紙の本
ロシアつながり
2017/10/11 23:56
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投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
この間読んだ(京都大学悪魔の講義)佐藤優さんが、大好きな米原万里さんの本を編集しているとは。と、思ったが、佐藤さんはロシア方面の外交官だったし、米原さんはロシア語通訳だったので、実は濃い縁があるのだろう。異様な読書家だったり、勉強家だったり、賢かったり、作家になってしまったり、と、今から思えば、二人の共通項は思いつくのであった。佐藤さんにおかれましては、パンツのルートとか、ハルヴァが最も美味しい菓子屋とか、そういう研究も受け継いでくれないだろうか。
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【佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里】激動のロシアで親交を結んだ佐藤優氏が傑作エッセイを選び、ロシア料理仕立てで紹介する。没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。
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イタリアのことなら、内田洋子さん
ロシアのことなら米原万里さん。
と言っては軽くまとめすぎ?と思うくらいの
膨大な知識と経験から数多くの本を執筆。
2006年5月死去。
元ロシア会議通訳、作家、
1959〜64年少女の頃プラハのソビエト学校に学び、
日本に帰国後はロシア語で受験できるからと
東京外語大ロシア語学科卒
東京大学院ロシア文学修士課程修了
豊富な知識と、持ち前の読書家で
膨大な知識からの通訳はさぞ国にも大きく貢献したに違いない。
そんな米原さんと、長年交流があり
「上からの声」というほど、信頼していた米原さんの著作から
佐藤優が責任編集。
楽しいと軽く読み進めるばかりの内容ではないが、
なかなか見えないロシアの内情がうっすら見えるような
内容に。
二人の交流にも、興味津々。
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没後10年文庫フェアの一環での新刊。盟友佐藤優によるよりぬき傑作選。ネクラソフに関する卒業論文をメインディッシュに、ロシア風コース料理をイメージして集められたさまざまな味や読み応えの文章。卒論以外はどこかで一度は読んでいるけれど、何度読んでもおもしろいのが米原万里だと改めて思う。
それにしても卒論がこのように活字になってしまうとは…帰国生で漢字が苦手だったこと、そしてはじめての学術論文への気負いが感じられる青さ硬さ…天国の米原さんも苦笑いかもしれないけれど。
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2016年8月11日借り出し。佐藤優氏の序文で、米原万里さんの著作をいつまでも残そうとする友情を感じる。選ばれたものは既読のものも多いが、読み直すのも楽しみ。
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「共産主義の方が自由だった」が印象的。著者が共産党幹部の娘だったというのは知らなかった。
内容的には堅くて気軽に読めるエッセー集ではない。頭脳明晰なんだろうが、気難しい人なんだろうなと思う。著者独特の皮肉も思想の枠組みによるものであり、万人受けはしないだろう。
「上からの介入」によって作家・佐藤優を世に送り出したパワー・功績は称えるべきか。
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米原万里が亡くなって久しい。散り散りの文章を集める編者は必要だろう。佐藤優セレクトでもいい。ロシア料理のコースになぞらえたアンソロジー形態でもまあ良かろう。けど、彼の逮捕劇の経緯はココで語らんでもいいと思うわあ。
大学の卒業論文収録。本人生きてたらイヤがるやろなぁ。
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米原万里没後十年を迎えた、今年2016年、米原さんをしのぶ本や、エッセイの傑作選などが何冊か出版された。
これは、佐藤優氏の編による一冊。
私は、佐藤優氏に関する知識が無かったので、単に「米原万里のエッセイの傑作選」だと思って読み始めた。
読んだ事のある文を見つけて懐かしむのもいいな、読んだ事のないものが収録されていたら嬉しいな、そんな気持ちで。
