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・クラウドクラスターを愛する方法
家を出ていった母。同じ様に専門学校の卒業とともに家を出た娘の紗登子。母や父、実家との微妙な距離、自分の今後に悩む。ちょっと島本理生の小説と似た感じがした。個人的には「ふがいない僕~」や「晴天の迷いクジラ」の方が好き。
・キャッチアンドリリース
同じマンションに住む小学生の莉子と光。2人とも両親は離婚。こちらの話も今までに読んだことある窪さんの小説とは違った印象。でも、窪さんが捕らえている本質は変わらないかな。
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初めて窪さんの小説を読む。「ふがいない僕は空を見た」の作者、という情報しかなかったので、あまり深く考えずに購入。紗登子の周りの人に対する遠慮とか、本当は打ち明けたいこととか、きっと誰もが生きていく上で抱えるものなのだろうに、それを大したことのないこと、と向井くんに片付けられている部分を読んでいて腹立たしくなった。みんなそれぞれ自分の度合いで苦しんでいるし、誰が誰より苦労しているというレベルなんてあるはずがないのに。反して克子との話は気分が晴れた気がする。
ただ少し終わり方が急だったから驚いた(笑)
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ふらりと入った本屋でみつけた、サイン本。窪美澄さんは、大好きな作家さんだから、うれしい。
サインというより、署名みたいな、
しっかりとした字。
親との関係をうまく結べない人の物語。
だけど、いつか、
どこかで、
背中をなでてくれる人に出会えればいいな。気づかなくても、そばにいるかもしれない誰かに。
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自分の周りを眺めたいときに、読み返したい本。
中編2本だけど、どちらも内容が濃くて読み応えがある。
家族というものに対して、自分の中でじゅくじゅくに膿んで、でも外に出せず言葉にできない傷を、ぴったりくる表現であらわしてくれた。
傷は治せないし、そう簡単に癒せないけど、「ここが傷ついているよ」と教えてくれて知ってくれるだけでも、とても救われた気持ちになるのだなぁと思った。
救われない気持ちの人に出会ったら、下手な言葉をかける前に、そっと差し出したい一冊。
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母と子のはなしと、父と子のはなし。現代的で地に足がついててリアルなんだけど、多分二十年後に読んでも読み応えがある本だと思う。
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離婚した親と家族について思い悩む女性の話。
今までは苦しかったかもしれないけど
自分で作る家族は幸せと感じてほしいと思った。
できれば向井くんと。
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窪さんの本は何冊か読みましたが、、いつもどこか揺さぶられる様な感覚を覚えます。
主人公のさとちゃんと同世代で、この物語も年末年始で、だから何かとてもリアリティを勝手に感じてしまいました。
元彼と一緒に住んでいた頃に「食器を洗ってくれるかな?」という一言さえ言えなくて思い悩み。
今の彼氏にも同じ様に小言に口をつぐみ、嫌いになるポイントが日々加算されはじめ、元彼の時と同じことを繰り返すことを危惧し。
何だか見に覚えがある気がしました。笑
家族という複雑な存在には私もけっこーひねくれた思いを持っているので、本文中の
自分が重そうに抱えている荷物を「ほかに、もっと重い荷物を持っている人はたくさんいるんだから。その荷物なんてまだまだ軽い方でしょ」とは言われたくなかったのだ。
…という言葉には思わず大きく頷いてしまいました。
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キャッチアンドリリースの方が好き。
子どものヒリヒリ感がすごくあった。
ヒリヒリするけど、目が離せなくなる。
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家族であること、家族になることの困難と希望・・・か。
わかる部分もあるけれど、あまり共感したくない感じもするなぁ。
同じ状況になりたくないというか・・・w
普通とか、平凡とか、平常とか、一般的とか、認識にもよるけれど、そしてつまらなそうではあるけれど、そういうものって貴重だったりするのかもしれないな。
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世の家族がみんなハッピーファミリーではなくて、もがいている。最初の話のさとちゃんの我慢ぶりが他人事ではなくつらい。
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17/05/18 (35)
クラウドクラスターはつまりはお母さんのことなのね。お母さんを愛する方法、か。むつかしいね。
・私にも守護の天使がいるだろうか。
ベッドに横になって左手を天に向けた。守護の天使がいるのなら、手を握ってと心のなかで思う。ベッドの上には天井の木目模様があるばかりだ。目を閉じると目の端から涙が流れて、耳の穴を濡らした。頭のなかに銀色のきらきらしたものが充満する。(P47 クラウドクラスターが愛する方法)
・「誰がどんなことを言ったって、さとちゃんが感じたことだけがほんとなんだよ。さとちゃんはね、もっとまわりに怒ったり怒鳴ったりしてもぜんぜんいいと思うよ。ときには荒れ狂う雨や風もないとね、青空は見えないもんなんだよ」(P140)
・ママが出ていった日、ばぁばは、クローゼットに隠れていた私を見つけて、私の前にしゃがんで言った。
「こういう日は大食いしてそのままぐっすり眠るのがいいのよ」(P167 キャッチアンドリリース)
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迷いくじらほどの衝撃はなかったけど。新しい家族を作りたいんじゃなくて、帰れる家族が欲しい ってなんか分かる。
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理想の家族を夢みる人たちの、家族であることの現実や家族になることの困難と希望を描く2篇。
家族とは最も小さな集団でありながら、その維持や継続に困難さも持ち得る。損益を目的ともしないし、絆という言葉でも表せない不思議な共同体だ。登場人物たちも疑問を抱きながらも依存する。でもそれが家族の在り方であり、時間の経過を共有するのが家族と思う。
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素直になれない主人公がもどかしくもあり、共感するところもあり。
「理想の家族」をその中にいて実感できる人は、稀なんだと思う。
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好きな作家である窪さんの作品。
クラウドクラスター=積乱雲というのを初めて知った。
内容としてはどうだったかな…
文章は相変わらず切ないセピアな描写が上手で切ない気持ちにはなったけど、とても感情移入するとか心が動くというよりかはさくさくと読んでしまった感じがする。