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紙の本
生物の面白さと美しさは、子育てのシーンでこそ発揮されるのかもしれない。そう思わせてくれる良書。
2010/09/28 23:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
生物が生きる目的は、子孫を残すためである。それゆえ、子孫を残すための様々な手段が編み出されてきた。
表紙にあるエンペラーペンギンは、厳冬の南極で生まれ、子育てをして、死んでいく。しかも、何を考えたか、その繁殖地は餌場から50キロほども離れたところだという。ヨチヨチ歩きで50キロを歩こうとすると、当然物凄い時間がかかる。そのため、卵を産み終わったメスが食事に行く間、なんとオスは120日間もの間、飲まず食わずで抱卵するという。
120日の絶食ダイエットの効果は抜群で、オスは見る影も無くやせ細る、という。ダイエットをしたい皆さん、決してマネしてはダメですよ。人間なら死にます。
それはともあれ、このやせ細った配偶者を、メスは確実に見分けることができるという。その後、雛は雛だけの集団を作るのだが、ここに親が餌を運んでくると、雛はきちんと自分の親のところに行き、親は子を見分けるという。その見分けるメカニズムは、鳴き声を聞き分ける点にあるというから驚きだ。しかも、このシステムは雛がまだ卵から孵る前に働き始めるという。
こうした、両親が子育てをする動物もいれば、片親だけに世話を頼るものも居る。カッコウのように托卵して赤の他鳥に子を育ててもらうものも知られているが、肴でも同じことをするのが居るとは知らなかった。親が死んでしまったらヘルパーが代わってくれるという鳥も居れば、シャチはオスが若者の訓練に当たるという。かと思えば、ハヌマンラングールやライオンのように、新しくリーダーになったオスが群れの赤ん坊を殺してしまう場合すらある。
改めて生物の奥深さに凄さを感じた。知れば知れほど、これほどまでに精緻なシステムを生み出した自然に感服する。写真と絵で、子育ての姿を実感できるのも嬉しい。生物の面白さと美しさを知るのに、実に手ごろな一冊だと思う。
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