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電子書籍
紙書籍での復刊を切に希望!
2016/08/20 07:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともとは『汚名』というタイトルで上梓され、文庫化に際して『離愁』と改題されたようです。 なんとなくですが、多島斗志之はタイトルに悩む人という印象。
「私」はふとしたことから人生を捨てたように生きていた、そして死んでいった叔母の知らなかった一面を知り、叔母の過去をたどる旅に出る。 そこで知る真相は・・・、という話。
太平洋戦争時期を一部使っているあたり『黒百合』と共通点がないわけでもないですが、あちらが本格ミステリとしての仕掛けに全神経を集中させている(ようには見えないようにつくってありますが)のに対して、こちらはあえてミステリ要素を重要視せず、ドラマティックな筋立てを大きく据えたような気がします。 あえて乱暴に言えば、時代に翻弄されてしまった個人の言いようのない哀しみ。 それは到底忘れられるものでも、乗り越えられるものでもない。
性格が変わるほど、希望を見出せなくなるほどの、どうしようもないつらさ。 克服できない苦しみは存在するのだと、そんな苦しみを克服できない人はその人自身が悪いのではないのだと(気持ちの持ちようとかそんなことではどうにかなるものではないと)作者は深く傷ついた人たちにエールを送っているように思えます。 勿論、乗り越えられるならそれに越したことはないけれど。
そして相変わらずこの方の持ち味としてラストはあっさりしすぎてますが・・・それでも落涙してしまいました。 切なすぎだぜ。
それにしても・・・序盤で尾崎秀実が出てきても、「なんか見たことあるような名前なんだけど・・・」で止まってしまった私は本当に高校で日本史をとっていたのでしょうか?
自分の勉強不足を痛感。
しかし歴史的知識はなくとも、この物語には心を動かされてしまうはず。
これだけの名作を(作家・多島斗志之の代表作のひとつなのに、そして彼の描くジャンルの幅広さの証明なのに)、紙書籍絶版・電子書籍のみにしておくのはもったいない。 是非、紙書籍の復刊を希望する。 カドカワでできないのなら権利を東京創元社とかに渡してください。 それくらい、復刊希望。
紙の本
叔母の過去
2020/04/23 13:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
亡くなった叔母の過去を探っていき、秘められた愛の物語を知っていく物書きの甥の話。
藍子叔母の過去が明らかになっていく上で、ひとりの男性を死ぬまで愛すと誓ったのに、その男の死後、他の男性との間の子を産んだことに罪悪感をもち、性格まで変わってしまったと判明するのだが、愛とはそれほどのものなのかと驚嘆する。
叔母の人生を暴くことを興味本位で行う主人公もどうかと思うし、登場人物の誰にも共感はもてなかったけれども、叔母の恋愛はとても劇的なものでした。
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