食った堀江貴文が「移動にヘリコプターを使えば」とツイートした。それに対して、皇室への敬愛が足りないと批判が殺到した。皇太子のことを何だと考えているのかという質問に、堀江は簡潔にこう答えた。
「人間」
この本の主張は全編に渡って、視野を広く持つこと、物事に対して考えることが大切だと主張している。
広い視野を持たなくてはいいけないのはなぜなのか。
「人々が攻撃的になるのは、視野を狭くしているからだ」
先日、「日本人には内ゲバがよく似合う」と感想をつけた本があったが、その言葉が自分のなかでひどくしっくりくる。
海外でよくある移民排斥、人種差別とか日本人にはそういうのが当てはまらない。
あくまで、日本人同士で罵倒しあう構図しか見えてこない。しかも、参加しているのは、たいてい普通の一般市民がだ。
あいつは自分たちよりもいい思いをしているはずだ。俺たちが手に入れるはずだったものを奪っている。ルサンチマンの負の力は大きい。
なぜそうなっているのか原因を考えることができない。他人の思考を考えることができないから他人に対してどこまでも非道になれる。
考えることは重要だ。しかし、この国では思考停止を強要される。
かくいう自分も本を読んでいる間、旅に出かけている間、日常を離れている間はいろいろ考える。
しかし、月曜日の朝になれば朝飯を食べて、スーツに着替えて、いつも通りに出勤する。ゆるやかに思考をシャットダウンしながら。
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おだやかなおじさんそのいち。
こうやって現実を語りながら、希望も語れる人の存在がどれほどありがたいか。
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夏目漱石は自身への戒めとして「真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし」という言葉を残したと聞いている。本書での高橋源一郎氏の実践は、まさにこの漱石の言葉を地で行くものではないだろうか。
そしてこの本と出会えたことを感謝するなら、僕たち自身が「未来」となれるように「考える」「語る」「行う」という動詞を大切にしていくことが求められるのではないだろうか。
そんな風に思った。