紙の本
SF風短編集
2019/06/15 09:52
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投稿者:モフモフモフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分はSFの読み手ではないので、表題作シリーズのSF設定の説明は「?」となってしまった。
知識がないのが悪いのかもだが、「ノックスの十戒」がどうして特異点になったのか、その理由が理解できないままだ。もちろん、ユーモアとして読むべき部分もあるだろうから、こんなことをいうこと自体が無粋なのかもしれないが…。
いずれにせよ、SF的な仕かけがあるミステリは斬新でおもしろかった。
電子書籍
表題の3/4の謎
2016/02/13 22:42
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投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
上海大学のユアンは国家科学技術局からの呼び出しを受ける。彼の論文の内容について確認したいというのだ。その論文のテーマとは、イギリスの作家ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」だった。科学技術局に出頭したユアンは、想像を絶する任務を投げかけられる…。
ミステリ要素はありますがこれはSFです。しかもおバカSF。でも面白い。話は小説を人間が書かなくなった未来、数理文学解析が発達してコンピューターが小説を書く「オートポエティクス」が全盛の時代。ここである国家プロジェクトの実験にミステリ界では有名な「ノックスの十戒」が重要なキーとして登場します。小説が構文解析され数式に置き換えられるという設定であるからこそできる仕掛けになっており、だからこそその後のSF的展開がばかばかしくも面白い。かなりニヤニヤします。オチも予測できるのですが最後にきれいに収まる様はおみごと。ただミステリーファンには不評を買うかも。(笑)
※さて表題の3/4ですが、本来の紙媒体の「ノックス・マシン」には「バベルの牢獄」という話が収録されていて「ノックス・マシン」と「論理蒸発 - ノックス・マシン2」、「引き立て役倶楽部の陰謀」の合わせて4編の短編集となっています。ところが「バベルの牢獄」は物理的な本の構造や構成を理解していないとわからない内容になっている為、電子版には収録できないとの事、なので本来は4編のところ3編しか収録してませんという意味で3/4。
確かに読んでみる書物愛に溢れた物語(相変わらずのおバカSFですが)であり、そうか・・・確かに電子化には不向きかとは思うのですが・・・。ここでこんな事を言うのは不本意なのではありますが「バベルの牢獄」を読みたいのであれば今のところ紙媒体の本を購入するしかありません。
紙の本
楽しんで読みました
2015/12/19 15:10
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投稿者:キイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作と2話目は面白かったけど、後半2話のSF設定にはちょっと苦戦!半分くらいしか理解できてない気もするけど、読みごたえはあった。そしてクリスティの某作品を再読したくなったし、クイーンも読んでみたくなった。このミスに選ばれた作品には、ハズレがないと実感!
紙の本
SFなのかミステリなのか
2015/12/15 22:32
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は、古典ミステリを題材にしたSF(っぽい)短編集です。
特に表題作の「ノックスマシン」は、古典ミステリの知識がなければ思いつかないような斬新な設定で、SFファンの視点で読んでも満足できる作品でした。他の作品も同様に、豊富な古典ミステリの知識に裏打ちされていて面白かったです。凝った設定である一方、読みづらさはあまりなく、サクッと読めました。
SFなのかミステリなのか、という分類はできません。法月作品独自の魅力を感じました。
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4編収録の短編集。
『あとがき』では『「本格」SF(本格ミステリを主題にしたSFの意)』と表現されているが、読んでみるとやっぱりミステリだなぁと思う。確かにSF要素もあるのだが……。
『ノックス・マシン』も良かったのだが、私としては『引き立て役倶楽部の陰謀』を推したい。
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うーんという感じですね。
「このミステリーがすごい」をみて期待して読みましたが、ちょっと馴染めない方でしたね。
引き立て役倶楽部は面白かったですけど。
残念ながらきつかったですね。
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《探偵小説とSFの融合。エントロピーが溢れ出す!》
「本格」SF(「本格SF」じゃないよ)
ここでいう探偵小説は、ミステリという「ジャンル」ではなく「小説そのもの」。
表題作『ノックス・マシン』や『引き立て役倶楽部の陰謀』なんて実際の小説や小説内キャラクターをSFやメタな要素を使って見事に「こじつけ」られていて、知識と歴史と発想の泉が渾々とわきすぎ!
