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迷子ツアー。。。
2017/05/21 17:39
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなかミステリアスで面白かった。「迷子ツアー」を巡る人間関係とその背後。だんだん真相が明らかになっていく過程、充分に楽しめた。バブル全盛期、たしかに何が合ってもおかしくなかったんだろうなあ。あの時代を生きた人たちの話を聞くとほんと面白いし。これが日本なの?って思う。そんな時代に一風変わった旅行をとのことで企画された「迷子ツアー」、最終日一緒にいた参加者が消える。他のツアー客の心には不思議な思い出が残る。それが売り。舞台は香港、文字を追ってるだけでも雑多。パワフル。魑魅魍魎。迷子になったら最後、消される。
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不条理な旅
2018/05/12 03:46
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「迷子付きツアー」の謎に惹き込まれました。15年前の参加者の運命が、時を越えて交錯していく展開が面白かったです。
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昭和の時代が終わりを告げ、年号が平成と改められ、日本はバブル景気真っ只中。ベルリンの壁が崩壊し、天安門事件が起こった1989年、ある旅行会社が企画した香港ツアーで、ひとりの青年が消えました。
それから十数年の歳月が流れ去り、そんな青年がいたことすら、誰も覚えていませんでした。が、あることがきっかけで、同じツアーの参加者や添乗員など、青年とささやかな関わりを持った人々の記憶に、ふと彼のことが甦ったのです。けれど、その記憶が変なのです。なんだかぼんやり霞んでいたり、肝心要の部分が欠落していたり、当時青年が一方的に想いを寄せていた女性においては、記憶そのものが書き換えられていたりして・・・。
青年にまつわる噂は、口伝にどんどん増殖し、いつの間にか虚実織り交った伝説のようになっていました。青年はどこに消えたのか?彼はいったい何者なのか?
ひとは誰しも、根無し草のように生きてみたいと、心のどこかに密かな憧れを抱いているのかもしれませんネ。
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なんとも不思議で、おかしな世界に引きずり込まれました。
このテーマで、ここまでお話を膨らませられるって、きっとすごい
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何だか、不思議な感覚。
ストーリー展開や、主人公の言葉回しがそうさせるのか。
話の構成を考えれば正しいと思えるのだが、
最終的なオチには多少の肩透かし感が漂う。
脱力。
そんな言葉がぴったりと似合う、作品です。
良い意味でも、悪い意味でも。
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これ、中島京子氏なの?
おもしろいよ、読ませるよ、同世代だもん、
バブルを知っているもん、わかるよ。
わかるけれど、ええええええっ!?
本当にこれで良いの?
何だかな~。
肩に力が入っていない?
得意な分野をこうやって模索していくんだね……
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ちょっと複雑化というか、仕掛け過ぎというか、味付け強過ぎてわけわかんなくなっちゃったような印象。
最後の吉田超人がチープな種明かしのようでがっかり。
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「1989年の香港ツアーで一人の青年が消えた」
そんな一文に惹かれて購入。
あまりにもど真ん中のストーリー展開に心臓を打ち抜かれてしまった。
あああ、何でこんなに惹き込まれるんだろう……!
どの章のどの登場人物にも奥行きがあって、妄想が止まらない!
そんなはずはないのに、まるで自分が伝え聞いたことのように思えて、すでに自分があやふやになっておる。
まだ余韻に浸っていてうまく書けないが、一応以下覚え書き。
始め、「迷子つきツアー」自体がミステリー要素を含んでいたから、「吉田超人」章にて迎えた解決に、ちょっと物足りなさを感じた。
けれど、すぐに吉田氏の話を反芻して、この小説にとって謎解きはさほど重要な要素ではない、と思った。
それよりも日常生活の中に浮かび上がる他者との希薄さ、アイデンティティの脆さ、だからこそ他者に勝手に己を作りこまれ、そしてそれに飲み込まれてしまうという一見ミステリーのような現実感を楽しむべきなのだ、と。
そういうものを香港という場所設定が、とても引き立てていたと思う。
九龍城とか、迷い込んでる感じにぴったりだ。
あんな、都市全体が生き物みたいな場所で、人いきれの中に突っ立っていたら、私だって自分が何だか分からなくなりそうだ、などと思ってしまう。
うーん、書きたいことはまだあるのに、上手く書けない。
ぶっとんだ設定だとも思ったけれど、技量があるから最後まで書ききれるんだろうなあ。
これ以上設定をがちがちにしてしまったら、矛盾なんかが増えるし、それを消化するためだけの説明なんかが増えてつまらなくなってしまうだろう。
