紙の本
戦争の悲惨さ
2017/09/17 08:17
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投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争は国だけでなく、一人一人の中に残酷な爪痕を残して行きます。この作品は、その現実の中にもがき苦しむ人達の様子が描かれております。こうゆう事があったというのを知っておきたい一冊。
紙の本
パンチが弱い
2016/11/13 21:42
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投稿者:えるべっく - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は昭和36年生まれ、戦後16年に生まれた。
今年は2016年、プレミアム2000年から16年。
ひとつ戦争の本を読みたくなり、
選んだのが「帰郷」
「帰らざる夏」に感動。
浅田さんの筆力に期待したのだが、
1作めの帰郷以外は、
どこか既視感のある作品が続き、
物語に入ることができなかった。
期待していただけに、
落胆も大きかった。
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浅田次郎による、戦争小説短編集。
雰囲気も渋く、文学色は強い。加えてテーマも戦争なのに、人物たちの心情や矜持に親近感を覚えさせてしまう読ませ具合は、派手さはなくとも名人芸。
また、著者は短い話に語り手の人生を詰め込むのが上手いが、今作は一つの短編の中でこれを複数キャラクターでやっている。これも見事。
そして、単純な「悲しくて泣ける」展開にしないのはしびれる。どの話も結末は、複雑な感情を噛み締めるような感覚があった。
ただ、やはり浅田次郎は長編の方がよい、とも感じた。読者を取り込む人物描写は、ページが増えれば増えるほど深みにはまり、転結が胸に響く。あの感じは長編の方が味わいやすいであろう。
「不寝番」「無言歌」の二篇は、若い人間の視点である分、特に印象的だった。
4-
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▶︎購入2016/06/29
▶︎2016/07/01-07/05
▶︎自国の平和は、自国民の犠牲のもとに成り立つ。真に平和を希求している浅田次郎の夏が近づいている。
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戦後生まれのさらに子ども世代なのだが、戦争文学になぜか惹かれる。
今の平穏な日常は
今老人になれなかった当時の若者たちによるものなのだと
誰に教えられずとも私の中に
なんだかよくわからない罪悪感のようなものさえある。
この短編集も、そんなことがあったかもしれない、いやきっとあっただろう戦時下の日常で、悲しくてしかたなかった。
私の前世は、第二次世界大戦でとてつもなあ悲しみを背負った人じゃないかと、密かに思っている次第。
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どの話もぜんぶ哀しい悲しい戦争に関わる短編集。
平和ボケできる今の境遇の有難さ。
■ ■ ■ ■ ■
出征していた我が祖父の語る南方の軍隊生活は
彼の性格からくる脚色でか、結構面白おかしいものだったんだよね。
だけどこういう本を読むと
事実はどうだったのか、祖父の本当の心情はどうだったのか
まるで知らない自分に気づくんだ。
彼が生きているうちに、もっと話しておけば良かったなぁ。
■ ■ ■ ■ ■
最後の話が ね。切な過ぎていかん。
そういうシチュエーションでなければ、好きな歌さえ歌えんような
そんな世の中はいかん。
ほんとにいかん。
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この小説は、戦争小説で、反戦小説…だと思う
何も悪くないよ、でも諦めないと他の人が不幸になる
そんな生き方、誰だって好んでしたわけじゃない
6編のそれぞれの中に無情や切なさがあるけれど
その中でも「夜の遊園地」は
読み終わって、溢れ出る涙を止めることができなかった
終戦、いや敗戦の日の前に
選挙で、自民党が大勝ちしてしまった今に
読んでおいてよかったと思う
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毎年、夏には、太平洋戦争を題材とした作品を、
1冊、読むようにしておりますが…、
今年は、お久しぶり?に、浅田さんの新作を…。
本作品は、
戦中戦後の、名もなき兵士たちを主人公とした、
6編からなる短編集です。
どことなく、『鉄道員』のテイストも感じられ、
(戦記短編集としては、『歩兵の本領』以来?)
短編の名手?の本領発揮!?ってとこでそぅか。
浅田さん独特の、作中に自然に差し込まれる、
ファンタジックな要素も、本作品の中では、
違和感もなく、効果的に感じられました。
名もなき兵士達にスポットを当てた作品からは、
祖父母の若き日の姿をイメージすることもでき、
個人的には、関心と感慨の深い題材です。
本作品は、そんな関心と感慨に、
十分に、応えてくれた作品でした。
とても、よい作品だったと思います。
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「歩兵の本領」に通じるものがあるように思う。
このあたりの話を書かせたら、天下一品。
「不寝番」は、とくに絶品。
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6編の戦争小説短編集。忘れられつつある戦争の記憶を哀感を込めてビビッドに描く。硬貨のようにまんまるのままで少しずつ膨れながら落ちてくる爆弾、お化け屋敷でうずくまる帰還兵、片手でハモニカを吹く傷痍軍人…。どの光景も目に浮かぶようだ。後楽園遊園地がかつて兵器工場だったとはね。
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もう二度と帰れない、遠きふるさと。
学生、商人、エンジニア、それぞれの人生を抱えた男たちの運命は「戦争」によって引き裂かれた――。
戦後の闇市で、家を失くした帰還兵と娼婦が出会う「帰郷」、
ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工を主人公にした「鉄の沈黙」、
開業直後の後楽園ゆうえんちを舞台に、戦争の後ろ姿を描く「夜の遊園地」、
南方戦線の生き残り兵の戦後の生き方を見つめる「金鵄のもとに」など、全6編。
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「終わらざる夏」を読んだときに、「戦争とはかくも理不尽なものなのか」と衝撃を受けたけれど、その片鱗を垣間見た。
帰りたかったのだ。そうまでして。それでも。どうしても。帰りたかったのだ。理由はそれぞれ違っても。帰らねばならなかった、帰ってきてほしかった。
戦時下の様々な願いを掬い取った短編集。
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戦争を数字にするとただの悪で終わるけど、1人1人の物語になると戦争の惨さがわかる。6つの話全てが痛かった。こういうお話は必要なものだと思う。
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決して忘れてはならないものがある。
過去の大きな過ちである戦争。
戦中戦後、普通の男の境遇・経験等を通して語りかける作者の思い。
もうそこには戻れない、戻ってはいけない。
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「戦争」の短編集。
細切れな時間を使って読んだので、頭に入らず流し読んだ箇所もあります…。
印象に残ったのは『歸鄕』と『金鵄のもとに』です。どちらも戦争を生き延びて帰ってきた兵隊さんの話。戦死したと家族に伝えられ、もう新しい生活が始まってしまっている家族のところには自分の居場所は無い、切なく、やり切れない思いがしますが、そういう不幸も沢山あったのだろうと想像出来ます。
戦後70年経ち、徐々に戦争の記憶が社会から薄れていく中、こういう本を読んで忘れないでいることは大事なことだと思います。