紙の本
ふしぎで繊細な世界
2001/09/05 18:51
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投稿者:smile - この投稿者のレビュー一覧を見る
シーナのおばあちゃんは、有名な精霊祓い。シーナもまた祖母の血をつぎ、ヒトには見えないものが見える体質に育った。おまけにおっちょこちょいな妖精が、生まれたばかりのシーナを女の子と間違え、「この子に全てのオトコの妖精が惚れてしまいますように!」ととんでもない魔法をかけてしまう。その魔法どおり、出会う精霊達すべて(ただしオトコのみ)に惚れられてしまう事になってしまったシーナは…。
読みきり形式で、シーナとその周りにおこる不思議な現象をつづる藤さんの代表作。繊細でやさしい世界にひたれる、オススメの一冊です。
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シーナシリーズは全5巻です。中でも2巻の海の国編の、ダダーの台詞「女の子を好きになるんだよ!それでね子供が出来たら・・連れてきてよね・・!」が、本当に優しくて大好きです。
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イギリスの田舎に住む精霊祓いの少年シーナは、幼い頃妖精の魔法で何故か男の精霊にばかり惚れられてしまう運命に。
古い漫画ですが、今でも好きなシリーズの一巻です。
BLなんだけど、そういうのを気にせず読めるかなと。
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我が心の名作BLは数あれど、これは本当に掛け値なしの名作。だと私的に信じて疑わない。BL要素は非常に薄口(※せいぜいキスまで)だけど、萌えだのなんだのいう煩悩を遥かに超越して深く心に沁み入る何かがある、そんな珠玉のシリーズ連作。イギリスののどかな片田舎で精霊に関するよろず相談事を請け負いながら、穏やかだけれどちょっと風変わりで騒々しい日々を過ごすフェアリードクターの少年・シーナと、無垢で純粋な彼と心を通わせる精霊達とのハートウォーミング・ストーリー。
BL的な設定としておもしろいのは、産まれて間もないシーナを女の子とカン違いしたおっちょこちょいフェアリの祝福のせいで彼がこの世のすべての男の精霊に好かれてしまう体質になってしまった、ということ。で、ついた異名が『(妖精の)男落としのシーナ』。シーナ自身は極めて健全なフツーの少年なので当人にしてみればはなはだ不本意ながらも、近隣住民から持ち込まれるさまざまな精霊絡みのトラブル解決のためにやむを得ずその特異体質を活かし、毎度しぶしぶ男の精霊をタラシまくって?いるシーナの愛され総受けっぷりがほほ笑ましくもいとおしい。各話のメインとなる個性豊かな精霊達はもちろん、シリーズを通して登場するシーナの家族や友人達など、この作品に出てくるすべてのキャラがとても魅力的で、彼らがつむぐ少しだけ不可思議な日常の物語にはいつも春の日だまりのようなあたたかい愛が満ちあふれてます。藤さんらしい、優しく詩的な美しいモノローグがまた秀逸で何度読み返しても胸に響く。昔も今もこれから先も、ずっと変わらず大好きな思い入れ深いシリーズ。
この1巻に収録されているタイトルの中では、ちょっとおっちょこちょいだけど働き者のおうち妖精・ブラウニーのアンバーの話『君を包むリボンの色』がかわいらしくてお気に入り。そしてアンバーに負けないくらい、いつまでも純真な少女の心を持ったレイリィママがかわいいです。