中島さんはそういった取捨選択の駆け引きがとても上手いなあ、と思う。
また解説でも語られていたけれど、中島さんの発想は、思わず「ルーツにあたりたくなる」感じが楽しい。
「迷子つきツアー」は私の中でたぶんずっと”余韻”を伴って残るだろうなあ。
でも、テディ章のブログのところだけちょっと不可思議。
あれは、彼女の他にも全く同じような人間(自分)が存在している、ということでいいのだろうか。
そしてめちゃくちゃ余談だが、クレしんファンとしては、クレしんあたりでこんな話がありそうだし、また、観てみたいと思ってしまうほど本当に好きな設定だった。なんつて。
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端的に感想をいうと、よくわからない内容だった。読む前にただ勝手にだが、自分がイメージしていた内容とは随分違った。かつて、参加したアジアへの旅行ツアーの最中にだれかがいなくなる。そのことに着目しながらストーリーがすすんでいくのだが、いま語っている人がだれで、誰のことをかたっているのか皆目見失ってしまうことがしばしば。小説を読んでいて、主人公やストーリーの語り手を見失ってしまうことってのはたまにあるが、そのどれもがリカバリーしないまま終焉を迎える。この小説もそうだったかな。この設定だったら、もっとごくわかりやすい物語を欲する。
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1989年、香港へのツアーで、ひとりの青年が姿を消す。それがどんなに存在感のない人間でも、いなくなってしまえば、「自分は旅先に何かを置いてきたのでは?」という不思議な感覚をツアー参加者に残す。1989年当時ひそかに流行していた「迷子つきツアー」と青年の関係を、15年後、駆け出しライターが追う。
青年がひそかに憧れていた女性、ツアーに参加した会社員、添乗員など、関係者それぞれの記憶が交差するが、何が本当なのか、妄想なのか誰にもわからない。物語の中で中国に返還される前の香港がところどころ顔を出す。タイガーバームガーデン、九龍城、重慶大厦、あやしげなものが並ぶ夜店。ノンフィクションライターを目指すなら始まりは香港だ、と漠然と考えている駆け出しライターの述懐には思わずにやりとしてしまう。かつての香港を知る人なら、胸が熱くなるはず。かつての面影を探して、今の香港をさまよってみたくなる。
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この年代頃に海外旅行に行った身としては「そんなツアーあったの?」と思わず考えてしまって、たぶん作者の思う壺。自分探しちゃったり、ふわふわした気分とか、なんだか懐かしい。ちょっともやっとした最後も、なんだかあのバブル末期の感じがした。
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1989年の香港への「迷子ツアー」
旅客の中の目立たない誰かがひっそりと「迷子」になるという奇妙なツアー。他の客は、ぼんやりとした喪失感を覚えながら帰途につく。
何かを置いてきたような気がする…。だけど、それが何か分からない…。
時間が流れ、さらにその記憶は失われていく。
すっかり忘れていた香港での時間を、日記を通して思い出す男女。かつて迷子ツアーがあったことを、思いがけず知り、そのなぞを解き明かそうとする一人の少年。3人のそれぞれの、1989年のあの日に向けられた物語。
他の人の記憶と経験と、自分のそれの区別がつかない。
自分の輪郭になるはずの記憶と経験が、多くの人に共有されるものであったならば…。バブルまっただ中のこの頃に、集団の記憶を見ようとしているのだと思う。80年代の村上春樹が区別の付かない双子の姉妹を描いていたのを思い出した。ああいう感じが、ここでは、“記憶”として描きだされていると思う。
歴史へと物語を接続していく中島京子の小説に、最近ハマッてる。
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中島 京子さんの”ツアー1989”読了!「迷子つきツアー」「吉田超人伝説」‥不思議な感触のお話。素晴らしい!
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ある旅行会社が1989年に企画した、香港行き「迷子付きツアー」。
それは、何かを忘れてき た気持ちを演出するためにわざと人を迷子にさせるというものだった。
それから十数年後、香港で「迷子」になったらしい青年にまつわる記憶が錯綜する。
アイデンティティの喪失とか、虚実入り混じる人の記憶の脆さとか、底知れぬ深いテーマを持った話です。
それを感じさせずさらりと描き、とらえどころのない魅力を発揮しています。
何かを置いてきたような気がするだけど、それが何か分からない。
日常からこぼれて落ちていく、言葉に出来ない感情に言葉を与え、くっきりとした輪郭を与えてくれた気がしました。
なかなか捉えにくい感情を掬いあげ、伝えていく力量は単純にすごい!と思います。
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中島京子のあったかさがすきなのだが本作は少しテイストが違う。頑張って最終章まで読めばまぁ、ただ最終章まで辿り着くのが大変でした。