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朝日新聞が戦時中になぜ戦争協力の報道に走ったのか?身内の秘密として隠され、社内で先送りにされていた真実を検証した本。指導部の判断ミスで、日本人二百四十万人が犠牲となった第二次世界大戦。その悲惨な悲劇を繰り返さないため、そして朝日新聞が情報を隠蔽し、戦争を煽るような社説の論調を2度と繰り替えなさいなめ、自戒と反省の念をこめて、この本は執筆された。上巻では社説の転換について書かれ、そのターニングポイントとなった出来事が満州事変からだと告白している。政治家をないがしろにして軍部の独裁を非難している箇所がそれまであったが、満州事変以降、軍部による鉄道の破壊という真実を隠し、偽りの報道をした。そこから戦局は悪化し、朝日新聞も戦争協力の咆哮へ突き進んで言ったと書かれている。当時、軍部による情報統制はあったが、もう少し、戦争を回避する報道ができたのではないかと、当時の情報を元に検証している。安倍内閣によって、他国と戦争をできる国へと日本がシフトチェンジしようとしている昨今。秘密保護法によって情報が隠され、徐々に自由が失われつつある。日本そのものが民主国家でなかった戦前の軍事国家に戻りつつあるのだ。情報が統制されていったプロセスを書いたこの本は、安倍内閣への警鐘という役割もあるのだ。