紙の本
絶対こわい
2007/12/21 23:40
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶対こわい本です。
三番目に収録されている「暗狩」は、
ホラー漫画にでもありそうな、
くらいくらいこわい話。
くらい、こわい、という分りやすい感情だけでなく、
生きる、死ぬ、孤独、というもろもろが、
行間にしっかりあります。
・・・でも、やっぱりこわさに傾きがちな本かな。
紙の本
ユーモアからシリアスまで
2021/05/12 23:09
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1短編集に「大全集」と付けてしまうところが著者らしいです。引きこもりを笑い飛ばす表題作から、連続殺人鬼と小学生との邂逅を描く「暗狩」までバラエティ豊かでした。
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「劇団本谷有希子」の本谷有希子の短編集。三編とも作風はバラバラ。表題作の「江利子と絶対」は、情緒不安定の妹「江利子」と彼女の拾ってきた犬「絶対」の話。初めの数頁で既に、読んでる自分自身が作中人物に振り回されるかんじがした。江利子の制御できない切ない感情が伝わって、すごくよかった。2作目の「生垣の女」は不運の男と意味不明な女の物語。書き手の才能を感じさせるものの、身体的欠陥、オヤジ狩り、動物虐待などが救いのない形で表現されており、とにかく読後感が悪い。動物愛護団体からクレームが来るんじゃないだろうか。わざと使っているとは分かっているものの、長音に「〜」を多用する小説には馴染めなかった。三作目の「暗狩」はホラー。いわゆる主人公が殺人現場を発見して犯人に追い回され、最後は間一髪で助かりめでたし、という王道を踏んでいる。2作目のハチャメチャぶりとのギャップが激しい。ホラーはあまり読まないので、こういう定番を読んだのは貴志祐介の「黒い家」以来。先が分かっているにも関わらずハラハラさせられた。いじめっ子の波多野君がとてもよかった。(2007.09)
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かなりブラックっす。
3つとも話し全然違うのに全部に引き込まれたりして・・・・でも、ブラックです。
とりあえず・・・ブラックです。
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「ぜったい」って発音が好き。絶対、舌苔。
本谷有希子はどの本を読んでも主人公が著者本人な気がしてしまう。
サブカルの女王の赤裸裸なグロテスクに、毎回感服します。
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天才の作品をまた読んだ。
相変わらず、ドロドロとしていて、ダークな作品ばかりである。
今作は、『江利子と絶対』、『生垣の女』、『暗狩』の3つの短編集であるが、どれも本谷のグロテスクで、病的で、サディスティックな感じが出ている。
個人的には『暗狩』が好きです。
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「江利子と絶対」はかなりファンキーで面白い。
言ってることすげーわかる。
でも、そのこと自体が矛盾していることだったりして真剣に生きるってどういうことなのかな?
と読み終えてから考えた。
ひとりひとりキャラが立っているんだけど、
それはいろんな人が内面に抑えている狂気のようにも感じる。
その狂気を描くというのが、本谷有希子の世界への向かいかたなのかな?としみじみ。
ちなみに、「暗狩」はあんまり刺さらなかった。
ちょっとダークすぎて。このダークさはキャラ設定に生かして欲しいです。
なので、☆1つ少ない感じで。
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「暗狩」を読んだ時、何か似た話を以前に読んだことがあると思いましたが、乙一の「Seventh Room」でした。「生垣の女」ケチャップとマスタードを持ちながら生垣に挟み込んでいる女という発想が凄い。
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本谷さん出演の舞台を観に行くのです。
で、学習のために著作を読んでおこうと。
とにかくイッチャッテる人だらけ!
ごっついバイオレンスです
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1話目『江利子と絶対』
引きこもりの妹、江利子を預かることになった姉。
ある日、江利子は拾ってきた犬に「ゼッタイ」という名前をつける。「絶対に自分の味方となる」の絶対。
これは、なかなか面白かった。江利子のキレっぷりがステキ。
2話目『生垣の女』
マンガみたいな小説を書いたんだとか。
孤独を知らないのは孤独じゃない状態を知らないから。
孤独じゃない状態を知るのは、一番残酷。それなら一生孤独のほうがマシかもね。
猫をレンジでチンとかの描写は気持ち悪すぎて、どうしようかと・・・
3話目『暗狩』
ホラーです。
怖すぎです。
気持ち悪くなりました。
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何か最後の一遍が乙一の「セブンルーム」に凄く似てる気がした。内容的には結構違うんだけど、雰囲気?とか閉鎖感とか時間の流し方とか結末とか・・・?あんま書くとネタバレだからアレだけどさ。
最初の二編はかなり好きw
「腑抜けども〜」といい、壊れた女を書くのが上手いよねw単純にもっと読みたいvvv
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ダヴィンチに連載されている彼女のエッセイが好きで
母親が知って買ってきてくれた本。
ある意味初めて読むジャンルの本だと思った。
それは本谷有希子が演劇の人だからというのではなく
もう文章とか、言葉の選び方とか、世界観とか、独特で
小説よりもvividな感じが溢れ出ている。
設定やコンセプトがよりクリアな感じと言えばいいのか。
本人も小説を覆す気持ちで書いたというようなことを書いていたし。
『江利子と絶対』が一番好き。
『生涯の女』『暗狩』を読むと、
知らない社会のリアルが少しわかった気になれる。
文章の展開とか至らない部分を感じるけれど
それを上回る主張の強さを感じる本でした。
『江利子と絶対』の江利子にはもはや羨ましさを感じる。
私はどうしても姉のタイプだろうと思う。
あんな風なストレートで素直な子がいたら自分が壊れそうで
近づけないかも。
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なにかに対してふるわれる暴力なんて甘えでしかないと思っていた。
暴力が暴力としてパフォーマンスされるのでない限り、暴力はずるいと思っていた。
なのに、いかんせん圧倒的暴力。
社会から回れ右して全速力で逃げる人たちが、あるいは逃げざるを得なかった人たちが、社会と衝突する暴力。
「あきらめた奴らみんなこの絶望を這い上がってこい!」とでも言わんばかりの本谷有希子小説。
暴力でしか、衝突でしか立ち向かえなかった人間たちの暴発オンパレード。
身をえぐるような孤独や屈辱も、感情という名前がついている。
それらはすべて、不感症よりスバラシイ。
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3本目のホラー作品が一番気に入りました。昔テレビで見たハウス劇場「トム・ソーヤの冒険」の一場面で、洞窟の中でインディアン・ジョーに脅えるトムが描かれていたのを思い出さされました。
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これはいいです。すきです。短編3つ。おもしろい。2話目とか怖すぎて笑った。でもなんか全体的に、乙一っぽいなって思った。