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2015/12/15
薩摩の人達がこんなに素晴らしいことをやり遂げてくれたのかと、改まって感心しました。
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江戸時代1754年2月から1755年5月まで行われた治水工事の話。
治水工事について詳細に追っているが、焦点が当てられているのはそれに関わる人たち。
わずが一年でこういうことをしたというのも驚いた。
なんというか、嫌がらせに近いことでもそれを使命と捉え覚悟を持って行なうというのは、少なくとも自分には出来ないよなあ。
どういうことを思って取り組んでいたのか、過去に行けるなら、話をしてみたい。
そんな人達が描かれている小説でした。読み応えあり。
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戦の物語である。
薩摩の武士たちが死力を尽くして戦った、戦の。
時は、すでに徳川家の治世。
西軍として関ヶ原を戦った薩摩は、本領こそ安堵されたものの、徳川幕府はその力を削ぐ意味もあり、木曽三川の普請を押し付けた。
家老 平田靱負は、普請総奉行として、その普請を取り纏める。
島津家がやり遂げなければならないその難事業、靱負はまず薩摩藩士の気持ちを一つにまとめ、困難を一ずつ、乗り越えて行く。
その覚悟を決めた薩摩藩士の行動に、当初は外様の素人普請と彼らのことを軽んじていた百姓が、そして地元役人の目の色が変わる。
そして、見事難工事をやり遂げた靱負の見た木曽三川は、美しいものだった。
冒頭、最初の頁から最後の頁を閉じるまで、平田靱負はその結末を覚悟した上で、大プロジェクトを完遂させる。
大きな仕事を成し遂げるためには、大いなる覚悟が必要であるということを、改めて考えさせられた。