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GOGOモンスター みんなのレビュー

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コミック

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みんなのレビュー70件

みんなの評価4.5

評価内訳

70 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

GOGO松本大洋!!!

2002/04/03 13:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朱鷺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 漫画評論家たちがこぞって手放しで褒める世界的漫画家・松本大洋。今は松本大洋氏に影響された漫画家が数多く登場しているが、彼の絵は、今まで誰も見たことのないこれぞ「個性」というべく素晴らしいものを内に秘めていた。近頃では、個性と言うと、そのクオリティの高さよりも、その奇抜さが重視される傾向にある。勿論、松本大洋氏の発想にはエキセントリックさはあるものの、この漫画の完成度の高さは約2年と言う制作期間を納得するには十分である。刊行告知から約1年遅れて2000年に発行されたが、現在でも版を重ねているのがその証拠だ。

 松本大洋氏は漫画だけではなく、絵本のイラストなどにも携わっている。話題なのは氏のお母様・詩人の工藤直子氏とのコラボレーション『こどものころに見た空は』である。松本大洋氏の絵にはとても優しい諧謔と共に、子供の頃の気持ちを引き釣り出してくれる、魔法のようなパワーがある。

 「GOGOモンスター」は、主人公の少年・ユキの孤独と開放についての物語である。しかし実際は、この物語で扱われているテーマは一言では表現できない。だからこんなに長いのだ。読んでもらえばわかると思う。子供の心の中に広がる宇宙のような闇。それをここまで表現できるものなのか…と感嘆させられる。

 「孤独」がテーマである点、「自らを閉じ込める世界を構築する」表現が登場する点からいって、このストーリーは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に通じるところがあるように思う。『世界の…』との決定的な違いはラストにあるし、完全にシンクロするのではないが、確かに似ているとは思う。

 445ページと言うページ数や値段に異議を唱える人が少しいるが、この値段設定は、作品の完成度から見てむしろ低めだとすら思う。松本大洋氏はこの作品によってまた大きく前進した。

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紙の本

子供であることの儚さ

2021/12/28 16:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供はいずれ自分が大人になってしまう事、そうして大人になった自分が今の自分を忘れているだろう事を、不思議にあらかじめ知っている。自らの儚さに暮らすからこそ、自らの世界を作り上げ依存しようとする。
小学3年生である主人公の立花雪は知能の高いことも相まって、そうした自らの世界に強く依存せざるを得ない子供として描かれる。この漫画の最大のモチーフは花であり、立花雪も人間より花が好きだと言っていて、その名前にはわかりやすく「花」という字がこめられている。一方花の生育に欠かせないものとしての水もこの漫画における重要なモチーフだが、水が凍ってしまっている状態の「雪」もその名に同時に冠されていて、立花雪の抱える折り合いのつかなさが当の名前に隠されている。
雪が水=生育を拒否しているのはプールの授業で彼が足だけ浸からせたままで全身ごとは入らないという描写からもわかる。さらにそこを踏まえれば、別の生徒がプールで溺れ救急車で運ばれてしまうという出来事も、もがく子供という意味を伴ってあらわれてくる。
作中で言われる通り学校は雪の内面世界に重なる。夢の中で彼は校舎を囲む果てしない海(=水)と、その水平線の向こうに沈みゆく大輪のひまわりを見る。何度も描かれる校舎の上空を飛ぶ飛行機は、彼や子供が持つ外界への志向と、しかしそれが海の上を飛ぶというような夢見心地のものであることを示唆する。
同じように、雪のある種の将来像であるところのIQというあだ名が付けられた小学5年生の生徒は、いつもダンボールをかぶりながらラジオで政治ニュースや為替市場の放送に耳を傾ける。つまりIQも強力に自らの世界に閉じこもりつつ、その反射として現実を志向するがそれはやはりラジオの向こうの遠い外界でしかない。しかしIQの閉じこもろうとする世界は雪の世界と違って形骸化してもいる。雪は現実に内面を映し出すが、IQはダンボールという物理的な手段に頼らざるを得ない。立花雪は自らの世界を「目には見えないもの、耳では聞こえない音」と超感性的に言い表すが、IQの世界はその名の通り理性的に整備されてしまっている。IQは雪の抱える矛盾をいちいち理性的に説明するが、だからこそ自分はダンボールから出ることができない。
物語の終盤、雪はIQ(すぐにそれはIQに似た別の者だったと発覚するが)に連れられ内面世界の深淵へいよいよ上ってゆくが、そんな雪を救うのはなにか。実はこの漫画は主人公といえる人物がもう一人いて、それはマコトという生徒である。先のプールの授業で泳げずも着実に水中を歩こうとするマコトの様子や、上空の飛行機を見たときの視点の差などからも、二人はよく対比される。変わり者の雪は誰からも気味悪がられているが、しかしマコトは雪を遠巻きにしない。クラス中の人が全て花になってしまうという雪の妄想にあっても、マコトだけはマコトのまま描かれている。自分を実存として扱ってくれるマコトに対しては、雪は自分の内面を投影することができず、ある意味では対抗できない。
雪が学校の階段を無限に上ったとき、その屋上でマコトはハモニカを吹く。マコトにハモニカを教えたのは他ならぬ雪であった。雪はマコトに向き合うことにより自分に向き合ったのだろう。

