投稿元:
レビューを見る
当時の資料としての地図や写真から、鎌倉と横浜の歴史・文化を解説している本。
小田原にある石垣山一夜城は、豊臣秀吉が一夜のうちに城が出現したと思わせたという伝承がありますが、実際には80日ほどかけて作られたそうです。
本当は長期戦に備えてしっかりと造られた堅固な城で、築城後400年たった今でも当時の石垣が残っているのだそう。
ではなぜ一夜城といわれたかというと、小田原城内から見えないようにひそかに築城されたため、突然できたように見えたからだそうです。
横浜の青木橋近くにある本覚寺は、開港後にアメリカ領事館として使われ、今でも山門に白いペンキが塗られた跡が残っていますが、それは日本で最初に使用されたペンキなのだそう。思わぬところに日本初がありました。
かつて国内に53置かれた関所のうちの一つが箱根にありました。
中国の商人が将軍吉宗へ象を献上しようと、長崎から江戸に向かい、箱根を越えました。
箱根の峠で象は動けなくなりましたが、手厚く看病されて無事に江戸の将軍に謁見できたそうです。
まず、象が東海道を通り、箱根八里を超えたということに驚きます。
長崎から江戸までの長い距離は、過酷だったことでしょう。
このことについて、別の本で詳しく読んでみたいものです。
開港当時の絵画には、画家がバイオリンの演奏法を知らないために三味線のようにかき鳴らしている絵が残っており、ほほえましい気持ちになりました。