『バベルの牢獄』は終盤で、「幸せの書」を思い出した。
本でしかできないトリックと言われれば簡単だけど、、、なぜこれをやろうとしたのか。
ちゃんとSF要素の意味かあるし、、、。
読み終わったあと、マジかよ、、、って声が出てしまった。
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ミステリだと思って読んだら、クラシックミステリを素材に使ったSF短編集だったのはびっくりした。めちゃ面白かった~~!
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それぞれで触れられている作者や原作を良く知っていれば、きっともっと楽しめたんだろうな、とちょっと悔しいです。でも、「生首~」で感じた作者に対する自己評価(まあ普通)は、ちょっと見直さないとって気になりました。表題作(とその続編)、引き立て役の3つの話は、原作についての知識云々を問わず、純粋にSFミステリとして楽しめました。なるほどなって思わせられる、見事な解釈になっていると思います。ただ、3番目に収録の話がイケてなかった。これがなければ満点でも良かったけど、くらいの減点。これが一番短くて、サラッと読み流せるくらいだからまだ良かったけど…残念です。海外ミステリの古典が、もっともっと読みたくなりました。
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ミステリ等をネタにした遊び心溢れたSF短編集。表題作と続編のオチ、『引き立て役倶楽部の陰謀』の古典ミステリネタをふんだんに配しつつ私のような不勉強な読者にも最大限ネタバレしないよう配慮した面白さ、『バベルの牢獄』の驚きの仕掛け、どれも楽しめた
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ミステリーとSFに関する知識があれば、より楽しめる作品
アガサ・クリスティ、エラリークイーンあたりを読んでからまた読んでみたいです
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一回目読了
4つの物語が入った中編集
1,3,4つ目の話はなんとか読めて、内容も面白かった
引き立て役倶楽部の陰謀は頭の中で整理がつかなくて一時断念
あとで読み直すことにした
参考文献があるにしてもよくこんな難しいことを盛り込んだ小説かけるね
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2014年版このミス第1位など、各種ランキングで上位にランクイン。法月綸太郎さんの作品は未読だったが、文庫版が薄かったので、手に取ってみたわけである。
結論から言うと、一般向け娯楽小説とは言いがたい難物だった。探偵小説研究会のメンバーでもあり、評論家としての顔も持つ法月さん。なるほど、業界人の評価が高いのはわかる。これは、ミステリーでもありSFでもあり評論でもある。
「ノックス・マシン」。一応本格ファンであるから、「ノックスの十戒」を聞きかじったことはある。その5番目に、「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」とある。真意はともかく、古典ミステリに精通していなければ、これをネタにしようとは考えないだろう。
「引き立て役倶楽部の陰謀」は興味深い。引き立て役倶楽部とは、ワトスンに代表される名探偵のパートナーたちの団体である。某女史の某作品が、彼らにとって由々しき事態だというのだが…。虚実入り乱れた内容であり、本作中最も評論色が濃い。僕は彼女の作品を未読なので、本当の面白さはわかっていないのだろう。
「バベルの牢獄」は、専門用語を散りばめられて煙に巻かれたような、日本語論でもあるような…つまり難解でした。その作品はもちろん知りませんでした。
「論理蒸発──ノックス・マシン2」。以前、北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』に手を出し、痛い目を見たが、その後にクイーンの国名シリーズを読破したので、何とかついて行けた…のだろうか。量子化されたテキストが、「燃えた」という。つまりは改竄である。仮想空間における発火点とは、何か? これは現代にもあてはまるテーマだろう。
古典ミステリに疎いことに加え、量子力学やホーキングの宇宙論まで出てきては、正直お手上げだが、設定に惹かれる点はある。物語はアルゴリズムで自動生成され、あらゆるテキストがデータベース化された時代。長期的には、電子書籍は普及していくだろう。でも、紙の本が愛おしい。難儀しながら本作を読み終え、そんなことを思った。
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内容(「BOOK」データベースより)
2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。
ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。
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ミステリとSFを組み合わせた傑作の短編集。不思議な話ばかりだが、納得させられてしまう。種明かしをされて、「腑に落ちる」のが気持ちいい。特に好きだったのが『引き立て役倶楽部の陰謀』で、様々な探偵小説の「引き立て役」たちが議論を繰り広げるのを読んでいると、すべての「引き立て役」を知らないことが悔しくなってくる。