紙の本
発達期の子どもの、概念を言語に結び付けていくメカニズムを解説した画期的な書です!
2020/04/12 12:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、発達期にある子どもが目でみたり、耳できいたりした様々な概念を瞬時に言葉と結び付けていくメカニズムを徹底的に検証し、解明した書で、その仕組みを応用して、外国語の効果的な学習法なども提案してくれる画期的な一冊です。同書の内容は、「単語の切り出し―ことばの学習のために子どもが最初にすること」、「モノの名前の学習」、「基礎レベルのカテゴリー名以外の名詞の学習」、「動詞の学習」、「属性をあらわす語(形容詞)の学習」、「助数詞の学習」、「擬態語の学習」、「言語構造の違いは語彙獲得にどう影響するのか」、「子どもによる語彙の構築―即時マッピングとその後の意味の再編成」、「外国語における語彙の学習」となっており、非常に興味深く読み進められます。
紙の本
言葉を学ぶということ
2016/07/09 21:40
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投稿者:こけさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
を、科学的に理解するという本です。言語学習を理解するということは、自分の頭を理解するということでもある!文化を超えた、人間の共通性に胸が打たれる!
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研究者にはおすすめ
2022/05/14 22:11
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり高度の専門書なので、1ページ読むのにも時間がかかります。朝の読書で読んでいたら、10分、週2回、で2年で半分強。専門家やその卵の方にとっては、参考文献となり得るのでしょう。
今井むつみ氏の他の新書とは毛色の違う1冊です。
電子書籍
参考になりました
2021/02/25 18:14
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投稿者:だいふく - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本にしては高く購入には躊躇した。子供のための学習法であった。それを大人にどう当てはめるか、ヒントが記載されていた。しかし私にとっては一般論すぎて参考になる部分が少なかった。
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言語 SF の匂いがそこはかとなくするけれど、立派な研究書。
目から鱗の考察や、それを裏付ける実験結果満載です。
新生児、乳幼児を対象にした実験なんかは、微妙にマッドサイエンティストの雰囲気で、ちょっと面白かったですね。
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認知心理学の本である。入門書というわけでもなく、そこそこに専門的で、とっつきにくい。
しかしテーマが実に興味深い。子どもたちは、どのようにして「言語」を獲得していくのか。この疑問は、言語学はもちろん、哲学にとっても非常に重要なものである。
この本の著者たちは当然、ソシュール以来の言語学の成果をも踏まえており、その上で、子どもたちを使ったゲームのような心理学実験のデータを積みかさね、考察していく。
赤ん坊を使った実験に関しては、赤ん坊がふり向いたかとか、凝視したかとか、そういう外見の観察でしか科学的データは得られないから、結局は実験者側の推測が多くなってしまうのはやむをえない。この辺は、もう少し脳科学と認知心理学が互いにより発達して、情報や技術を共有できるようになったら、もっと多くのことがわかってくるだろう。
意外だったのは、ほぼ普遍的な現象として、動詞の学習より名詞の学習の方がずっと容易であるらしいという点だ。そして名詞の学習に関しては、著者たちは「カテゴリー化」という点を強調している。この「カテゴリー」という語の使い方が正しいかどうか、私には若干疑問がのこった。もちろん、言葉を覚えはじめの幼児にとって「カテゴリー」に関する知はないはずであり、実際は、「赤いもの」と聞かされたときには単に漠然とした「イメージ」をもつのだろうと思う。この「イメージ」は現実の個物のゲシュタルトである場合もあるし、それと同時に「カテゴリー」を意味する場合もあるだろう。つまり「イメージ」なるものの多義性、可塑性が、言語を含めた人間のパターン認識の鍵を握っているのではないだろうか。ただ、この「イメージ」なるもののあまりにも漠然とした表象が、学問的に正確に定義しきることが難しいのだ。
これは興味深い本だったが、言語をめぐる認知心理学だけでも、本当はもっとたくさんの楽しい書物があるのだろう。それらの専門書はなかなか文庫化されないし、田舎町の図書館にはほとんど置かれていないので、なかなか読む機会がないのだが。
こういう本を、筑摩さんはこれからもどんどん文庫化してほしい。儲からないだろうけれど。
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赤ちゃんが言葉を覚えるとき、効率よく学習するため、生まれ持ったバイアスを適用して、語が表すことの可能性を絞る。単語の種類によってかけるバイアスが異なる。
名詞の場合、同じような形をしたものは同じ名前を汎用して適用する。
しかしこれだと粘土などの物質名の学習が妨げられるので、柔らかそうなものには形バイアスは使わないなど、うまく適用している。
初めてあれはコップだと聞いた時に、コップのことなのか、ガラス製のもののことなのか、そのものの固有名詞なのかは区別できないが、うまくバイアスを使って驚くほど正確に一度で覚えられる。
動詞の場合、AがBを持つ等、関係する後の数が多いので安易には汎用せず、多くのパターンを覚えてそこから共通の部分を抜き出して学習する。
