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御年75歳というのに、非常に柔軟で最先端の考え方をすることにいつも驚かせる。
いかに新しい技術革新を取り入れていくべきか熱く語ってある。あと何年この方が本を出すことができるだろうか。健康に気をつけてほしい。そして野口氏の理念を理解し実践する政治家が現れてほしい。
1章人口知能とビックデータが広げる可能性
2章新しいITサービスが変える市場経済の姿
3章本格的利用が始まったビットコイン技術
4章成長するアメリカと停滞する日本
5章日本が新技術を取り入れるための条件
6章アベノミクスでは日本は復活しない
7章投機の時代の終了
日本経済は長期的な停滞過程から脱却することはできない。この状態を変えるには、金融緩和やインフレ目標で経済が改善するとの幻想から脱却することが必要。
そして新しい技術の成果を取り入れるとことが必要。
ただし政府が指導して行うべきことではない。
必要なのは市場経済の力を利用すること。規制緩和は最も重要な成長戦略。
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現状の批判が多く、題名のような切り札の話ってあったかな?と思ってしまった本。
現状の延長線上での経済成長描くアベノミクスは、人工知能やビックデータに代表される
最新技術や新しいITサービスに対応できない。
その為、アメリカの差は広がるばかりで、日本の給与水準は早晩中国並みになると予言。
(まあ中国が上昇して、日本が現状維持以下になればそうなるという事だろう)
日本政府の規制緩和が進まないことも足かせになっているが、
決定的に違う事は、ベンチャーを支える仕組み。
特にスタートアップを支えるベンチャーキャピタルを銀行がになっている現状が問題だと指摘している。
アメリカのベンチャー成功率を考えると、成功するのは一握りだとわかっているが、
銀行は当然すべて債権を回収する事を目的に、そもそも融資がおりづらい上に、
介入に次ぐ介入でせっかくの尖ったビジネスモデルが見るも無残なものになってしまうのだろう。
簡単な事ではないが、ベンチャー企業から、そういう仕組みが日本の環境で醸成していくように願うばかりだ。
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非常にヒントの多い1冊です。
やはり野口さんの本はいつ読んでも学びが深いです。
この本絶対に読むべき1冊だと思います。
次の時代がどうなるか? どう変わるか?
気付かされる本です。
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2016/02/06
自宅
「超」って多少、大げさ感がでますね。
経済再生の最善手などは、結局結果論評。
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2016年2冊目は、野口悠紀雄先生の『「超」情報革命が日本経済再生の切り札になる』。
野口さんの本を読んだのは、初めてだったのですが、めちゃくちゃ参考になることだらけでした。
この本はざっくり2部構成になっていて、前半は新しいテクノロジーの話で、後半は日本経済・世界経済の構造の話。
赤ペン引きまくったのですが、あえて絞ると、この本のポイントは、下記5つかなと思います。
①AIの進化によって、発明や創造の分野にも、コンピューターが入ってくる。
②重要なのはビットコインそのものではなく、ブロックチェーン技術であり、それを用いてスマートコントラクトを自動的に遂行していくことである
③日本経済は急激に「中国化」しつつある。なぜなら、日本と中国の産業構造が基本的に同一だから。よって、このまま産業構造が中国と同じなら、賃金はいずれ中国並みに低下する。
④アメリカで製造業が復活し、国をリードする主要産業にはなることは考えられない。アメリカ経済の成長の中心は、金融業や専門的サービス業などの高度サービス産業である。
⑤TPPは自由貿易協定ではなく、経済ブロック化協定である。不参加国の中国は排除され、そうなると中国に生産拠点を多く抱える日本の製造業に、マイナスの影響を及ぼす。
野口さんは、常に物事を「構造」という視点で見ているので、起きている現象の本質を捉えることができるのだと感じました。書いてある内容も参考になりますが、ビジネスパーソンにとっては、この「視点」こそが最も参考になる点かもしれないです。
テクノロジーの変化と、日本経済の構造変化、両方を、バランス良くインプットできるオススメの一冊です。
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「超」情報革命が日本経済再生の切り札になる 2015/11/19
日本の産業構造が中国と同じなら、賃金はいずれ中国並みに低下する
2016年2月22日記述
野口悠紀雄氏の著作。
題名にあるように今、世界を変えつつあるUber(ウーバー)や
Airbnb(エアビーアンドビー)、ビットコインの基礎技術であるブロックチェーン技術。
エパゴギクス(Epagogix)という人間の脳をまねたニューラルネットワークという方法でなされる映画興行成績の予測。
何より重要なのは米国の大手金融機関がビットコインの基礎技術であるブロックチェーン導入実験に取り組んでいる事実だ。
証券取引所ナスダック、バークレイズ、シティバンク、UBS,BNYメロン・・・
日本においてそのような変化に対し準備出来ている金融機関はあるのか?
(三菱東京UFJ銀行などメガバンクはさすがに独自の仮想通貨の開発を進めていると報道があった。しかし世界を変えるような何かが出てくる予感がしないのはなぜだろう)
各国金融機関はこのブロックチェーン技術を利用し新しいビジネスモデルを築けるかどうかしのぎを削っているのは間違いない。
日本に求められる方向性としてこのような先進国としてのメリットを活かした新しいIT技術を活かす新しいビジネスモデルをつくる事が求められている。
そういった新しい産業・・GoogleやAppleなどの産業のある米国経済は相変わらず強い。
しかも30年前のプラザ合意時とは違い、為替の変動に大きく揺れることのない強い経済を作り上げたのだ。
日本がそういった方向性を示さなければ待っているのは日本経済の中国化である。
理由としては要素価格均等化定理がある。
異なる国の生産技術が同じであれば、その技術を用いて生産された製品が自由貿易されることによって、貿易できない土地や労働などの生産要素の価格も国際的に均等化するという定理である。
日本の産業構造が中国と同じなら、賃金はいずれ中国並みに低下する。
日本と米国の間では要素価格均等化定理は働いていない。
日米間の一人あたりGDPはむしろ広がりつつある。
逆に米国と同じ産業構造を持てば、日本と中国の間で要素価格均等化は起きない。
日本にとって喫緊の課題はそうした変化を実現することである。
それによって為替レートによって大きく変動するような日本、韓国のような脆弱な経済からの脱却が可能になる。
長期的な課題として最も重要なのは財政再建であり、社会保障制度の抜本的な見直しだ。
しかし安倍晋三内閣は、最も重要な事には何も手をつけていない。