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みんなのレビュー278件

みんなの評価4.2

評価内訳

264 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」タイトルほど堅い内容じゃない、何故か泣ける

2010/05/09 09:35

23人中、22人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本はTV番組「週間ブックレビュー」で紹介されていて、
興味を持ちネットで注文し、地下鉄の移動で読んだ。



「もう戦争しかない」
何故当時の日本人が、
そしてその最高の決定機関の頭脳達が
そんな結論を出したのか。


まずはタイトルに惹かれた、
それから学者である著者が高校生への5日間の講義として
語った内容をまとめたものと知り、
その位の内容なら大丈夫かなと。

大丈夫は大丈夫だった、
特に難解な部分は無かったし、読みにくい部分も少なく、
こういった教養本特有の「分かる人だけ読めば」的なものじゃなく、
伝えようとする熱意さえ感じられる内容だった、
手書きの地図や折々の登場人物の手紙や
実際に語った言葉などは
その時の空気感までが伝わる気がした。

実際にこの講義を受けたかったな、
そうすれば感じ方ももっと違っただろう。

この本を読んでいて、何度もおかしな感情に出会った、
それは当時の東大を出て留学経験まであるような
最高の頭脳を持った人たちが
ある決定をする時、当然自信を持って
良き未来を願っていただろうが、
その決定がのちの日本の敗戦につながることを
自分は歴史の事実として知っているから
堅い文章を読みながら
泣けてくるんだ、これが。


自分でも何泣いてるんだってところだけど、
他国を蹂躙し、ただ自国の繁栄だけを
彼らが望んでいたわけじゃない、
その当時の各国の動きと、国内の要請等々、
様々な事柄がついに「開戦」という言葉を導いたとき、
歴史ってものについて
改めて大切な勉強であり、知識だと痛感した。

もう今は大人なので何年に何が起こったと
暗記する必要はない、
でも近代の大きな流れを知らないのは
やはり間違っていると。


こういう事実に基づいてそれを知ることから
さらにその事実をどう考えるか
中学や高校のいつかの時期に皆で議論したかったな、
大人になるとそんなことを真面目に誰かと
自分の考えを言い合うなんてないからね。


終戦の前から1年あまりで、開戦からの
戦死者の9割が亡くなったと知り、
もっと決断が早ければと感じた、
自分たちが今、選んでいる
この国の政治を動かしている人達はそ
の選択をちゃんとしてくれるだろうか、
もう戦争はないだろう、
でも現実問題として政治の力で救える命もあることも知っている。

こういう本の存在を知ることが出来て良かった。

http://yaplog.jp/sora2001/

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紙の本

ひとつひとつは妥当でも、つなげると不適当

2010/02/01 19:31

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 2007年末から翌年に、中高校の歴史研究部員向けに実施された集中講義の講義録。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変・日中戦争、第二次世界大戦と、明治維新以降になぜ戦争が立て続けに起きたのかという問いに対して、日本の安全保障政策、他国の情勢、日本の国内事情を関連付けて説明している。高校生を対象とした講義なのだけれど、受講する高校生の知識レベルも高いので、内容的にはかなり専門的だと思う。さらに口語調なので、個人的には文章の論理性が理解しにくい部分もあった。

 当時の日本の安全保障上無視し得ない国は、ロシアと清だったらしい。特に、シベリア鉄道を敷き、不凍港を獲得すべく南下圧力を強めるロシアは脅威だった。もしロシアが朝鮮半島を勢力下におけば、日本の死命は制されてしまう。シュタインの指南を受けた山形有朋は、朝鮮半島を日本の影響下におくことを目指して策動する。そのためには、過去の経緯から周辺国と朝貢関係にあった清の影響力をも減らさなければならない。このような論理によって、日本は清との戦争に突入した。
 日清戦争は、日本の国内政治にも意外な影響をもたらす。三国干渉の結果、遼東半島を清に返還することになった政府を弱腰と見た世論は、自由民権運動を活発化させ、国政の行方が選挙により定まる方向へと向かうことになる。

 日清戦争で朝鮮半島に足がかりを作り、ロシアに対する防壁を構築することに成功したかに見えた日本だったが、清がロシアに近づく結果を招き、ロシアは満州を勢力下において、朝鮮半島にも手を伸ばしてくることになる。ロシアの強硬姿勢もあり、外交による解決が望めなくなった日本は、満州の巨大な市場を列強諸国に開放するという名目で列強諸国を味方につけ、朝鮮半島支配による日本の安定化を目指してロシアとの戦争に突入する。
 日露戦争に勝利することはできたものの、賠償金を取ることもできない政府に世論は憤る。当時の有権者は直接税15円以上を納める男子に限られていたが、戦費負担の増大により納税負担が増えた結果、有権者の多様化を引き起こし、これは国政の行方にも影響を与えていくことになる。

 このような議論が3章以降も展開されることになる。日本の安全保障という基本的な政策を実現しようとして、最善と思われる手を打っていったにも拘らず、それが次の戦争にもつながり、さらに内政にも有権者の多様化という形で影響を与えていくという、これまで自分がはっきりと自覚していなかった歴史のつながりが明らかになり、面白かった。

