紙の本
安保法案を賛成したい本。
2015/10/02 17:34
9人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:weruboy - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体的にいえば、「今は日本は危機に満ちている。この状況を打破する為には、安保法案は絶対必要」という中身。
何で、アメリカが加担する戦争の後方支援をしたら、戦争抑止になるんでしょうか?意味わからん。
あと、細かいつっこみ。評価された安倍米議会演説・・・日本はともかく、海外ではほとんどニュースにならなかった演説を、誰が評価するのか?
自衛官に失礼な国会議論・・・自衛官は危機管理のプロ?じゃあ、心的外傷後ストレス障害にかからないのか?湾岸戦争の時は、PTSDで何人も自殺した事実を知っているか?
繰り返しになりますが、危機を散々煽っておいて、「安保法案は必要。安保法案が可決したら、危機から脱出できる」というような洗脳本。
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マーシャルの「ネットアセスメント」に力点を置いているような書き出しだが、この「ネットアセスメント」なるものはイマイチよく分からない。
むしろ欧州・ロシア、中東、更には中央アジアと中国の分析の方が面白い。
クリミア問題については、「ウクライナのフィンランド化」や「ドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領には、強大な武力を背景に断固として自己主張を強めるプーチン大統領に対し宥和政策を続ける他に有効な手段がない」と冷徹な目を向けている。
またEUについて、「欧州のEUはロシアに対抗するだけでなく、ドイツを封じ込めるための組織である」と述べるとともに、ギリシャ問題に関連して「ドイツは大きな犠牲を払ってでも、ユーロを守らなくてはならない。それはユーロが本質的に政治的通貨であるからだ。同様にEUもその本質は経済的合理性に基づく共同体ではなく、政治的連帯である。米露間での埋没を恐れる欧州のエリートたちにとって、ユーロやEUを潰す選択肢など始めからありえないのだ」とズバリ本質をついている。
また中東については、IS運動とは民族を超えたイスラムという国際的イデオロギーの衣を纏いながら、その本質は民族主義的要素を含んでいる」として、アラブがその統治能力を大幅に低下させているのに対して、トルコとイランの台頭が著しい。
特にトルコはこれまで民主化を進め、冷戦時にはNATOの一員として「ソ連封じ込め」の一翼を担い、欧州の一員となりことを切望してきたが、欧州はEU加盟を拒否し続けてきた。その傷心のトルコがイスラム化を進め、中東地域での影響力拡大を優先しているのは偶然ではないと、鋭い指摘をしている。
中東でのブッシュ政権の最大の失敗は、近代市民社会のような政治的成熟のない国に欧米型の「自由化」による「民主化プロセス」を求めたこと、またオバマは中東でのリーダーシップを発揮する気がないと指摘している。
まだ他にも中国と中央アジアとの関係など、面白い見立てがいくつもあり、現代の世界情勢を知る格好の羅針盤と言える。
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最新兵器を持つ新しい部隊の数が急激に増えても、全体の戦闘能力は直ぐには向上しない。それどころか、親ソビ、新編成、新戦術に習熟するうにはざっと50年はかかる。
中央アジアは米中ロの戦場となっていた。
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作者の自慢話が多すぎるが、東西冷戦というイデオロギー対立から民族主義対立への移行という構図は、昨今の中韓の動きを見ると理解出来る。
でも最後は今回の安保法案と安倍政権への是認は理解し難い。何だか論理が唐突に飛躍した感がある。また自衛隊がプロフェッショナルな存在である事も理解し難い。そうあってほしいという願望は分かるが、幹部クラスは国民を守るという意識(単純なエリート意識だけかもしれない)は有れども現場は一つの職業を選択した程度の意識だけなのでは。
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2016年15冊目です。
同じタイトルの櫻井よしこの本を読んだことがあるが、全くレベルの違う内容だった。著者の宮家氏は、外務省官僚で諸外国相手に交際的交渉の実務に当たっていた人間だ。視点の高さと幅広い知識と専門性をうかがわせる内容です。専門性ついては、こちらの理解が十分追いつけないところもあります。少なくとも櫻井よしこ氏の本よりも客観性が高いと感じました。関係国の考え方や行動原理を正確に理解した上で、日本が求めるべき普遍的価値はなんであるかを見誤らずに対処していくことが柱となる考え方です。そしてもう一つリスクを取れる気にになる事だ。危険リスクあるが英断を下すとか、あるいは一か八かでチャレンジすることはこれは違う。
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元外交官の宮家氏が今後の日本の外交について語った一冊。
言ってることは元外交官だけあって現実に忠実な反面、特に真新しい分析や視点はないのが残念。
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ソ連共産主義の崩壊と冷戦の終結によって世界にもたらされたものは、平和と民主主義ではなくナショナリズム(民族主義・国益主義)による新たな戦争である。周辺諸国で自己主張を繰り広げ、南シナ海で領海侵犯を繰り返す中国、「反日」を国是として慰安婦問題などにより日本の併合時に受けた恩を仇で返し続ける韓国、自国第一主義へと転換し「世界の警察官」からの撤退を宣言したアメリカ... 日本にとって最大の敵とは、これらの状況を正しく理解せずに対応出来ないでいる「自分自身」であるという提言。外務省OBの著者が、戦後70年を経た現在の日本が対峙している「国難」への打開策を講じた快作。