数学と語学 みんなのレビュー

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投稿者：アルファ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

淡々としているようでいて人情味のある寺田節で書かれた語学論。掌編だが内容は深く、時代が変わっても通じる言説に満ちている。

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投稿者：ACE　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

寺田寅彦氏の数学と語学に関する考察である。

氏が、「私が「数学と語学」という題でこの原稿を書き始めた時は、こういうむつかしい問題にかかり合う考えはなかった。ただ語学が好きで数学のきらいな学生諸君と、数学が好きで語学がきらいな学生諸君とに、その好きなものときらいなものとに存外共通な要素のある事を思いださせ、その好きなものに対する方法を利用してそのきらいなものを征服する道程を暗示したいと考えたまでであった。」ということで、数学と語学との関連性を考えていくに至った。

一見すると、理詰めの数学に対し、表現豊かで偶然性にも左右される語学は、別の次元の存在かと思われた。
しかし、数学も公式や文字の意味を理解し、基礎的解法を反復して習得する、語学のような長い習練期間が必要であり、語学も、文法といったような数学的・論理的な部分を避けては通れない。
数学と語学とは、実は相互に関連性のある学問なのである。