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娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。
具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。
名詞の基礎カテゴリーを即時マッピングしていくという能力にすごい!と感心したり、一方で、動詞や形容詞の意味をいろいろなヒントを得ながら学習していくのにもすごい!と感心したり。
自分もどのように日本語を学習してきたのかもちろん覚えていませんし、今まさに学習している子どもたち自身もその仕組みはもちろん分からないわけで、それを明らかにしようとさまざまな実験を考えて実施・考察している言語学者の方はすごいなぁと思いました。これからさらに解明が進んでいくのが楽しみです。
外国語学習にとっても示唆に富んだ内容があり参考になりました。「同じ意味領域に属する単語を一度に学習し、母語との違いを学習者が考えること」で学んでいるその外国語の意味領域の全体像をつかめる、と。
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読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間は生得的に持っているという学説もあるが、この研究で分かるのは、人間は、発話された言葉の切れ目を把握して単語を切り出し、まずは名詞と想定して知っているカテゴリーに当てはめ、使っていく内に修正して、語と語の関係や上位のカテゴリーや下位のカテゴリーなどを埋めていき、大きな語彙のネットワークを作っていくようだ。名詞と違って動作の関係を表す動詞を覚えるのは難しく、また形容詞も覚えるのが名詞の後になってしまようだ。英語のように語順が重要で文法的規則で動詞を判定しやすい言語と、主語や目的語が省略される日本語や、動詞の語形変化が無い中国語などでは、覚えて適切に使える時期が遅くなるようだ。
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興味が湧いてチラチラ読んでいたけど途中で忙しくなったのと,この本が結論ファーストでなくて読みづらくて読み進まず,同じ著者の「ことばと思考」と内容に重複もあったので,途中で読む気が失せてしまった。。。
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◆慶應義塾大学 環境情報学部 今井むつみ研究室: https://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/
◆慶應義塾大学今井むつみ研究室Twitter:
https://twitter.com/keiosfcimailab
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辞書に表されるような言葉の点としての意味ではなく、それがカバーする意味領域を面として捉えるのが外国語を理解するコツ。ただし、母国語のバイアスがかかるのでとても難しい。異なる言語で文字面は同じでも意味領域は同じではない。例えばwearは着るだけど着る動作までは含んでいない。そういった違いはたくさんの経験からの帰納的推論で得るしかなく、文法や規則だけでは不可能。ということを踏まえて学ぶと英語も上達(あるいはわりきり)するかなあ...
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「言葉」「言語」というと、「文系」というイメージがありませんか?この本を読むとそのイメージが変わるかもしれません。
本書は主に、こどもが母語をおぼえる・理解していく仕組みを、多くの実験を通じて調査していくものです。
とくに乳幼児に対しては「なぜそのように理解したのか」ということを直接インタビューすることができないということもあり、さまざまな可能性を想定して実験を行って、「どうやらこのような方法で理解しているらしい」ということを推定していきます。
仮説を立てた上で、条件を設定して複数の実験を行い、その仕組みを推定する・・・・どうです?しっかりと「科学」では無いでしょうか?
「母語」という当たり前のものが、どのように習得されていっているのか。その仕組みを探る本書は読んでいてとてもわくわくするものです。
ぜひ手に取ってみてくださいね。
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現在私たちは当たり前のように言葉を使いコミュニケーションを取るが、もともと言葉についての知識があった訳ではなく1から覚えていく必要があった。
単語と意味を結びつけながら言葉を知っていくようにも思えるが、一つ一つの物に言葉がついているという仕組みすら知らない状態である子供が何故言葉を使えるようになっていくのかということを詳しく解説している本
人間の脳の発達度合いや他の哺乳類の脳との違いなど面白く知ることが出来る本。
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引用している実験がどれも疑問符のつくものばかりで、さらに文章は専門用語、それも飛び切り覚え難いものだらけなのに加え、接続詞を多用するため、暗号の解読でもしているかのような錯覚を覚える。筆者曰くは心理学からのアプローチらしいが、うんんん、心理学ねぇ……
仮令難しくても、理解した先に膝を打つような発見なり気づきがあればまだしも、理解したところで「まぁ、それはそうやろな…」と、読んでいるこちらが気まづくなるような結論ばかり。
しかもその結論に至るまでが非常に長い。これが結論かなと思うと「しかし…」「だが…」「そうはいうものの…」ひっくり返してそれもまたひっくり返されて、いつになったら終わりが見えるのか、モヤモヤイライラばかりが募る、精神衛生上よくない書き方が続く。
外国語と非母語は概念上ちがうと、言語学的にはよくいわれると思うが、この筆者は心理学者的アプローチをとるからなのか、可也それを無視している。そのほかにも言葉の定義のおかしものや、疑問符のつくもの、曖昧なものが多く、混乱させられる。
三分の一ほど読んだが、時間の無駄にしか思えず、ギブアップ。