旧約聖書の誕生 みんなのレビュー

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投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、旧約聖書の各文書が成立した時代とそれらの背景にある思想的課題を読み解いた画期的な一冊です。旧約聖書というのは、誰もがご存じのように、ユダヤ教及びキリスト教の正典ですが、その内容は多くの矛盾があり、なかなか理解するのが難しい内容です。そこで同書は、この旧約聖書の内容、すなわち、「創世紀」、「出エジプト記」、「ヨブ記」、「雅歌」といった記述をその歴史的状況の中に置き直して、その成立過程や背景を解き明かした興味深い書なのです。同書の内容構成は、「第1章 聖書の基礎」、「第2章 出エジプト」、「第3章 イスラエル統一王国」、「第4章 北王国」、「第5章 南王国」、「第6章 バビロン捕囚」、「第7章 ペルシア帝国期のイスラエル」、「第8章 ギリシア・ローマ期のイスラエル」、「第9章 詩篇」となっており、旧約聖書を理解するための格好の入門書です！

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投稿者：福原京だるま　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ユダヤ教が王国が滅亡後も信仰が失われなかったことについてイスラエル王国が南北に分裂し北王国が先に滅亡したことで南王国の方で北が滅亡したのは神が力がないのではなくその振る舞いで神に見放されたからだという考えが生じる時間があったからだという仮説が興味深かった。また聖書がある時点で固定化されその後編纂や追加がなされなくなった理由にペルシャ支配時代にペルシャ皇帝に律法を提出したため帝国権威の元で変更できなくなったという仮説も面白かった。