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紙の本

このぐらい贅沢に時間を使った授業を受けたかった。

2009/12/28 16:50

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 新しく発見・公開された資料からの知見も入れ、高校生向けの特別講義といいながらも、とても濃い内容である。昔高校で受けた授業では、日本史は近代史の途中までで終わってしまったので、改めて高校時代に戻ったような気持ちで読んだが、かなり高度であった。
 あのころは戦場経験のある教師もいて、ある思いいれから軍服、ゲートルをやめなかった教師がいたことを思い出した。第二次大戦などについては、きっと教える側にも「こう考えたい」「触れたくない」などの気持ちも生々しくてあまり冷静、客観的な教育はできなかった頃でもあっただろうと思い起こす。やっとそれができる世代になってきた、というところでもあろう。

 質問形式で考えさせる講義は、こちらも自分で考えることを促されるのでなかなか良い。しかし、落とし穴もある気がした。短い講義時間なので、講義するものの意図する答えに導くために、なんとなく誘導尋問的になってしまうことである。「はい、それが答えです。」などという言葉に収束してしまう部分を読んでいると考えてしまう。「試験になれた生徒は、自分で考えるというより、こういう答えを要求しているな」と忖度するようになっていくだけなのでは、と。
 歴史は、この講義でも語られているように「どうとらえるか」がはっきりと表にでる学問である。現在の資料や知見に基づいた、著者なりの、現時点での答えである、ということは強調しすぎてもしすぎることはないのではないだろうか。著者の考えを拝聴しながら、自分なりの歴史観、未来への視点を形成できる力をつける、という方向がもう少し感じられたらよかった、と思う。
 それでも、ここまで考えながら読ませてくれるというのは、大変「啓発的」な本であることのあらわれであろう。手段としてはよい形式であったと評価しておきたい。

 以上の様な意味合いで、「歴史の考え方」への著者の考えを述べた序章が私には一番興味深かった。著者は「序章は飛ばして本章の近代史を読んでもよい」と言うが、具体的な近代史の「著者の解釈」を読む前には、やっぱりここは飛ばさない方が良いと思う。

 大学の先端研究者が、高校生へ講義をする。これはどこかであったような、と思ったら『単純な脳、複雑な「私」』。同じ出版社の編纂であった。
 これほど充実した内容で充分時間をかけて講義してもらえれば、理科でも社会でも、どんな課目でもきっとなにかしら興味を持てるものが見いだせるのかもしれない。この企画、他の分野でもぜひお願いしたいものである。
 この本のもとになった特別講義も、クリスマスから翌年にかけてのこと。今年もどこかでこのような講義が行われ、しっかりと受け止める高校生がいることを期待したい。

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紙の本

表紙には「高校生に語る」とあるが、内容はかなり高度

2009/11/27 20:46

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 東大大学院教授で日本近現代史を研究する著書が、神奈川県の中高一貫私立校の生徒を相手に5日間行った講義の内容をまとめたものです。

 序章の「日本近現代史を考える」は大変興味深く読みました。
 戦争とは相手国の憲法を書きかえるものであるというルソーの考えは、言われてみれば頷くところの多いものです。
 また過去の記憶である歴史(ソ連に接近した中国が共産化することを許した)を誤用することによってベトナムという新たな戦地に深入りしていったアメリカという解釈も、歴史を学ぶことの面白さと危うさが背中合わせである様子を見る思いがしました。

 序章に続いて著者は、日清・日露の明治期の戦争、第一次世界大戦、満洲事変と日中戦争、そして太平洋戦争と、各時代の日本政府がどのように戦争への参加を決定していったかについて大変詳細に語っていきます。
 その内容はかなり高度なもので、高校生はまだしも、中学生にはなかなか理解が進まないのではないかと心配になるほどです。
 しかし講義を聞く生徒たちからは、これまたかなり高度な内容の質問が発せられ、この生徒たちの学力の高さが伝わってきます。
 本書によって広く日本の中高生が、いかに戦争が選択されていったかについて等しく理解を深めることができるというわけではなさそうに思います。

 私自身、本書を読了しても「なぜ」日本人が戦争に突き進んでいったのかその理由について了解できたとまでは言えません。
 著者自身がいみじくも終盤で記すように、日本人には先の大戦に対して加害者意識よりも被害者意識が強く残っていて、そんな日本の読者にとって本書は、戦争に積極的にコミットしていったのは、やはり「日本人」というよりは「おかみ」であったという意識を強化するだけではないかという気がします。

 ですからタイトルは「それでも、日本は『戦争』を選んだ」というほうが似つかわしいような印象が残りました。

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紙の本

若者とともに考える近代日本史

2023/03/17 22:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

第一線の歴史学者による、
日清戦争か太平洋戦争までの
近代日本近現代史の概論、
とだけ言ってしまうと、
この本の説明としてヮ、
ちょいと舌足らずでしょう。

この本のキモヮ、著者が、
中高生を、単なる聞き手でヮなく、
共に歴史の流れを考える相手にして、
問答を繰り返しながら
話を進めていくところです。

時折挟み込まれる、
とぼけた感じの挿絵が
いい味を出しています。

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2009/10/09 22:00

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2009/10/14 08:44

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2009/10/30 00:52

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2009/10/30 19:36

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2020/05/17 11:01

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2010/02/07 23:22

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2010/06/06 07:56

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2009/12/18 23:44

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