目次は、コース料理に見立てられ、それにふさわしい、米原さんの文章が紹介される。
この、フルコースメニューに沿ってというのは、最近の流行だ。
しかし、そういうオシャレな流行スタイルをとっているにしては、何か政治思想のにおいがする。
作家の傑作選の編者は、普通、最初のご挨拶と、締めのご挨拶くらいしか書かないものだと思っていたが、コース料理の合間合間に、「シェフのご挨拶」が顔を見せる。
つまり、「米原万里」は料理の素材であって、出来上がった料理は、“シェフ”佐藤の作品。
この本は、そういう本だと私は思った。
それをどう捉えるかは、読む人次第だ。
正直に書きます。
私としては、「別に、あなた(佐藤氏)の事を読みたいわけではない」
純粋に米原万里を読みたいのであれば、今だっていくらでも手に入る。
ただ、大学の卒論などはなかなか読めないかもしれないが。
買ったまま、積ん読状態の米原作品が何冊かある。
まず、それらをきちんと読まなくては、と反省させられた。
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米原万里さんの多才さを 1冊に 凝縮した本。軽快なエッセイから始まり、原点としてのロシア文学研究、翻訳者や小説家のプロとしての考え方など
出版社の編集者だったら、人気のある 楽しいエッセイを集めて、営利優先となるのでしょうが、佐藤優さんは 米原さん そのままを 本にまとめたかったのかなーと感じました
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2016年刊。
外交官と通訳。遠いとも近いともいえる2つの職種のエキスパートは、ロシア・ソ連という糸で結びつく。この結びつきは、2人が天賦の才を類稀なる努力によって揺るぎなき能力を育み、これをもって周囲をねじ伏せた人物との面で共通するからこそとも見えないことはない。
前者が後者に寄せるリスペクトと哀切の情が生んだ本書のエッセイ群は、それはそれは練達のそれである。
就中、米原氏の東京外大卒論の凄みに声を失う。こんな思索に溢れる文章は、二十歳すぎは勿論、今の私にも書けないよ…。
ところで、著者の細川護熙・小沢一郎・公明党評には爆笑させられた。
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エッセイ集。出色は「金色の目をした銀色の猫」。ロシアで偶然見かけた子猫を日本に持ち帰る話なのだが、チンチラの可愛さ、外国から生き物を迎え入れる際の面倒なドタバタ劇、周囲の手助けの暖かさがビジュアルで「見える」。
優れたエッセイは、人間の可笑しさ、弱さ、悲しさが、鮮烈な情景と共に立ち上がってくる。そして風景が、登場人物の感情の動きが、一瞬で心に刻まれる。魔法に近いものがある。そういうエッセイのお手本として真っ先に思い浮かぶのが、小林秀雄の「人形」。先のエッセイはこの名作に比肩すると思う。
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著者・編者の2人の対話や思い出話をもっと読みたい。それにしても米原万理が亡くなってしまったのが残念で仕方がない。今の政治や社会情勢についてのとても面白い文章が読めたことだろうに。この本では卒業論文まで載っていて、もうやはりこれ以上は未発表の作品は無いのだろうなと思うと寂しい。
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図書館で。
佐藤優選米原アンソロとでも言うべきなのか。時々読んだ事がある気がする小作あり、こんなのも書いてたんだ~と思うモノもありで楽しく読みましたが… 卒論はちょっと読み切れなかった(笑)
宗教よりもアルコールを崇める方が良いってのはすごいなぁ。外国のユーモアセンスってさらりとしていてすごいと思う。確かにビール派とワイン派が殺し合ったりしないもんな~
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付き合いのあった佐藤優が米原万理の作品を紹介している。米原作品を読む前に読むと参考になるだろう。東京外大ロシア語学科の卒業論文も含まれていて、ネクラーソフの生涯について書かれてある。ネクラーネフって初めて聞いたが、米原万理が選んだのはよくわかる。
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佐藤優氏が選んだ米原さんのエッセイ集。初公開の東京外語大学卒業論文が圧巻。最初は卒論だなんてつまらないなと思って読み始めたものの、後半はグイグイ引き込まれてしまいました。詩人ネクラーソフ…気になります。