紙の本
残された世界の住人達
2010/02/12 22:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
東澱久既雄の寝所に侵入した少女、舟曳沙遊里は、ペイパーカットの秘密と引き換えに、舟曳尚悠紀の残した未完成映画の調査協力を願い出る。東澱三兄妹の次兄である早見任敦に預けられた沙遊里は、伊佐俊一と共に、撮影候補地だった場所を巡るのだが、それを妨害するようにサーカムの幹部が現れる。
一本の未完成映画と、その映画に人生を左右された人々が織りなす物語。
エンターテインメント作品が面白いか面白くないかは、作品のテーマが高尚か低俗かではなく、作り上げられた世界がどれだけ読み手の“リアリティ”を喚起できるかにかかっていると思う。本当にそれがあるかどうかではなく、もしかしたらあるかも、あったらいいな、と思わせることができたら勝ちなのだろう。
この“リアリティ”が極めて高くなると、作品世界のキャラクターが現実にいるかのように錯覚させられたり、作品に影響を受けて現実に行動する人々も登場したりする。つまり、作者以外の作品の作り手が登場するのだ。
元々の作者が作った世界と、新たな作り手たちが築き上げた世界。いったいどちらが本物なのだろう。きっと答えは、読み手によって異なってくるのである。
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んーなんかかどちんっぽさの少ないただのお話って感じだったが、いいたいことはわかったからいいかな。ちゃんと世界の流れにのっとっておるな。
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2010 2/25読了。アカデミアで購入。
一時期、上遠野の新作には以前までの魅力を感じなくなっていたのだけど、最近また面白くなってきたように思う。
今作も同様。
超能力バトルよりこういうわけのわからない感じが好きだ。
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あー…また騙されました。。
最近推理小説系に騙されてばっかりです。とほほ。
今回は完全に舟曳沙遊里嬢にしてやられました。
恐ろしく老成した少女。小気味いいペースでした。
とはいえ。いつものコトながら。
「生命と同じ価値」ってどういうものなんでしょう。
自分が生きていく時に、それがなければ生きていないに等しいもの。
衣食住じゃなく、自分が価値を知らず知らずのうちに見出しているもの。
だからこそきっと。
大事なものは無くしてから気づくのだ、と改めて痛感させられたお話です。
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ペイパーカットシリーズ第五作
作品を理解するってどういう事なんだろう?よく、国語のテストで読解についての問題が出てたけれど正直あまりああいった設問は苦手だ。これはとある未完成の映画を巡る遺されたものたちの物語。
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どんどん奈緒瀬が可愛くなってる気がする。
キャビネッセンスを盗まれた後が今回のポイントって感じだったのか…前を忘れてるからそう感じるのか。
生命と同等の価値のあるもの、について考えさせられます。
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2010年8月6日 読了。
一気に読み切ったものの、微妙に腑に落ちない事が山積。
個人的には、もっとも苦手なタイプの人間が物語の中心人物だった所為も否めないが…。
よく考えたら、今回の『勢揃い』の一人は、飴屋さんを飴屋さんとして認識できるのに、なんで何も言わなかったのかなぁ。 とか、ね。
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ただ追うだけだった今までから少し視点が変わったソウルドロップ5巻目。伊佐と千条が別行動というのが個人的に新鮮。いつもよりアクションは少なめだけど、その分抽象的さは上がっていたような。
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ぼんやりと話が分かったような、ぼんやりとどこかと繋がってるんだなぁと分かったような、そんな感じ。勿論、嫌いではない。
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待ち時間が長そうな外出に携帯で読了。シリーズを貫くテーマがゆっくり動いていると云えばそうなんだけど、起承転結がパターン化し過ぎていてちょっと残念。初めて各章の扉絵が邪魔と思ったかも。正直、そろそろクライマックスにして欲しいなー。
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今までの中で一番正体に近づいているきがするけど、命と等価のものを薄める事ができるって事ですかね。いよいよ、伊佐の過去が次で語られてクライマックスにってなんないかなぁ…
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「ペイパーカットの謎を追った映画」を中心にお話は進みます。お話自身は面白かったのですが、なにより、死人が出てないのは一番の驚きかな。
ただ、ストーリー的には全然進展していない…と思います。
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ソウルドロップシリーズの五冊目。
いきなり関係ない話ですが、この手のシリーズの名称っていつの間につくんでしょうね。もちろん、出版社側がそう銘打って出すものもあるでしょうが、読者の誰かがつけてそれが浸透しているケースというのもちらほらある気がします。
本書は新展開というか、徐々に核心に近づいてきていることを感じさせる一冊。このシリーズを通して語られる「生命と同等の価値のあるもの=キャビネッセンス」とそれを狙う怪盗(?)ペイパーカットの本質が一部明かされてきた。
(重大なネタバレを含むため反転→)これまでの系譜では、キャビネッセンスを奪われたものは死んでしまうのが定説であった。つまり、「生命と同等の価値のあるもの」とうたいながらもほぼ生命=キャビネッセンスだった。けれど、本書では命とキャビネッセンスはあくまでも別物であることが示されている。
生命は「これ」といえるものがない。すごく抽象的な概念に対して便宜的に「生命」と名づけている。強いて当てはめるならば心臓の鼓動だが、それをイコールで結ぶのはどうも釈然としない。それに対してキャビネッセンスはあくまでも断定できる対象がある。そこに違いがあるのではないだろうか。すなわち、キャビネッセンスは多くの親にとっての子どものようなものであり、子どもが何らかの原因(事故、殺人など)によって失われてしまった時、観念的にその親もその時点で「死ぬ」。けれど、現実には生きていて、別の人間に成り果ててしまっているのである。
見当違いな考察はさておき、じゃあなにからなにまでがキャビネッセンスなのか? どこまでがキャビネッセンスになりえるのか? そこが焦点になっている気がします。
正直、私が理解できているのか甚だ疑問です。けれど、上遠野さんの著書は作者の意図を読み取ろうとするよりも、紙の中で繰り広げられる現象に対してなにを感じるのかが大事だと思います。
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今回はロボット探偵がそれほど活躍しなかった。
奈緒瀬のツンデレ加減が少しずつ増している。
あと、あとがきの映画の話が個人的に意外だった。
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もはや大して興味も無いのにはやり読んでしまう上遠野浩平。
まあ、興味があるってことなんでしょうね。
でもやっぱりたいして面白くはなかった。
それでも、新刊が出たらまた読みます。