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藤沢武夫の自伝といえる本を図書館から借りてきました。1973年に引退しそのあとに書かれた本です。ISBNコードもついていない古い本です。
松明(たいまつ)は自分の手でとは藤沢武夫の根本に近い考え方であり。また、ホンダの企業としてのモットーを表したものです。
「ホンダは、松明を自分の手でかかげてゆく企業である。日本の自動車企業には前を行くものの明かり、その明るいところにくっついてゆく生き方をするものが多い。たとえ、小さな松明であろうと、自分で作って自分たちで持って、みんなの方角とちがったところが何ヶ所かありながら進んでゆく。これがホンダである」
「大きな松明をもったトヨタなり日産なりがある。その松明が照らすところのものは、先頭の人にとってはいいけれど、後続の人にとってはいいか悪いか、うしろにいてはわからない。いつ火が消されるのか、いつ目の前で扉が閉まるかについて判断ができない」
どんなに小さくて頼りない明かりでも、自分で明かりを持って先頭にいなければ見えないものを見つけることができない、大きなものの影にいては、大きなものが倒れたときに自分も転んでしまうということでしょう。
彼はまた、
「本業以外に手を出すな」
「桑の根っこを引き抜くな」
といっています。(後者の意味は、オートバイが在庫過多で生産調整をしなくてはいけなくなったときに、昭和30年代前半に絹糸が在庫過多で不況になり、蚕糸農家が他の作物に転換するために桑の根っこを抜いたところ、数年後に絹糸の不足で好況になり、またやりだそうと思ってもできなくなっていたことを戒める例えとして使った)
これらは、現在に対する警告を35年前からしていたような気がします。他人の顔色や様子を伺いながら専門外の分野にも手を染めて、行き当たりばったりの経営をしている会社や、社会は必ず行き詰ることをきちんと予言しているかのようです。
そのほか経営に関することをいろいろと学ぶことができました。「企業はアートである」とも言った彼の生き方をみて、ますますこの人が好きになりました。
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本書は1974年の産業能率短期大学出版部『松明は自分の手で』を一部改訂したもの。
・「中央公論」経営問題特集1973年冬季号1974年春季号に連載されたものを主として加筆・訂正したもの
・社内向けと思われる原稿数篇
からなる。
後者が4分の1ほどの文量を占める。
文春文庫にも出ている『経営に終わりはない』
と被る内容も多い。こちらは1986年に出されたもの。
自伝としては『経営に終わりはない』が充実しているが、もっと情報が欲しいという場合はこちらも併せて読むといいだろう。
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「自動車企業の中には、前を行くものの灯りを頼りに、ついてゆく行き方をする会社もある。しかし、たとえ小さい松明であろうと、ホンダは自分でつくった松明を自分の手で掲げて、前の人たちには関係なく好きな道を選んで歩いて行く企業とする」
桑の根を引っこ抜かないように。
過渡的なブームにのっかることは簡単。ただ楽だからというだけで手を出したら、何のための人生か。いまの事業がどうしてもだめというなら、はっきりすべき、片手間にやるなら、やらないのと同じ。「われわれは、やたらにだれかがいったからといって、自分の心の底から納得しなければ、桑の根っこは抜くべきではない」
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ホンダの立役者、藤沢武夫氏の半生。
町工場だったホンダを世界企業に育てた手腕。
最高の引退劇と称された現役引退まで。
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本田の創業が、この人なくしてあり得ないことが良くわかる。
決断に必要なこと、
思いを持続させるのに必要なこと、
先を見抜くのに必要なこと、
それらが随所に散りばめられている良書
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ホンダの経営についてはあまり詳しいことは書かれていない。
Howを知りたい人には向かない。
短い言葉で淡々と語られるホンダ成長の過程における困難と喜びの物語。そして本田宗一郎との絶対的な信頼関係がなんとも嬉しそうに語られている。
次から次へと訪れる危機を、二人が信頼関係のもとにほとんど干渉せずに乗り越えていく経営。
お互いにベストを尽くすことが1+1を2にも3にもしていくという不思議な関係。
こんな経営パートナーを見つけたいと誰もがうらやむ二人だったようだ。
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本田の経営層の話。
トップが信念を持っていたからこそ、ホンダの躍進がある。
技術者にしかない発想、販売戦略と商品開発、結果は自然とついて来る。
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卒論でナンバー2観点で組織論を書いたときに、藤沢さんを入れなかった事を思い出した。
藤沢さんはナンバー2では無い、と僕は思うのです。
そして読んで、やはりそう思いました。
理由はもやもやしていて明確ではありません。
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藤沢さんの語り口調の形で記述されているため、若干読みづらい部分はありますが、藤沢さんの人柄や雰囲気からホンダの経営を感じ取ることができる作品です。
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[ 内容 ]
町工場から「世界のホンダ」へ本田宗一郎とともにホンダを育てた男の経営道。
[ 目次 ]
第1章 本田宗一郎との出会い(事業を興すときは;本田宗一郎との出会い;古ぼけた製図台;五万五千軒の自転車屋;救世主“カブ”の出現;資本金六千万、設備投資十五億;先端企業を襲う苦境;銀行とつき合う法;バルトークの音楽のように;会社というよりはむしろ道場;給与体系を教わる;労働組合の結成;一生に一度の団体交渉;企業はアートである;技術のフロンティア;生産管理のおくれ;ファイリング・システムをつくる;営業の贅肉をとる;国内市場を征覇する)
第2章 スーパーカブ誕生そして世界へ(いよいよ輸出へ;アメリカへ進出;スーパーカブ誕生のいきさつ;一転、生産調整へ;アメリカ・ホンダの危機;私の教育法;スパイ事件;エキスパート制度に十五年;進歩は仕事の中から;研究所の独立;SF―サービス工場;集団思考型の“重役室”;四輪のスタート;欠陥車問題の直撃;ホンダの安全思想;スピードを捨てよう;私は幸運だった)
第3章 学んだこと、思うこと(桑の根っこを抜かないように;強くたくましく考えよう;世界をリードする仕組みを;ホンダ二十五周年に想う;学んだこと、思うこと)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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言っていることは、ひとつひとつすごいのだが、体系的な本ではないので、読みづらい。
本田さんの「私の履歴書」みたいなものがあると良かったな。
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率直に思ったことは、藤沢武夫なしには本田宗一郎もなかったであろうということ。
本田ー藤沢時代と現在ではビジネス環境が変化しているため、藤沢の考え方がすべて通用する、というわけではない。
しかし、現在だからこそ、耳を傾け実践してみるべきものもある。
「やたらに桑の根っこをひっこ抜いたらだめだ」という言葉は、今こそ必要なことだろう。
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HONDA創業期からの話。
あの頃はみんな元気で仕事人間ばかりの時代。
今とのギャップを楽しみながらも
職人気質は今と変わらないのかな。