恋の嵐 みんなのレビュー

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投稿者：kaede　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

恋愛モノ3作品の短編集。

ソリが合わないと思っていたお坊ちゃんサラリーマンと気の強いOLモノ。
大学生の女の子と人当たりがあまりいい方ではない真面目な助教授モノ。
どちらも、素直になれない部分、相手を思い過ぎて辛い決断をする場面などがせつなく描かれたお話。
そんな中、意外なお話だったのが表題作。
好きだった相手の結婚式で、泣きそうになっていた慶子の隣で泣いていた男、ハル。
何と、ハルはゲイで新郎のことを好きだったというのだ。
そんな寂しさを抱えた二人が互いを支えあうために同棲ではなく、同居するというお話。
最近は男女でも、恋愛感情ナシに同居という話は聞いたことがあるけれど、そんな同居生活の難しさや、いいところが描かれた面白い作品になっていた。

それにしても驚いたのは、ハルと慶子がバスタブの両端につかりながら、いろいろな話をするという場面。
まるで女友達のような付き合い方をする二人の関係は、本当に、時にはお兄さんであったり、時にはお父さんであったり、といろいろな変化を見せながら、何より恋愛感情を抜きにした居心地のいい関係であることをよく描いていた。