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紙の本

GOGOモンスター

2003/12/15 23:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GOGH - この投稿者のレビュー一覧を見る

この話に分かりやすい【盛り上がり】は無いと言って良いと思う。小雨のように不安 空気感 安心感 焦燥感 淡々と物事が進んでいく。
途中で【IQ】という少年が客観的統計的現実的真実を言う。
なるほど。と一瞬納得いってしまうが、それ以上の何かがあった気がする。この話。

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紙の本

水滴が素敵。

2001/08/31 20:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなぶさ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 松本大洋の独特の世界観は、それでありながら共感性を伴っている。この作品の世界も、見たこともない奇妙な感じもありながら、誰もが持つような幼年期の郷愁がある。おそらく世代や、個人の経験によっては私よりずっと共感する人間もいるだろう。
 また、小学校という『場』が、怪談が発生しやすいことでもわかるように、幼年期の可塑性の高い世界認識力と重なって独特の空間を表現しやすいのも確かだ。
 突き抜けるような透明感は、遠くも感じ近くも感じ、そして楽しくも恐ろしくもある。

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紙の本

松本大洋の最新刊がない書店なんて…。

2001/02/06 13:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まーしゃ@B◎◎KRACK - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今ドキの小学校に通う、立花雪くんの1年間が描かれています。3年生になったユキのクラスにマコトが転校してきたところから、物語ははじまります。「あっち」の世界がみえるユキ。そんなユキに興味をもつマコト。ユキをやさしく見守る用務員のおじさんガンツ。ウサギ小屋に閉じこもって、段ボール箱をかぶり、自分の世界を頑なに守る上級生IQ。

 目に見えないものの存在をクラスのほかの鈍い連中と同様に、だんだん感じられなくなってきていることに、焦っているユキ。そんなユキの1年間の物語です。イマドキの子ども、というより、子どもって今も昔もこうだったよなぁと思います。

 閉鎖と開放。大人になる段階で、誰もが一度はぶちあたる壁のユキの、IQの崩し方はこうだよ、という話です。チカラを外に向かわせて解放させる、という表現は多いですが、松本大洋はそんなカンタンな方法をとらないのでスキです。

 「おもしろ〜い」という類のまんがではないですが、「まんがってすごい表現方法だなあ」としみじみ思わせてくれます。

 表紙の絵のイメージはエッツの『もりのなか』だそうです。『もりのなか』も松本大洋にかかるとこんなかんじなのね。

 出版当初、わたしはちょうど東京出張のときで、東京のあちこちの大型書店でどかどか平積みされているのをみました。荷物になるので、自宅(北海道)にもどってから買おうと思っていたら…、近所の書店にはない! あちこち行きましたが、市内の書店ではとうとう見ませんでした(ちなみに現在でも店頭ではみかけません)。しかたないので、bk1で購入。ネットがあってよかったあ! と思った一瞬です。

