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世を捨てれば楽になる、楽になればなかなか死なぬ。不思議なものである。ケッタイなことである。おもしろいものである。この世は——。ユーモアあふれる老いの夢。涙と笑いの37篇!
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中学生の時、「どくとるマンボウ」シリーズにはまって、一連の作品をずっと読んでいた時期があった。先日、ふと本屋でこの本を見かけ、懐かしくて手に取り、一気に読ませていただいた。古くは「どくとるマンボウ小辞典」から、新しいものでは最後の本となった「マンボウ最後の家族旅行」まで、テーマごとにエッセイが収録されていて、変わることのないユーモアあふれる文章に、本当に楽しい読書の時間を過ごさせてもらった。
ただ、テーマごとなので仕方ないと言えば仕方ないのだが、執筆年があっち行ったりこっち行ったりで、いつの年に書かれたものなのかをいちいち最後の出典一覧で確認しなければならないのが面倒だった。1970年代のドイツの話の次に、いきなり1990年代の雑誌Hanakoの話・・・。慣れないうちは正直戸惑った。この点、星が1つ減ってしまった。
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どくとるマンボウシリーズで、ユニークさ一杯の作者と、思いきや、躁鬱病で、大変だったのだろう。
その病気になって見ないと、人にはわからないつらさがある。
最初の「歳晩に思うこと」で、歳を取ると、時間が経つのが早くなる。
同感である。
子供の時は、夏休みが、1カ月以上もあると、ワクワクしたものであるが、大人になると、「暑い暑い」と、、、言っていたのが、いつの間にか、「寒い寒い」と、言っている自分がいる。
作者の、博学であり、医師でもあったのに、一般的な白いカーネーションの話とか、、、の失敗談も人間性を、感じられる。
話が、年代順ではないが、作者の回想録的な所が、多々出てきて、遠藤周作、阿川弘之、安部公房氏等の交友関係も楽しいものであり、松本高校時代が、作者の一番の思い出なのかもしれない。
37編、思い付いた物を、取り上げたのだろうけど、やはり、最後は、父、母の、楽しいというか、ユニークの話で、終わっている所が、いい。