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紙の本

SF

2023/10/05 05:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人気のある漫画化だが癖のあることでもあり好き嫌いはあるようだ。ナンセンスともいえるのではないかと思われるがそれなりの意義を見出すことも出来るようである。

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紙の本

2月4日今日のおすすめ

2001/04/02 18:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

少年の孤独な焦りと深層の心象風景を具象化するが発揮されたマンガ

 最後まできっちりと構想された物語——。物語性の高い作家は、週刊連載を基本とする日本の少年・青年マンガの出版システムに向かない。具体例を挙げれば、諸星大二郎・望月峯太郎(ともに手塚治虫文化賞受賞者)だ。通常「描き下ろし単行本」は、執筆中無収入であるなど作家にとってリスクが大き過ぎることもあって、フランス・ベルギーのBD(ベーデーもしくはベデ。オールカラー、描き下ろしが基本の出版パターン)のようには、日本では成立していない。

 松永豊和『バクネヤング』が256ページの描き下ろしを加えて極厚本ので2000年10月25日刊行。同日、同じ小学館から松本大洋の描き下ろし単行本『GOGOモンスター』が出た。スポ根要素の入った前作『ピンポン』から3年。刊行予告から1年強の遅れ。だが脱稿から刊行まではひと月半という素早さである。読者はもちろん、出版社も待ちきれなかったというところだろう。児童書を意識した装丁。手に取れば驚く、函つきハードカバーの造本(デザインは祖父江慎)。が、中身もBDのようにオールカラー、というわけにはゆかない。450ページもあるからだ。

 新学期、小学校3年生のボク・立花雪(ユキ)。彼は、「あちらの世界」を感じ取ることができる。その(平たく言うと、おばけ・怪物の)世界の、人間に悪意を持つ勢力が学校に及んでくるのを察知したユキは、孤独な焦燥を募らせてゆく…。

 ストーリー紹介はここまでにとどめよう。本作はマリー・ホール・エッツの傑作『もりのなか』『もりのなか』(福音館書店)に影響を受けたという(「spoon」創刊号/プレビジョン発行)。この絵本はコンテで描かれた白黒作品。「ぼく」が森へ散歩にゆくと、(ページを繰るたびに)動物たちが集まってきて、楽しい時を過ごす。終盤、森へ主人公を探しに来た父親に、動物たちの姿は見えない。が、息子が何を見たのかを父はわかっており、「ぼく」にある事を語りかける…という、実に感動的な作品だ。『GOGO…』が如何に『もりのなか』を消化したかが窺われるので、ぜひ比べて読んで欲しい。

 さて、『GOGOモンスター』なのだが——、描き下ろしゆえの「制約の無さ」について少し触れたい。週刊連載をまとめたものではないから物語は18ページごとに盛り上がったりしないし、主人公の主観と客観描写が入り交じる語り口のために冒頭50ページは何が起こっているのか(あるいはいないのか)も不明だ。絵も、前作に比べてさらに緻密になっている(特に線の重ね方)。スクリーントーンの中間色をほぼ排除し、黒と白で世界を浮き出させてゆくような描線と画面処理。BDのようなオールカラーではかえって難しかったと思われる、少年の孤独な焦りと深層の心象風景を具象化する超絶的な技巧が発揮されている。

 プライベートな匂いのする黒白映画、という印象を持つもしれない。実際、絵本作家を母に持つ松本の、少年時代の投影も多いはずだ。本作と『もりのなか』の二書を喩えるなら「記憶の森」。モノクロゆえに豊かな色彩を想像できる、そこを尋ねれば少年少女の日にこそ見えた何者かが潜んでいるような……。読むものは自身の「記憶の森」を散歩することにもなるだろう。

 ところで、先の絵本には続編がある。タイトルは『またもりへ』。松本作品は、そして日本の描き下ろし出版は、どのように続いてゆくだろうか。(bk1マンガ担当:斎藤宣彦)

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2004/09/29 03:54

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2004/09/30 10:57

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2004/10/21 08:18

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2004/10/24 13:04

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2004/12/11 04:49

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2005/01/07 02:42

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2005/03/20 01:36

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2005/04/23 17:56

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